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よんたま映画祭を、如何にして“ハブと拳骨”に繋げるのか

キタコマ映画祭
多摩住民自治研と合体して開催中!

 多摩住民自治研究所創立50周年記念
 よんたま沖縄映画祭 第3回


 「まず沖縄を知ることから始めよう」
 喜多見と狛江の小さな?沖縄映画祭+αの映画祭の哲学に
 多摩住民自治研究所の誰かが恋をした?

◆第1回 2021.6.20(日)
 『シバサシ~安里清信の残照~』終了
◆番外編 2021.8.15(日)
 『オキナワノコワイハナシ』終了
◆第2回 2021.9.19(日)
 『モトシンカカランヌー』終了

ここからどう第三回の“ハブと拳骨”に繋ぐのか…



※更新情報があった場合、都度ここに記載します。
【更新情報】
●チラシ完成、記事の最後に貼りました。
●リモート配信するM.A.P.会場でのお客様受け入れ決定!
 ※ただ、人数に制限があるので、必ずご連絡ください。
  ご予約・お問合せ:03-4389-2246(M.A.P.)
   ⇒M.A.P.へのアクセス
また日野市の多摩住民自治研究所をサテライト会場としました。(定員10名)
●Facebookのキタコマ映画祭のグループでイベントを立てました。
   ⇒https://www.facebook.com/events/1735392073323508/



第3回 2021年11月21日(日)
 ハブと拳骨(124分/2006年)
   監督:中井庸友

   【出演】
    与那覇良:尚玄
    安城銀:虎牙光輝
    安城杏:宮崎あおい
    与那覇カミイ:石田えり
    他

本土復帰前のベトナム戦争景気で沸くコザの街で…
1960年代後半、与那覇良(尚玄)は、三線の腕が立ち、時々BARで歌っているが、いまだに米軍基地から物資を盗んで小遣い稼ぎをしている遊び人であった。良の母、カミィ(石田えり)は、幼い頃に戦争孤児になった安城銀(虎牙光輝)と妹の杏(宮崎あおい)を引き取り、実子の良と分け隔てなく、厳しく、しかし愛情を込めて育てた。銀はAサインBAR(米軍から許可書を発行されている風俗店)の用心棒、いつの間にか暴力の世界に浸かりきっていた。そんなある日、買い物帰りのカミィが米軍のトラックに轢き逃げされる…

※自前のチラシ制作中です。
ハブと拳骨



 ⇒NPO法人 多摩住民自治研究所のFacebookイベント

【タイムスケジュール】
 10:00~10:10 オープニング
 10:10~12:00 ハブと拳骨を観ること、何故に上映前に語るのか?
    (※当時の沖縄ヤクザ事情などについての解説を含む)
 12:00~13:00 お昼休憩
 13:00~15:10 映画本編上映
   ※第4回“カタブイ”に向かって…



※「ハブと拳骨」は2018年のキタコマ沖縄映画祭で、オープニングの作品に選んだ作品です。Facebookに投稿した文章を、少し書き換えてここに掲載いてみます。

「ハブと拳骨」の台詞にウチナーグチはない。TVなどでよく聞かれる「沖縄訛り」もない。沖縄を舞台にした作品にとって、それは傷なのかどうか。

訛り?
馬鹿にした呼び名である。
多くの日本人が「沖縄の訛り」だと思っているモノは、実はウチナーヤマトゥグチというスラングなのであって、「沖縄の言葉たち=シマグチ」とは全く違うものだということを、貴方たちは知っているのだろうか。
我々の祖先が沖縄に押し付けた日本語は、正しく壊れて、今、ウチナーヤマトゥグチとして軋んでいる。

冷たい大和の言葉、標準語とやらで綴られた「ハブと拳骨」の世界、しかしだからこそ、笑いや温かさに覆い隠されている見慣れない沖縄の顔が立ち上がり、そして我々は脅かされる。もしかすると、これこそが沖縄の実相なのかもしれない。

石田えりと宮﨑あおいがいい。沖縄にこんな女性はいない!と思いながら、最後には、いや、確かに南の島でこんな女性に出会ったことがあるというふうに、僕の記憶は書き換えられていく。尚玄の唄三線が、静かな波の如く、麻痺した皮膚感覚を繰り返し呼び覚まし、これは夢ではないと思い知らされるのである。

日本の、つまりはこの俺の、そして貴方たちの本音が、ヤマトのヤクザによって語られるという、そのことの意味。暴力と侮蔑の場面は、だから極めてシュールなのだし、沖縄の優しさに魅せられた人々こそ、この映画によって、打ちのめされる必要があると、心から思っている俺がいるのだ。

泣けて泣けて仕方がない。大切な、目立たないひとつの台詞。銀兄がふと漏らした小さな呟き。「ハブと拳骨」で語られる唯一のシマクゥバ。 それは…

これを見逃す手はない。

※この投稿に、 鏡一太君(映画学校出身の友人)がコメントしてくれました。そのコメントも、ここに紹介します。
「要所に挿入される『飛行機』の音と、空を見上げるカット。やくざの兄が『海も空も青くなくなった』とつぶやくも、弟が『そうかぁ?変わんないぞ』と答えるシーンにリアリティを感じる。拳骨と抱擁、表と裏の関係だけど、重要なキーワードです。」



※耳の聴こえずらい方のために、自前で文字お越しをした字幕を付ける予定です。
※また、上映前のトークについても、キャプションラインで、リアルタイムに字幕を付けてご覧いただけるようにします。まだ試行錯誤しながらの運用なので、不完全で不手際もあるかと思いますが、どうか一度体験してみてください。使用方法については追ってお知らせします。


《これからの予定》
第4回 2022.3.20(日)
 『カタブイ』
  写真家ダニエルが切り取った沖縄に、もしもあなたが違和感を感じたら...
  ほら、スコールがやってくる。

参加費
各回共通:1,500円(税込)
年間セット(全5回):6,000円(税込)


※今までの三回分についても、限定公開アーカイブをご覧いただけるように対応します。従って、今からでも年間セットもご購入いただけます。

【お申込方法】
 下記のいづれかでお願いします。
 ①メールにて多摩住民自治研究所にお申込みください。詳細を返信いたします。
  ⇒tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
 ②Peatix からお申込 下記にアクセスしてお申込ください。
  ⇒yontama3.peatix.com
   ※年間セットご希望の場合は、①のemailでお申込みください。

【お問合せ】
 NPO法人多摩住民自治研究所
  〒191-0016 東京都日野市神明3-10-5 エスプリ日野103
  Tel:042-586-7651
  Fax:042-514-8096
  email:tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
  HP:http://www.tamaken.org/

 主催:よんたま沖縄映画祭実行委員会
 共催:喜多見と狛江の小さな映画祭+α実行委員会 / NPO法人多摩住民自治研究所
 協力:株式会社M.A.P.

M.A.P.でも、お申込み・お問合せ等を受け付けています。
TEL:03-3489-2246




11月15日に追記。
あと一週間、だいぶ前に完成したチラシをアップする。
結局、宣伝文の文章を、そっくりそのままチラシにしてみたのだ。だが、どうやらなかなかその過激な意味を理解してもらうことはできない。よんたま映画祭のテーマについて、スッと伝わるようなら、10年を越える年月、ここまで苦労はしていない。ママよ。今さら別の途を探す余裕などなく、少なくとも後一週間、突き進むしかないのである。
ハブと拳骨チラシ表
※クリックすると大きくなります。
ハブと拳骨チラシ裏

tag: コザ  鏡一太 

長い一日その2(2回目のコマラジ、2個目の背中、1/2の密談)

時系列は前の記事から続く…
午後7時10分。
まんちゃーひんちゃーの前の番組、ラジぼっくり、放送中。
※この僕のツイート、僕の伺い知らぬところでスレッドが伸びている。種を撒いたのは小生なのだが、僕は静観を決め込んでいる。そのことについては、後日どこかで書くことにする。

今日のまんちゃーひんちゃーのお客様は、一昨日のイベントのトークゲスト、いわゆるアメラジアンの藤本珠理さんと、よんたま映画祭の主催者多摩研の事務局長、鈴木望さん。幼かった珠理さんが見ていたコザの街をたっぷりと話して頂こうというボクの思惑なのだが…

珠理さん、この日のために旦那さんとペアルックのTシャツを着て来てくれた。でも、これ旦那さんのモノ。自分のTシャツは、もうサイズが合わなくて、着られなかったんだって。

午後7時55分。
さて、望さんがどんな質問を用意しているのか、相変わらず打ち合わせナシでスタジオに入る。

午後8時5分。
番組が始まる。
向こうに誰かいる。「始まる前からのー」と「キメッ!!!!」を撮った人(笑)と宇夫方女史。
藤本珠理さん

今夜は、鈴木望さんが珠理さんに質問をするという形で進めよう、決めていたのはそれだけ。その成果はどうだったのか。

結局のところ、望さんの質問(つまり望さんが珠理さんに聞きたいと思ったこと)は、1時間ではカタがつかなかった。さらに、よんたま映画祭の第三弾に繋げるという使命も、思うようには遂行できなかった。さらに、珠理さんの、信頼のおける大人はラジオ体操に参加した時にハンコを押してくれるおじさんだけだった、という、よんたま映画祭のテーマに関係するような、極めて刺激的な発言に対して、もっともっといろんな面から膨らますことができたはずなのに、それができなかった。その責任は、少しばかり進行を急いだ僕にある。というか、一番初めにする話ではなかった、最後にしなければならなかった話題、それほどに思い話であったのである。その点は、事前に打ち合わせが必要だったのかもしれない。でも、それって諸刃の剣なんだよなあ。ともかく、というわけで、このまま、ハンコおじさんの話題を終わらせるわけにはいかないのである。このままでは、「正しさ」を主張する人は、信頼の置けない人だというだけの結論になってしまう。それは小生の本意ではない。

実は、放送が始まる前から、一時間程度ではとても収まらないのではないかと考えていた。思った通り、想定内であった。
なので、珠理さんを迎えに行ったボロ車の中で、もう一回来てもらえないだろうかと打診していた。そして、OKの返事を頂いていたので、少し余裕をもって番組を始められたはずだったのだが。

午後8時55分、第97回のまんちゃーひんちゃーは終了。

さて、終わってみれば、あと一回くらい増やしたところでどうにもならない、まだまだ時間が足りないと思えて来た。
それでも、記念撮影はきちんとする。


続く、うん、続きがあることは間違いない。しかし、どう続けよう…

続きはすぐやるのがいい、ならば来週の火曜日か、でも珠理さん、その日はやっと予約が取れた1回目のワクチンを打つ日で、だから何かあるといけないので、その日は避けて、再来週なら大丈夫に違いないということで、第99回に珠理さんをお呼びすることにした。

ということで、来週の放送には珠理さんは来ないのだけれど、かえってそれでよかった、来週は、再来週の放送のために、地ならしをしておくような番組にしようと決めたのである。で、来週の放送だが、いったいどんな内容にしようか、それについては、次の記事で書くことにする…




「何すんの?」
いやいや、この件については、オレが言い出しっぺじゃねえから…

tag: コマラジ  そらぼっくり  コザ 

【8/27その2は告知】よんたま映画祭の第二回はモトシンカカランヌー

チラシに掲載する文言を考えて、暫定の告知記事をブログにアップ。
「大和からやってくる政治運動家たちこそ、モトシンカカランヌーではなかったのか」
相当挑戦的な宣伝文。大丈夫かな、いや、誰も何とも思わないか、それもつまらない…



キタコマ映画祭
多摩住民自治研と合体して開催中!


「まず沖縄を知ることから始めよう」
喜多見と狛江の小さな?沖縄映画祭+αの映画祭の哲学に
多摩住民自治研究所の誰かが恋をした?


◆第1回 2021.6.20(日)
 『シバサシ~安里清信の残照~』終了
◆番外編 2021.8.15(日)
 『オキナワノコワイハナシ』終了

そして、第二弾へ…


※更新情報があった場合、都度ここに記載します。
【更新情報】
●チラシが完成したので貼り付けました。(8/28)
●Facebookにイベントを立てました。(8/28)
 ⇒https://www.facebook.com/events/245194104135978/

座談会のメンバーが決まりました。(9/15)
藤本珠理さん:(返還前のコザで沖縄出身のお母さまと、今は顔も知らない米軍の兵隊さんの間に生まれたいわゆるアメラジアンの、とても素敵な女性です。)
そらぼっくりさん:(狛江のコミュニティラジオで、ラジぼっくりという番組でパーソナリティを務めるミュージシャン。9月からは、高山正樹が担当する“火曜の夜はまんちゃーひんちゃー”でも、毎月第二火曜日にパートナーを引き受けてくださることになりました。新ユニットの名前は「まんちゃぼっくり」(笑)
森てるおさん:(西東京市の市議会議員。かつて、首相官邸と警視庁を襲撃し獄中の仲間を奪還しようと大菩薩峠周辺で武装訓練をしていた共産主義者同盟赤軍派の53名が、1969年に凶器準備集合罪で逮捕されました。その中に、第六中隊長、森輝雄氏も。これがいわゆる大菩薩峠事件です。森てるおさんが、どのような思想的変遷を経て、今、地道な活動をされるようになったのか、西東京市でトップ当選を続ける、そんな市民からの大きな信頼を獲得するようになったのか、そこに「革新系市民」の皆さんにとって学ぶべきことがたくさんあるはずだと思うのです。)
皆さんも是非チャットでご参加ください!

●NDUと布川徹郎氏についての紹介を追記しました。(9/15)
●布川徹郎追悼のyouTube動画を貼り付けました。(9/15)
   ※モトシンカカランヌーの映像の一部が使用されています。
●字幕について、赤字で追記しました。(9/16)



第2回 2021年9月19日(日)
 沖縄エロス外伝
 モトシンカカランヌー
   制作:NDU(日本ドキュメンタリストユニオン)/1971年 ?分

ムトゥシンカカランヌーとは元手のいらない商売をする者、つまり売春婦を意味する。復帰前夜の沖縄、アメリカ兵を相手に身体を売る女性たちの数少ない貴重な記録。沖縄やくざ、ブラックパンサー党の黒人兵、ストライキを行う沖縄の米軍基地労働者。強烈なドキュメンタリーの肌ざわり。娼婦アケミの歌声と基地の光景が重なる時、沖縄の矛盾が眼前に立ち上がってくる。

大和からやってくる政治運動家たちこそ、モトシンカカランヌーではなかったのか。


【タイムスケジュール】
 10:00~10:15 オープニングトーク
 10:15~12:00(?)『モトシンカカランヌー』上映
  ※映像の欠落部分を字幕だけで埋めるので、時間が確定できていません。
  (休憩)
 13:00~14:30 チャット・Twitter・メッセンジャーを交えてみんなで座談会

2019年のキタコマ映画祭で上映した際にも字幕を付けましたが、今回は決定版の字幕でご覧いただこうと、本番に間に合わせるべく急ピッチで作業中です。音声だけではなく、フィルムそのものが欠落している部分もあり、その箇所はあえて黒の画面にして、シナリオから起こした字幕のみを流すよていです。いわば本邦初完全字幕付き上映となります。

※上映後のトークショー(座談会)は、今回の映画祭から使用を始めたキャプションラインにて、リアルに字幕を付けてご覧いただけるようにします。まだまだ試行錯誤中なので、完璧なものにはならないと思いますが、一度体験してみてください。



NDU(日本・ドキュメンタリー・ユニオン)とは、60年代末から70年代を走り抜けたドキュメンタリストたちの集団である。
その作品リストをここに並べてみる…

鬼ッ子 闘う青年労働者の記録(1969年)
   ベトナム反戦運動、東京の労働者たちの記録
沖縄エロス外伝・モトシン・カカランヌー(1971年)
  復帰前の沖縄、全軍労のストライキを記録すべく密航
  コザ吉原、Aサインバー…、沖縄の底辺を記録したドキュメンタリー
倭奴へ―在韓被爆者・無告の二十六年(1971年)在韓被爆者の記録
アジアはひとつ(1973年)琉球、八重山群島、そして台湾奥地の原住民の記録
bastard on the border 幻の混民族共和国(1976年)
  建国200年祭のアメリカの記録
風ッ喰らい時逆しま(1979年)伝説のアングラ劇団「曲馬館」の記録
パレスチナ76-83 パレスチナ革命からわれわれが学んだもの(1983)
  パレスチナのフェダイン(アラブ・ゲリラ)の記録
出草之歌(2005年)
長居青春酔夢歌(2009年)

NDUの主要メンバーであった布川徹郎は、最後まで映画監督を名乗ることを拒否した。
2012年2月9日9時9分に永眠する。享年69歳であった。



第二弾のチラシ
よんたま2チラシ表

よんたま2チラシ裏



《これからの予定》

第3回 2021.11.21(日)
 『ハブと拳骨』
  物語(フィクション)が真実を超えて哲学する。 戦果アギヤーの世界

第4回 2022.3.20(日)
 『カタブイ』
  写真家ダニエルが切り取った沖縄に、もしもあなたが違和感を感じたら...
  ほら、スコールがやってくる。

参加費
各回共通:1,500円(税込)
年間セット(全5回):6,000円(税込)

 ※第一回と番外編は限定公開アーカイブをご案内します。

【お申込方法】
 下記のいづれかでお願いします。
 ①メールにて多摩住民自治研究所にお申込みください。詳細を返信いたします。
  ⇒tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
 ②Peatix からお申込 下記にアクセスしてお申込ください。
  ⇒yontama2.peatix.com
   ※年間セットご希望の場合は、①のemailでお申込みください。

【お問合せ】
 NPO法人多摩住民自治研究所
  〒191-0016 東京都日野市神明3-10-5 エスプリ日野103
  Tel:042-586-7651
  Fax:042-514-8096
  email:tamajitiken1972@space.ocn.ne.jp
  HP:http://www.tamaken.org/

 主催:よんたま沖縄映画祭実行委員会
 共催:喜多見と狛江の小さな映画祭+α実行委員会 / NPO法人多摩住民自治研究所
 協力:株式会社M.A.P.

M.A.P.でも、お申込み・お問合せ等を受け付けています。
TEL:03-3489-2246

tag: コザ 

11/27のツイートまとめ

tag: 沖縄の旅_2020年11月  コザ 

シアタードーナツ再訪

いったいどんな挨拶をしたのか、よく覚えていない。
先月ここにきて思った諸々なことも、伝えたのかどうか。

ともかく、知名オーディオのスピーカーがあることに驚いた。
だって、さっきその知名さんと偶然話したばかりなのだから。
知名オーディオのスピーカーがある

この日は、かなり危なっかしい話もした。それはナイショ。
ただ言えることは、宮島氏は観客が求めている映画を探しているということ。つまりさ、僕よりはるかに観客の側に立っている人だったということ。
ボク、ちょっと反省しようかな、なんてね。

ともかく、今は忙しすぎる。今日の日のことが書けるようになるのは、今度の映画祭が終わって、西川さんのクリスマスコンサートも終えて、それからかな、と思う。
いずれにしても、井上真喜ちゃんの見立てに間違いなかった。


そうだ、これを忘れてはいけない。
手作りドーナツ。
いっぺーまーさんどー!
手作りドーナツ
たいへんおいしゅうございました。食い散らかした画像で申し訳ございません。今度お邪魔した時にはもう少し美しい画像をアップしたいと思います。

tag: コザ  沖縄の旅_2018年11月  シアタードーナツ  宮島真一 

知名オーディオと遭遇

照屋林助三線店“てるりん”はまだ開いていない。
照屋林助三線店“てるりん”
仕方ない、諦めた。
と、そこにこんな看板。
知名オーディオの看板
これは知る人ぞ知る、世界の知名オーディオではないか。
しかし、やっぱり開いてはいない。
ここも諦めたその時、一台の車が隣の駐車場に。年配のご夫婦であろうか、怪訝な顔でこちらを見ている。
「もしかして、知名オーディオの知名さんでいらっしゃいますか?」
「はいそうです。少々お待ちを」

そうしてすぐにお店を開けてくださった。この人が、音の仙人、知名宏師さんである。

「実は、今から8年くらい前でしょうか、知名オーディオの方が、東京のウチの事務所に遊びにこられたことがあるんです。着物を着ていらっしゃった」
「ああ、石井ちゃんね。秋葉原に店を出していたから」
その時の記事

2008年に東京進出した。そして知名オーディオは広がっていった。
しかし去年の7月、沖縄島内を含む全国の販売拠点を一斉に整理した。そしてここ知名氏の自宅兼工場に全てを集約、つまり、原点回帰ということらしい。

生音の探求。圧倒的な原音再生能力。
「全部溶接で作っているから」
なんで溶接がいいのか、僕にはさっぱり分からないのだが、「日本人はオーディオ大好きだけれど、スピーカーの置き方を間違えたりして…」などと知ったようなことを言ってみたりする。
「機会は知っているが、音を知らないからね」

デジタルの音は、周波数の上と下を切ってしまう。僕の声は上も下も豊かになっているらしく、デジタルには合わないのだと、CD録音の時に言われたことがあるという話をした。すると知名さんは…
「CDは完璧なんです。問題はスピーカー。完璧なCDの音をどう完璧に再生するかは、スピーカーにかかっている」」

そうして、色々と説明してくださった。

でっかくてとてつもなく重いスピーカーも作ってみたが、結局大きさではなかった。
「このでかいのは、今ではテーブルに使ってます」
大きなスピーカー

一方、吹けば飛ぶようなちっぽけなスピーカー。
「こっちの方がよっぽどいい音がする」。
小さなスピーカー

聞かせて下さった音はなんとも温かかった。この建物も楽器なんだと思った。
「これは古いCD、つまりCDは発明された当初から完璧なんです」

終わらない話を、残念ながら打ち切って、再訪を約束して店を出た。


おっと、先走っちゃった。

tag: 知名宏師  コザ  知名オーディオ  沖縄の旅_2018年11月 

午前中のコザのパークアベニューで

泊漁港内にある魚市場。

泊市場

朝飯を調達してコザに向かった。

10時到着。
約束の時間は11時半だから、まだ一時間半もある。キジムナーフェスタで来た時の懐かしい街。レンタカーを駐車場に突っ込んで、時間までパークアベニューあたりをブラブラしてみることにしたのだが、しかし殆どの店が閉まっている。もう少しすれば開くのか、いや、多くが空き店舗だ。

開いているのはこんな店。
刺しゅう店
買いに来るのは米兵か、暴走族か。
沖縄とアメリカ軍人という10月の旅のテーマは、まだ終わりそうもない。

ん、200円? 元々いくらだったのだろう。
泊市場
それにしても
CAMP HENOKO って
まだ辺野古基地なんてないんだし
いやいや「まだ」という言い方もおかしいし
基地のTシャツ
鳥居も、たっぱり何だか腹立たしい。

そして、こんな張り紙も見つけた。
エアーフェスタ

こうなりゃオマケにこれだ!
名護市長の件

もうひとつ。まちなか図書館の掲示板。
そう、今日はこれから、「米軍が最も恐れた男」上映中のシアタードーナツに行くのである。
カメジロー

でも、まだ少し早い。パークアベニューの突き当りまで歩いて、懐かしい“コリンザ”に行ってみることにした。

 ⇒続く

tag: 鈴木里美  沖縄の旅_2018年11月  コザ  泊漁港  パークアベニュー  辺野古  沖縄の基地  トリイステーション  名護  瀬長亀次郎 

シアタードーナツへ

新しい事業を始めたので、平日、狛江の事務所を何日も空けるわけにはいかない。宇夫方女史は朝の飛行機で帰った。

ボクは、真喜ちゃんに沖縄市に面白い人がいるという情報を貰ってさっそくやって来た。

シアタードーナツ1 シアタードーナッツ2

シアタードーナツ3

階段を上がっていくと、そこはカフェ兼待合室。手づくりドーナツがウリ。
だからシアタードーナツ。
上映中はお静かに。
シアタードーナツ4

まるでホームシアター。渋谷のアップリンクにも通じる。
シアタードーナツ5
寄せ集め(?)の椅子なのはウチと一緒。広いとソファーも置けるんだな。だけどそれはまだまだお客さんが少ないということでもある。大盛況の映画館になればこうはいかない。でも、そのほうがいいよね。だからこれは、今だけの光景なのかもしれない。

残念ながら、このシアターの主、真喜ちゃんに「会ったらいいさ」と言われていた宮島真一氏は出張で不在でした。
でも、スタッフの方とお話が出来た。

スタッフの方からこんなことを聞かれた。
「映画館の興行組合に加盟してらっしゃいますか」
「いえ、ウチは映画館ではないので。映画祭をやる度に、防火対象物一時使用届け(要するに建物の目的外使用の申請)を消防署に出しています」
「そうなんですね」
「だから、そもそも組合には入れない」
「加盟していないと、上映を断られる映画があるので」
上映映画を探すのに苦労していらっしゃるらしい。年に2回の映画祭をやるだけのウチだって大変なのだから、通年毎日3本程度の作品を上映しているシアタードーナツのその苦労は想像に難くない。ウチの場合、映画館ではないということが、逆に制約を免れているのかもしれない。
「ドキュメンタリー映画ばかりにしたくないので」
それは予期せぬ話の展開だった。ここへ来るまで、というか、昨日の夜はじめて真喜ちゃんに聞いてここを知ったのだし、沖縄の映画を、それもたぶんドキュメンタリー映画を中心に上映するところだと思っていたし、それですぐにここに飛んできたのである。事実ネットでは「シアタードーナツは県産品映画を上映するカフェシアター」というふうに紹介されている。沖縄を題材にした映画は数多くあれど、「県産品映画」と限定すれば、ガレッジセールのゴリさんの映画や(それも吉本興行だし)、高嶺剛や若い才能ある沖縄出身監督の作品などもあるが、きっと多くはドキュメンタリー映画にならざるを得ない。でも、当初のコンセプトはどうあれ、今のシアタードーナツは、決してそれでヨシとしているわけではないらしい。
ふと周りを見れば、「ET」や「ひまわり」といった映画のポスターが貼られていたりする。
12月に開催する「喜多見と狛江の小さな映画祭」のことだが、はじめて意識的に、できる限り劇映画をやろうと考えた。それは何故かということを、どうにかして伝えたい、このところとずっと考えているのだが、そのためには、「ドキュメンタリー映画を上映することイコール政治的プロパガンダと見做される」というあたりから話を始めなければならない。たとえそのドキュメンタリー映画が政治的プロパガンダとして制作されたのだとしても、それを上映するという営為は、必ずしも政治的プロパガンダではないということ。ドキュメンタリー映画もひとつのフィクションであるということ。また、娯楽のために作られた一本の劇映画が、観た人の人生を決めることだってあるということ、つまりその人の「政治的な立場」をも大いに左右する可能性だってあるのだということ。

「ウチが、比較的に劇場にかかった映画を上映することが出来るのは、狛江市に映画館がないかららしいのです。だから地域の興行を牛耳るプロの興行屋さんの影響がない」
「わかります。コザにもたくさんあった映画館が、今は全部なくなってしまいました。だからココを立ち上げることが出来た…」
つまり、映画館が無くならなければ、宮島氏は自前で映画館を運営することなどなかったということでもあるのだろうと思った。

東映、東宝、新東宝、大映といった配給会社の映画は、ウチで上映することは一切できない。それでも、日活さんなどは色々と考慮して下さってきたし、松竹さんは、無料上映会ならばDVDでの上映を(もちろん上映料を支払ってのことだが)許可してくれていた。大変感謝している。ところがそれもなかなか難しくなってきた。それは、ウチが認知されてきたからというより、フィルムセンターなどが出来てそこで素材が一括管理できるようになってきて、お金があれば別なのだろうけれど、ウチのような小さなところにとっては、なかなか厳しくなってきたのだ。(まさかジャスラックのようなことがなければいいが。ジャスラックがこのコザという街の文化を潰したというハナシを以前、記事に書いたことがある) この状況は、今後ますます進んでいくに違いない。狛江のようなπ(パイ)の少ない街で、劇映画をできるだけたくさん取り上げるという映画祭を、いったいこれから続けていくことができるのだろうか。同じ内容のイベントをもっと大きな町でやれば今の10倍のお客さんが来るとよく言われるのだが、それに対して「いやこの小さな街で、この街の人たちがやって来るような映画祭にしなければ意味がないのだ」と、果たしていつまで突っ張って叫んでいられるのだろうか。

ボクは俄然、宮島真一という人に興味が沸いてきた。今ボクが考え悩んでいることを、もっともよく理解してくれる人が、もしかするとココにいるのかもしれないと思ったのである。そこでボクは、宮島氏宛に手紙を書いてスタッフの方に託し、必ずまたこのシアタードーナツに来て、今度こそ宮島真一さんに会うと心に決めて、沖縄市唯一の、小さくて、だからこそ素敵な映画館を後にしたのである。
※以上、若干の脚色を交えて、その日のことを再構成してお伝えしました。フィクションも、また真実なのですからw

参考までに。
コザ最後の映画館は「コザ琉映館」、ウィキペディアにはこう書かれてある。
1960年(昭和35年)7月に設立。コザ市内としては最後に開館した映画館。開業当初は第二東映の専門館だったが、その後は各社の邦画を中心に上映。1970年代以降はピンク映画へとシフト。
2010年代に入り、映画業界は本格的なデジタルシネマ時代に突入。沖縄県内の既存映画館が相次いでデジタル上映へと移行していったが、コザ琉映は35mmフィルム映写機のみ設置しており、フィルム映画の上映に特化して営業していた。しかし開業から半世紀以上を経て老朽化が進んだこともあり、2016年(平成28年)7月31日をもって閉館。56年間営業を続けた当館の閉館により、沖縄市内の映画館はすべて姿を消すことになる。(一部省略)



会えなかった宮島真一さんとはこんな人。
表紙に宮島真一さん

tag: 沖縄の旅_2018年10月  シアタードーナツ  宮島真一  コザ 

嘉陽荘のスミオバア

《8月1日(月)-2》
あの大震災から143日目の朝……
お宿は大池さんに教えて貰った“嘉陽荘”という民宿。たった一人で切り回しているのは嘉陽スミさん。でも、スミオバアと呼ぶほうがしっくりする。

オバアと呼ばれて腹を立てる沖縄のオバアは殆どいない。でも首里あたりでは分からない。また、大和の人間が、初対面のお年寄りに「オジイ」「オバア」と気軽に声を掛けていることを、快く思っていない沖縄の人は意外に多い。
「オジイ」「オバア」と呼ぶのは失礼かに関する記事ふたつ。
 ⇒うちなぁやまとぅぐち・ミクストランゲージ・スラング
 ⇒愛すべき儀間進オジイ(失礼?)

でもやっぱりスミオバアはスミオバアでいい。スミオバアがいい。
スミオバアはホームページまで作っちゃうのである。
 ⇒ようこそ!!あばぁ~の民宿嘉陽荘へ
※(2015年7月17日に記す)このHP、デッドリンクになっていました。どうしたのかなあ、リニューアルでもしたのならいいのだけれど、スミオバア、元気なのかなあ…

ホームページにはこう書いてある。
「民宿を始めて30年になります。以前は食事付きでしたが年老いたので今は素泊りのみ、お一人様一泊2,000円~です。」
ところが、朝起きると、こんな具合なのである。
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きっといつもこうだって思っちゃいけない。あくまで素泊り2,000円。でも……
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ここは憩いの部屋。壁には三線が数本かかっていた。
こうなったら僕が三線弾いて宇夫方女史が踊りを踊ってオバアにお礼をしよう。
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スミオバアは踊りをとっても褒めた。三線のことは何にも言わなかった。スミオバアの眼と耳は、悔しいけれど、どうやら確からしい。

※(2015年7月17日に記す)実はこの後、スミオバアがあるビデオを見せてくれた。それは「花やから」という子供たちの舞踊集団だったと思う。いやはや驚いた。しかし、今思うと「すげーなあ」という驚きは変わらないものの、どうなのかなあという感じもないわけではない。きっと、色々な意味で目も耳も肥えてしまった。しかしそれは、もしかすると、沖縄に対してこうであって欲しいという、大和の人間の、勝手な思い込みなのかもしれない。いや、勝手な思い込みなのである。

※アップした動画は削除されています。なので、なるべく小さい子供が踊っている別の動画を貼り付けておきます。


来年はチェロをスミおばあに聞かせてみなさい。
「上等さー」って言ってくれるかどうか。

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しかし「上等さー」はだいたい外交辞令。

さあ、今日はオフ。どこへ遊びに行こうか……

【おまけ】
嘉陽荘の庭にあったドラゴンフルーツ。
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tag: コザ  嘉陽スミ 

キジムナーフェスタの最後の最後

本日はお開き、そして宿へ向かってトボトボ歩いている…、と、携帯電話に着信が…。疲れて寝ていたはずの坂本さんからである。そして、再びてるてるBARへ舞い戻ったのであった……
もう《8月1日(月)》だよ。
あの大震災から143日目なんだよ。

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宇夫方女史を囲んで、向かって左がM.A.P.after5で御馴染みの龍前正夫照明研究所の御大、そしてキジムナーフェスタの全照明の総監督の坂本義美氏。それから右がてるてるBARの美人ママ、というか、M.A.P.after5で既に何度か紹介している琉球舞踊家の西村綾乃さん。坂本さんとは仲良し。音楽劇「てるてる」の出演者で、6月4日東京での宇夫方路初公演にも出演してくれました。
(※さてこの記事と、一個前の記事にアップしてある画像の中に、綾乃ちゃんはいったい何枚写っているでしょうか。答えは5枚、じゃなくて6枚。探してみてね。綾乃ちゃんを探せゲームです。)

それから、この時のこの深夜のことですが、あんまりよく憶えていないので、思い出すまでちょっと待っててね……
とりあえず、酔っ払いの画像を二枚ほどアップしときましょっと。
(この画像の撮影時間は午前1時57分でした。二枚目の画像の後ろに小さく写る時計の針をご覧あそばせ…)
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(※以下2012年11月2日に追記)
…と言いつつ、色々あって一年以上経ってしまいました。このときの旅のブログ記事は、現時点でその殆どが暫定投稿記事ばかり。そのうち絶対に完成させますが、ともかく本日、ワケあってこの記事の、この酔っ払いコンビの画像、わたくし高山正樹の三周りくらい大きな男性について、追記する事にいたしました。
お名前は花城英樹さん。やっぱり「てるてる」に出演していた変なあんちゃん。実は三線奏者らしい。坂本さん曰く「将来の人間国宝だよ」って、そう言われてもこの感じですからねえ、ご本人も「いやいや」なんて仰るし、で、こちらも「マジっすか、まあまあもう一杯!」なんて、もう目いっぱいラフな感じ。
それが一年後、東京の国立劇場で、見事な地謡を聞かせていただくことになろうとは、この時は想像もしていないのでありました。

え?どうやって宿まで帰ったかって? 知らねえよ、んなこたあ。
本日は、ここまで!

tag: コザ  キジムナーフェスタ  西村綾乃  花城英樹  坂本義美