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午前中のコザのパークアベニューで

泊漁港内にある魚市場。

泊市場

朝飯を調達してコザに向かった。

10時到着。
約束の時間は11時半だから、まだ一時間半もある。キジムナーフェスタで来た時の懐かしい街。レンタカーを駐車場に突っ込んで、時間までパークアベニューあたりをブラブラしてみることにしたのだが、しかし殆どの店が閉まっている。もう少しすれば開くのか、いや、多くが空き店舗だ。

開いているのはこんな店。
刺しゅう店
買いに来るのは米兵か、暴走族か。
沖縄とアメリカ軍人という10月の旅のテーマは、まだ終わりそうもない。

ん、200円? 元々いくらだったのだろう。
泊市場
それにしても
CAMP HENOKO って
まだ辺野古基地なんてないんだし
いやいや「まだ」という言い方もおかしいし
基地のTシャツ
鳥居も、たっぱり何だか腹立たしい。

そして、こんな張り紙も見つけた。
エアーフェスタ

こうなりゃオマケにこれだ!
名護市長の件

もうひとつ。まちなか図書館の掲示板。
そう、今日はこれから、「米軍が最も恐れた男」上映中のシアタードーナツに行くのである。
カメジロー

でも、まだ少し早い。パークアベニューの突き当りまで歩いて、懐かしい“コリンザ”に行ってみることにした。

 ⇒続く

tag: 鈴木里美  沖縄の旅_2018年11月  コザ  泊漁港  パークアベニュー  辺野古  沖縄の基地  トリイステーション  名護  瀬長亀次郎 

ハンスト中の知花昌一氏を訪ねた

朝、まだ薄暗い。沖縄の夜明けは遅い。沖縄が夜型社会なのは、朝からのズレが、夜まで影響しているのじゃないだろうかなんて、無責任なことを思ったりもする。会社は9時からというような、全国一律の通念がおかしいのかもしれない。

コンビニで朝飯を買う。
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おでんにホカロンなんてものも置いてある。
沖縄らしくないって? いえいえ、沖縄に移住した人たちはみんな言う。2年目からの冬は、やっぱり寒い。それは全国一律である。

パラダイス通りでごうさんを拾って、58号を北へ、レンタカーを走らす。
嘉手納を越えれば読谷である。間もなく、58号から左に折れる。そこは返還された土地。あのゾウの檻のあった楚辺通信施設の跡地。

ゾウの檻にまつわる一連の出来事も、知花昌一さんを抜きには語れないが、もしご存じない方は、是非とも調べて頂きたい。

ようやく返還された広大な土地、しかしその利用方法はまだ定まっていない。
米軍の滑走路だったところを、現在はそのまま道として使っている。
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僕らはこれから知花さんに会いに行くのだが、今日は「ゾウの檻」のあった返還された土地ことではない。

この記事に直接来られた方は昨日の記事をまず是非お読みください。
 ⇒年月だけ積み重なって【「カクテル・パーティー」から42年】
トリイ通信基地(トリイステーション)の正面ゲート。
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僕は不信心なので、鳥居がどうされようと別段何とも思わないが、この米軍のふざけた洒落には、やはり唖然とする。沖縄における米軍のこの無神経さが、全てを象徴している。鳥居は、沖縄が所属する日本国の一つの文化でありながら、沖縄を利用し放置してきた「大和」の象徴でもある。日の丸を焼き捨てた知花昌一さんの目に、この鳥居はどのように映っているのだろうか。

この鳥居の左側に、小学校の運動会で使われるようなテントがふたつ、そこに知花昌一さんがひとりで椅子に座っていた。
「おはようございます」
「ああ」
近所の顔見知りがちょっと寄ったかのように、知花さんは至極自然に、僕らの座る場所を作ってくれた。
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ゲバ字だ。久しぶりに見たな・・・
知花さんの周りには、こんな字が書ける支援者がたくさんいる集まっているのかもしれない。でも何度でもいうが、今の知花さん自身からは、そんな空気は全く出て来ない。

「今度のことは、どう考えてもおかしいから、いてもたってもいられなくなって来ました。でも来たからといってどうなるわけでもない、自己満足なんですが」
そう言った僕に、知花さんは「俺だって自己満足さ」と呟いた。
はじめは、ちょっとだけ座り込みをして終るつもりだった。それがなりゆきでハンストになった。毎晩家に帰って眠れるのだと思っていた、食べなきゃいいのだろうと。
ところがそれじゃあハンストにはならないと周りから言われて、だんだんと大事になってしまった。支援者は、毎晩風呂に入ってから酒を持って集まってくる。知花さんは食べていないから、早いところ眠りたいのに、取り巻きは勝手なことを言い合って、いい加減酔っ払って深夜に帰っていく。そんなことを、知花さんは微笑みを持って話してくれた。

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クリスマスなので、鳥居の脇にはこんな看板が立てられていた。
サンタクロースのオブジェ
この基地の中に、自分の犯した罪を償おうともせずにノウノウとしている男がいるというのに。こんなオブジェは引き倒して壊さなければならない、それをやるのは知花昌一しかいない。取り巻きがそんな勝手なことを言う。なんで俺がやらんといかんのか。
もちろんこれも本当のエピソードではあるが、やっぱり笑い話である。

きっと知花昌一さんは、こうして伝説の男に仕立て上げられていったのに違いない。

知花さんは、差し入れのサーターアンダギーと水でもてなしてくださった。
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「俺が食べられないのを知っていて、食い物を差し入れに持ってくるわけさ・・・」

記念撮影しようよ。
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後から来た方が、撮影してくださった。
アップにしてみたら、みんな、妙な顔をしていると思った。
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まじめな顔して写ろうと、打合せをしたわけではないのに。
決して笑えない話をしていたわけでもないのに。

ごうさんは読谷住まいなので、ごうさんを残して、僕らは空港へ向かいます。短くて長い旅も、間もなく終わりです。

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