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実さんが元山君に電話で伝えたこと

連れがいたり、よほどの用事でない限り、特に帰り道に寄るとかいうならなおさら、金城実さんのアトリエに行くときはアポなしと決めた。いなかったらいなかったで、それはそれである。

野仏、増えたかな。
野仏群

前回買い物に行った塩ビのパイプが役に立っている。
野仏群2

「ちわ~」
「おう」

そんな挨拶のようなものを交わしたのかどうか。最近はいつもこんな感じ。

巨大な荷物?がいっぱい。
巨大な荷物?

わ~!
巨大な顔

巨大な足

巨大な手

新聞記事大阪住吉区にある市民交流センターの壁面に、部落解放運動の象徴として設置されていた実さんの作品、高さ12.3m幅7m重さ3tというレリーフ「解放へのオガリ」が8等分され、5月22日、読谷の金城さんの元に帰って来たことを報じる琉球新報の記事。

※画像をクリックすれば大きくなるので、是非全文をお読みいただきたい。開いた画面をさらに部分拡大すれば、壁面に張り付いた巨体の全貌が分かる。

前回訪れたのが5月の10日だから、そのあとすぐに届いたということか。それから5か月、ここに置かれたままになっているということ。あの巨大台風の時もここにあったわけだ。新しい設置場所は読谷の予定、元参議院議員の服部良一氏が色々と画策しているらしいが、さてどうなることか。

「いつまでもこのママにしておくと、合体する時にうまく合わなくなるんじゃないですか」
「そうなんじゃ。まあ仕方ない。どこを切るかも考えて、せいぜい三つくらいに分けたかったのだが、それではトラックにも乗らんし、職人さんも精いっぱいやってくれたんじゃろう」

語る実さん

また、こんな立て看板も。
水平社宣言 宣言の看板
実さんが名文だとしてこよなく愛する水平社宣言である。

全國に散在する吾が特殊部落民よ團結せよ。
長い間虐められて來た兄弟よ、過去半世紀間に種々なる方法と、多くの人々によってなされた吾らの爲の運動が、何等の有難い効果を齎らさなかった事實は、夫等のすべてが吾々によって、又他の人々によって毎に人間を冒涜されてゐた罰であったのだ。そしてこれ等の人間を勦るかの如き運動は、かえって多くの兄弟を堕落させた事を想へば、此際吾等の中より人間を尊敬する事によって自ら解放せんとする者の集團運動を起せるは、寧ろ必然である。
兄弟よ。
吾々の祖先は自由、平等の渇仰者であり、實行者であった。陋劣なる階級政策の犠牲者であり、男らしき産業的殉教者であったのだ。ケモノの皮を剥ぐ報酬として、生々しき人間の皮を剥ぎ取られ、ケモノの心臓を裂く代價として、暖かい人間の心臓を引裂かれ、そこへ下らない嘲笑の唾まで吐きかけられた呪はれの夜の惡夢のうちにも、なほ誇り得る人間の血は、涸れずにあった。そうだ、そして吾々は、この血を享けて人間が神にかわらうとする時代にあうたのだ。犠牲者がその烙印を投げ返す時が來たのだ。殉教者が、その荊冠を祝福される時が來たのだ。
吾々がエタである事を誇り得る時が來たのだ。
吾々は、かならず卑屈なる言葉と怯懦なる行爲によって、祖先を辱しめ、人間を冒涜してはならなゐ。そうして人の世の冷たさが、何んなに冷たいか、人間を勦る事が何であるかをよく知ってゐる吾々は、心から人生の熱と光を願求禮讃するものである。
水平社は、かくして生れた。
人の世に熱あれ、人間に光りあれ。
大正十一年三月三日 全国水平社創立大会


最後の「人間」は「にんげん」と読むのではない。「じんかん」と読むのである。

とことん闘う実さんだが…
沖縄の歴史を刻んだレリーフ「戦争と人間」が、先日の台風でこんな有様に。
倒れたレリーフ
「自然にはかなわん」
…と、笑う。識名さんと気が合うわけだと思う。

「業者に頼んどるんじゃが、忙しくてこっちまではなかなか手が回らんのじゃ。あちこちで家の屋根が壊れとるからのう、そっちが先じゃ。こんなのはどうでもいい。生活のほうが大切じゃ」

アトリエで…
※とりあえずここまで。以下後日追記するための覚書
波上宮の話
※ダニエル・ロペスの映画「カタブイ」のハナシもした。そうしたら、そのダニエルが一昨日アトリエに来たので「読谷祭りに連れて行ってやったのじゃ」そうである。そうか、南部に行かず読谷祭りに行ったらダニエルに会えたのかもしれない。
授与式の和服の話
そして県民投票の話

どれもこれも「空気」の話

知花昌一さんがやって来た。
「おう、どうした」
「ちょっと、寄っただけさ」
実さんと昌一さん

「元山仁士郎というのはナイチャーか」
「違う、ウチナンチューじゃ。そういうふうに勘違いしとるウチナンチューがけっこういる」

ちょっと寄っただけの知花さんだが、けっこうの時間一緒に話をしてお帰りになられた。
愛楽園の自治会のこととか。しかしそれについては別の記事で書くことにする。

沖縄の闘いと共産党の話。
「沖縄の闘いでは共産党の旗は揚げさせん」

「これは彼に、言っておかなければならんなあ」
(内地の、狛江の共産党や革新系の方々にこそ聞かせたいハナシ)
金城さんのいう彼とは、やはり元山君のこと。電話番号が分からないというので、僕が彼にメッセージした。すぐに返信が来る。
実さんがその電話番号に電話をするが出ない。しばらくすると、彼の方からかかってきた。
元山君に電話をする実さん

県民投票が終わらないと公開できない内容のハナシ。
「どうじゃ、誰も傷つけないように、なかなかうまくしゃべったじゃろう」
県民投票が終わったら追記する。どうかそれまでどうかお待ちを。

「イデオロギーではない、アイデンティティなんじゃ。イデオロギーは変えられるが、アイデンティティは変えられん。ウチナンチューはウチナンチューをやめることはできんのじゃ」
「金城実は右翼だよって、ボクは最近みんなに言ってるんですよ」
「おう、それでいい」
「実さんがそっちでいくなら、ボクは徹底的にアナーキストでいきます」
すると、お互いなんだかしっくりくるのである。

「まさか金城実がこんな穏やかな作品を作るなんて思わんじゃろう。芸術家は詐欺師じゃからな」
実さんの優しい作品

実さんの作品確かに
最近の実さんの作品は
野仏といい
金城実らしくないかも。

ひとのよにねつあれ じんかんにひかりあれ

飲み始めた金城さん。泡盛の缶コーヒー割り。
泡盛の缶コーヒー割り
いかん、これに乗っかったら、帰れなくなる。

水平社の旗

tag: 台風  金城実  知花昌一  元山仁士郎  沖縄の旅_2018年10月 

新生識名農場も間近か

シアタードーナッツを出て、金城さんのアトリエに向かう。
そうだ、その前に識名さんの新旧の農場がどうなったか、見に行くことにした。

古い畑は、もうすっかり更地。
更地

これだけ見ればいいと思っていたのだが、まだ時間には余裕があるので、勝連城の向こう側にある新しい畑の方まで回ってみようと車を走らせる。
南から見る勝連城。これは裏なのか、表なのか。
南から見る勝連城

新しいハウスも出来上がっていた。
新しい畑

誰かがいる気配はない。新しい畑の進捗状況を見ることができたので、それで満足して車を出発させた。しかしなあ、やっぱりここまで来て、識名さんに何も言わずに立ち去るのは如何なものかと考え直し、車を停めて電話を掛けてみた。すると、今畑の中にいるという。雑草の中で見えなかったが、作業をしているのだと。すぐに道まで出ていくからとおっしゃるので、すぐに踵を返した。

識名さんのハナシ
先日の台風で、色んなものが打ち上げられてきた。それを行政が回収して行ったので、かえって前よりきれいになった。台風のお陰と、識名さんは笑顔である。

しかしあれだけでっかい台風、大変だったのに違いない。聞けば識名さん、高潮と満潮が重なって、この腰くらいまで水が上がって来たと説明してくれた。
新しい畑
画像では、浜と道の落差が良く分からないので、5月に行った時の浜から写した画像をご覧いただきたい。
高さ2m?
いやはやとんでもない高さである。笑い事ではない。
識名さんは台風の中、ひとりでこの畑を見に来ていた。畑は盛り土してあったのでなんとか持ちこたえたが、もう少し水が高かったら、畑もすっかりやられていただろう。
新しい畑
忘れては困る。識名さんは盲目なのである。畑と道路の境にあるこのフェンスにしがみつき、腰まで水に浸りながら、今ここで大きな高潮がきたら、俺はきっと死ぬんだなと思っていたと、相変わらず笑いながら話してくれた識名さんは、やはり只者ではないと、あらためて思い知らされたのである。

今後もっと大きな台風が来るようになるかもしれない。その時はどうなるのだろうか、「だいじょうぶなんですか」と問うたボクに、「いや、大丈夫じゃない」と、識名さんはやっぱり笑って答えたのだった。



識名さんのトマトが無くなっては困るという業者さんがたくさんあって、その人たちが手伝いに来てくれるのだという。初収穫は1月かなと。今識名さんは近くの港町に家を貸してくださる方がいて、そこで1人暮らししている。

「いつでも泊まれるから」

そうか、今度はいつ来られるのかなあ。
でもその前に、次は是非とも狛江にお越しくださいませ。

tag: 沖縄の旅_2018年10月  識名盛繁  台風 

台風の中を出陣

《8月6日(土)-1》
あの大震災から148日目……
朝6時半、天気予報によると、なんとか今夜の飛行機は大丈夫そうなのだが、しかしいっこうに台風の勢いは収まる気配を見せない。
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嘉手納の銘菓を食べながら……
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こんな感じ。
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本日の予定。
白石准と楠定憲は、今夜の便で東京に帰る。それまではここでしっとり過ごすらしい。致し方なし。
宇夫方路はもう少し明るくなったら、家元の稽古場へ行く。実は本日、関りえ子琉球舞踊研究所のメンバーが、コンクールの新人賞を受けるのである。そのための最後の稽古とコンクール本番の手伝いに琉球新報ホールへ行かなければならないのである。
そして小生、高山正樹は、宇夫方女史を稽古場まで送り、そのまま取引先廻りである。数件回り終えたら糸満までレンタカーを返しに行き、那覇に戻ってコンクールの本番を見ようと思っている。

お目当ての出番が終わったら、また糸満へ。急遽糸満のコミュニティラジオの生本番に出演することになったのである。そして深夜のスカイマークで帰るという予定。

ああ忙しい。

午前8時、風雨は相変わらずだが、だいぶ明るくなってきた。ということで僕らは出発。津堅さんにはマンションをお貸しいただいて、本当に助かりました。感謝感謝です。

一階ロビー。土嚢で水の浸入を防いでいる。
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しかし、町はすごいことになっている。
道の真ん中からは水が噴き出しているし……
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街路樹は倒れているし……
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取引先でのお仕事については後日報告ということで。
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tag: 台風  沖縄芸能コンクール 

うりずん~土~ななしん屋

《8月4日(木)~5日(金)》
夜、マスターにお礼しなければと“うりずん”へ。

詳細は後日、まずはざっと報告。

入嵩西康文さんもいらっしゃいました。
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今夜も宇夫方女史は踊ります。
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お客さんたちも最高に楽しそうです。
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もちろん仕切っているのは新城亘先生。
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“うりずん”のオーナー土屋さんの実に楽しそうな笑顔。

亘先生を中心に、女性のお客様たちを交えての恒例の記念撮影。
その1
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あれ、なんで楠さんいるの?
その2
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まあ、准ちゃんまで。
そうなんです。ふたり、台風で帰れなかったんです。

だから、詳細は後日。


それから“土”へ行って……
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“ななしん屋”に行って……
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[subcate.ななしん屋]
そして午前様。

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