「あしたが消える」~どうして原発?~

ドキュメンタリー(55分/1989年)
構成演出:千葉茂樹、中嶋裕、田淵英夫、金高堅謙二
製作:平形則安、溝上潔、里中哲夫

ソ連・チェルノブイリ原子力発電所の事故から3年後、1989年5月26日公開された幻のドキュメンタリー。

どうして日本は
この時に“原発問題”を解決しておかなかったのだろう。


福島第一原発の定期検査などに携わっていた52歳の父を骨ガンで亡くした女性の新聞投書をきっかけに、原発で働く労働者、被ばくの危険性を明らかにしようとする医師、福島第一原発4号機の設計に携わった田中光彦氏らの証言を集めたドキュメンタリー映画。

「あしたが消える」チラシ表 「あしたが消える」チラシ裏
(※クリックすると大きくなって↑広瀬隆氏の解説が読めます。)


【上映日時】
1)6月22日19:00~
※6月22日は他に10時から「イエロー・ケーキ」、14時から短編芝居二本立てがございます。是非併せてご覧ください。
2)6月26日10:00~
※6月26日は他に14時から「イエロー・ケーキ」、17時からリック・タナカ「エネルギーの話」(無料企画)、19時から「ポスター・ガール」がございます。是非併せてご覧ください。

※26日の回は映画監督であしたが消えるを構成演出された千葉茂樹さんがゲスト。また、パーマカルチャーの伝道師リック・タナカ氏がオーストラリアから、17時の無料企画に先駆けてスカイプ実況中継で参戦。さあ、いったいどんなことになりますやら!

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tag: 津嘉山正種  加藤登紀子 

本番の次の日も主役は比嘉モエル

本番のあった日の次の日の朝一番。
はぎとーん

お、比嘉モエルちゃん、主役じゃないさ。
ということで、さっそく「今日の呟き」…

gajumui

今日の沖縄タイムス、禿げ散らかしたオスプレイが主役だよ♪ @moeruhiga
11-07 10:07

するとさっそくモエルちゃんから返信があった。
「おはようございます!昨日はありがとうございました!えぇっ、本当ですか!今すぐコンビニで買ってきます!」

お昼は沖縄そば。(※そば談義は後日追記)
ツルツルした沖縄そば
この画像を撮影したのが、データに残された記録によると12時31分である。
この後、もしかしたらオスプレイに遭遇できるかと普天間を一周したり。それからカミサンの実家に戻ってツイッターなぞ眺めると、12時32分にモエルちゃんが呟いたツイートを発見!
「おばあちゃん家にやってまいりました。おばあちゃんに喜んで欲しくて、例の沖縄タイムスの記事を見せると、まさかの第一声が。おばぁ『はっしぇ、ハゲてる!!』…。どうやら逆効果になった模様です…」
思わずボクは返信してしまったのであった…

@moeruhiga はぎとーん!
11-07 15:42

…反応なし。
今頃モエルちゃん、おばあちゃんと楽しくユンタクしてるのかなあ。

義弟の車を借りたのだが、ちょっと大きくて、大城立裕先生のお宅にも、又吉健次郎さんの工房にも、peanutsにも行けなさそう。首里をウロウロするには軽自動車に限る。そこで普天間へ。でも禿げていない本物のオスプレイには出会えず。
11-07 15:55

妹夫妻と、弟の奥さんがやってきてビールなど飲み始める。

「今さっきオスプレイみたよ」
「え、ほんと?」
「こんなしてさ、パタパタパタパタっと」
…と、高速キラキラ星をやった。

浦添にて、オスプレイ目撃!パタパタパタパタ………
11-07 17:41

目撃したのはボクじゃあないけど、まあこのくらいの方便は許して貰おう。

昨日はカミサンの妹のダンナさんの父上の一周忌の法事であった。何とかカミサンと義母は、法事を終えて会場に駆けつけてきたが、ご先祖様に対する行事を最優先にするのが沖縄、他は誰も朗読劇に来る余裕などなく。それでもどちらかといえばミーハーだから、今日の夕方のニュースで、NHK以下各局それぞれ5分くらいの枠で流してくれるらしいといえば、テレビのリモコンで、こっちは今CMだからあっちに変えろとカチカチ始まった。

あ、この人、台本書いた清水弥生さん…
清水弥生さん
「ふーん…」くらい。

これこれ、禿げ散らかしたオスプレイのリハーサル風景。
禿散らかしたオスプレイ
「はげ~、ほんとやっさー、いくつね~」
漫才コンビのポッテカスーのひとりだよと言えば「はいはい、そんなのいましたねー」「わからん…」みたいな会話。

沖縄では知らない人のいない北島角子!
北島角子さん
「え?北島角子も出てたの、すごいねー」…さすがである。

トリを取るのは津嘉山正種。
津嘉山正種さん
津嘉山さんに関しては前から“おきなわおーでぃおぶっく”で一緒に仕事をさせてもらっていることをみんな知っているので、今さら歓声なんぞは上がりませんでしたけれど。

しかし、もし津嘉山正種という俳優が参加しなかったら、はたして沖縄の若い役者さんたちが、ノーギャラで今回ほど集まったかどうか。沖縄は狭い世界だから、たとえ大物でも北島角子さんと会う機会はママあるけれど、津嘉山正種さんは広い世界に出て行ってそこの一線で活躍している俳優。そのことを、彼らはどう捉えているのだろう。

はたして、沖縄の若者たちは、東京公演を越えたのか。帰京したら、じっくりとブログに書こう。30年以上悶々と考え続けたひねくれ者だから書けることをさ。
11-07 18:51

(※東京公演を越えたのかについて追記するか否か考え中)

おや、いい時間になってきた。
「じゃあ、男だけで行きましょうかね、パタパタじゃなくてパラパラ…」
キラキラ星のポーズ。
「そうですね、パラパラ」キラキラ星のポーズ、その2。
「パラパラ~、アッパラパ~のパラダイス」
弟が仕事でいないのは残念だけれど、今晩は妹のダンナさんとふたりでパラダイスの夜を。
「かってにしなさい」
「は~い!」

えーと、記事はやっぱり分けた方がよさそうですなあ。
浦添の夕方から、那覇のパラダイス通りの夜へ続く。

tag: 沖縄_沖縄の人.比嘉モエル  沖縄_戦争・基地など.高江  津嘉山正種  こんな人あんな人_劇作家・演出家.清水弥生 

高江についての朗読劇“私(わん)の村から戦争が始まる”の告知

大震災から483日目……

【呟いたこと】
gajumui

さて何から呟くか。まず昨夜のライブの事。古典をコアに考える企画はいける。渡久山英男さんに「高山さんの視点は面白い」とおっしゃて頂いた。これだ。毎回ひとつでいいから、ヤマトゥンチュだからこそクローズアップできる何かを提示すること。今回は… その前に自宅に帰って風呂入って飯食おう。
07-07 10:02

「明日10時入り」という連絡。僕は何も聞いていない。社長と連絡が取れず直接電話したという。僕の予定を確認しないで仕事入れるかなと思いつつ、明日のスケジュール調整を始めた。結局、他のナレーターの仕事で、事務所の人間が間違って僕の電話番号を伝えたらしい。お陰で呟く時間がなくなった。
07-07 16:09

ubukataicon ubukatamichi

@shima_me いつでも遊びに来てください。大歓迎です。ミュージカル、本番いつでしたっけ?
07-07 18:02

月曜納品、間に合うかなあ。地図の仕事のことです。
07-07 18:05

gajumui

藤木勇人さんのうちなー妄想見聞録を観て、今さっき帰ってきました。飯の種蒔き、手伝えなくて申し訳なし。ところで今月の18日と19日、僕、藤木さんと共演するらしい。といっても僕はちょいと手伝うって感じか。 @ubukatamichi 月曜納品、間に合うかなあ。地図の仕事のことです。
07-07 23:27

ちょいとワケあって、早めに台本が届いた。いいのかね、僕が●●なんか●●して。えらいこっちゃ。本番まで内緒にしとこ。しかし、こんなメンバーでも、こういう題材だと集客が大変らしい。せいぜい宣伝しよう。「私(わん)の村で戦争が始まる」 http://t.co/tIm1RaTJ
07-07 23:37

《追伸》
ubukataicon ubukatamichi

いざとなったら助っ人頼みますけど、全然大丈夫!任せなさい。さあビール飲もっと。 @gajumui 飯の種蒔き、手伝えなくて申し訳なし。 @ubukatamichi 月曜納品、間に合うかなあ。
07-08 00:03



M.A.P.after5でもずいぶんと高江のことは書いてきた。知らぬうちに「高江」のカテゴリ(タグ)記事は10個を越えている。
 →[subcate(tag):高江]

そのうちの主な記事について、リンクを貼るので、ワンクリックして読んでくださればとても嬉しい。
 →高江のこと知っていますか?【米軍海兵隊のジャングル訓練センター】
 →《沖縄通信no.7》【九十九龍氏による東村・高江の記録】
 →詮無いこと【仲井真弘多氏と伊波洋一氏の高江訪問】
 →書かずにはいられない《沖縄の旧正月に始まった高江の作業》
 →今年も高江に行ってきた《少し言い過ぎることを許してください》

自分が出演するものを宣伝するのは相変わらず気が進まぬへそ曲がりだが、高江を知っていただくための宣伝ならいくらでもしよう。収益金は全て高江に送られる、出演者は全員ノーギャラ、と聞いている。間違いないと思う。是非、お越しいただきたい。小生、高山正樹も、末席を汚す。

非戦を選ぶ演劇人の会 ・ピースリーディングvol.15
私(わん)の村から戦争が始まる
~沖縄やんばる・高江の人々が守ろうとするもの~

(※画像をクリックすれば大きくなります。)
「私(わん)の村から戦争が始まる」チラシ表 「私(わん)の村から戦争が始まる」チラシ裏

作:清水弥生・瀬戸山美咲・坂手洋二
演出:鵜山仁(文学座)
演出補:永井愛

日時:7月18日(水)19:00/19日(木)14:00
 (※受付開始は開演60分前、開場は30分前)
会場:全労済ホール/スペース・ゼロ
  ●渋谷区代々木2-12-10 全労済会館TEL:03-3375-8741(代)
 (※JR新宿駅南口より徒歩5分/京王線・都営大江戸線・都営新宿線新宿駅6番出口より徒歩1分)

沖縄本島北部にある在日米軍施設「北部訓練場」に隣接する東村高江。そこの集落を囲むようにオスプレイが発着できるヘリパッド(ヘリコプター離着陸帯)建設が始まった。

▼出演者(五十音順)
安仁屋美峰・新井純・市毛良枝・釆澤靖起・占部房子・枝元萌・大沢健・大鷹明良・大谷亮介・大多和民樹・沖直美・北直樹・KiNoMi・きゃんひとみ・ゴリ(ガレッジセール)*18日のみ・沢田冬樹・重田千穂子・高橋長英・高山正樹津嘉山正種・寺田路恵・中川安奈・西村壮悟・比嘉モエル・HiRO・藤木勇人・蒔田祐子・みやなおこ・宮城康博・山谷典子・ゆかわたかし

▼料金(全席指定:税込)
大人1,500円/中高生1,000円/小学生以下500円
▼チケット取り扱い
・チケットぴあ(Pコード:422-023)TEL:0570-02-9999 http://t.pia.jp/
・スペース・ゼロ チケットデスク:http://www.spacezero.co.jp(一般のみ)
・CoRich Webチケット予約:http://stage.corich.jp/

※当日券は開演の1時間前から劇場受付で販売。
※車いすをご利用の方は7月16日(月)までに青年劇場にご連絡下さい。
※チケットに関する問合せ:非戦を選ぶ演劇人の会(青年劇場内) TEL:03-3352-6922(平日10:00~17:00)

▼日替わりゲスト対談
18日 宮城康博(元名護市議)×糸数慶子(参議院議員)×与那嶺明彦(琉球新報記者)×坂手洋二
19日 宮城康博(元名護市議)×坂手洋二

▼日替ミニライブ
18日 HiRO(唄者)×ひらたよーこ(シンガーソングライター・俳優)
19日 HiRO(唄者)×zabadak(吉良知彦・小峰公子)

▼実行委員(五十音順)
相馬杜宇・朝倉摂・石原燃・猪熊恒和・枝元萌・円城寺あや・加藤ちか・金安凌平・釘本光・くまがいマキ・小林あや・坂手洋二・佐藤滋・篠原久美子・清水弥生・杉浦久幸・関根信一・瀬戸山美咲・高橋長英・高橋俊也・高安智美・田根楽子・常田景子・永井愛・中山マリ・楢原拓・西川信廣・西村壮悟・西山水木・根岸季衣・野中友博・福島明夫・洪明花・松岡和子・松岡洋子・松田美由紀・丸尾聡・万田祐介・三田和代・みやなおこ・山谷典子・渡辺えり

tag: 沖縄_奄美の人.HiRO  沖縄_戦争・基地など.高江  津嘉山正種  藤木勇人  地図の仕事 

(事務所線量)

大震災から255日目……
今日の富士山、遠景とアップ。サムネイル、つまりクリックするとでかくなる。
富士山遠景 富士山アップ

10:53、事務所外の線量……
0.07μSv/h(DoseRAE2,RADEXは参考)
11/21事務所線量


【この日呟いたこと】
gajumui

和装と琉装の着付けを比較して、美意識がずいぶん違うと思った。踊りの場合だけど、琉装はお尻を大きく見せるらしい。日本人て、美意識の違う人間とのコミュニケーション下手だよなあ。ん?日本人だけじゃないか。なんだ、面白いと思ったんだけど、結局つまらない話になった。
11-21 11:45

M.A.P.三線教室開設にあたって、最初にご相談したのが西江喜春氏先生でした。 @ryukyushimpo http://t.co/r4xybE6G 「至芸」観客を魅了 西江喜春氏人間国宝認定公演
11-21 11:50

例えば色んな名人上手が“かぎやで風”をやるけど、みんな全然違う。僕が“かぎやで風”をやると芸能に見識のある沖縄の人たちはみんなして「なんか違う」って言う。色々説明してくれるんだけどみんな違うことを言う。一冊の本が書けそう。#三線
11-21 11:57

20年も三線やってて最高賞まで取って師範免許も持ってて、首都圏で行われる大きな琉球舞踊公演の地謡をこなすヤマトの人の歌三線を、琉球舞踊の新人賞に何年も落ちているような沖縄のおばさんたちが「なんか違うさあねえ」ってみんなでゆんたくしてる。 #三線 #琉球舞踊
11-21 12:14

原発のこと考えてたら、沖縄の三線のこと、呟きたくなったのです。分かりにくい話。早川由紀夫さんに叱られそうだなあ。
11-21 12:18

お笑いの物まねと朗読って似てるところがある。物まねが面白いのは、真似する芸人と真似される人との距離に内包されている要素。朗読も同じ。読んでいるものにベッタリ寄り添っている朗読なんて気持ち悪くて聞けたもんじゃない。
11-21 16:55

津嘉山正種さんは朗読ばやりの昨今、時々朗読会なるものに案内されて仕方なく行くこともあるが、気持ち悪くなって帰るという。久米明さんも、そこまではっきりとではないが近いことを言われた。おふたりとも“おきなわおーでぃおぶっく”で朗読をお願いした名優。
11-21 16:59

(前ふたつのツイートから続く)僕は三線の古典を学びながら、どうやら三線(沖縄)とのなかなか埋まらない距離感を楽しんでいるらしい。その距離が埋まった時、初めて沖縄の人に認められるのかもしれない。それは弁証法道程か、あるいは弁証法に逆行する退行なのか、見極めかねている。 #三線
11-21 17:05

30年近く前、新宿の沖縄居酒屋でのこと。ある沖縄の方が、首里城の復元について、しきりに喜び「ニライカナイの心だ」とおっしゃっていた。青二才の僕はつい「首里城はオボツカグラではないですか」と言った。見る見る沖縄の方の機嫌が悪くなり「お前は何もわかってない」と言われた。(続く)
11-21 17:12

(続き)以来ヤマトンチュである僕は、琉球王朝に対する批判を口にしないと決めた。そういえば20数年前に死んだ義理の父は共産党好きのウチナンチュであったが、戦前の首里城は森に囲まれ、それはそれは桃源郷のように美しかったと言っていたっけ。(続く)
11-21 17:21

(続き)でも僕は、30年前の戒めをボチボチ破ろうかなと思い始めた。八重山と奄美の音楽が妙にいいという実感がそれを後押ししている。やってみたいなあ。それでも来年、安冨祖流の古典で三線の新人賞を受けようとは思ってるんですけどね。(さらに続く) #三線
11-21 17:30

(続き)僕は役者です。根無し草の河原者だと思っている。言ってみればチョンダラーです。だから親近感を覚えるのは「シュインチュ」でも「ナーファンチュ」でもなく「さまよえる沖縄人」なのかもしれないなあ、なんて。(まだ続く)
11-21 17:38

(続き)この文脈で「フクシマ」を考えるとね、移住できるのならその方がいいと思えてくるのです。語弊を怖れず言えば、3.11以前の「フクシマ」は「美しき伝説」になってもいいのではないかと。こんなことを言うと、「オキナワ」でも福島でも、たくさんの友達を失いそうです。(続く)
11-21 17:52

(続き)今日の僕の話は、自分でも本心なのかどうか分からないのです。だからどうか一旦忘れてください。あさって、下北沢のタウンホールで、ある企画に朗読で参加します。台本はかなり直してもらいました。おかげで本番はブッツケです。でも朗読ってむしろその方がいいと思う。河原者の呟き。
11-21 17:58



18:22、事務所内の線量……
0.06μSv/h(DoseRAE2,RADEXは参考)
11/21事務所内の線量

tag: 朗読  津嘉山正種  久米明  喜多見_MAP事務所の線量  #富士山 

青年座の“黄昏”《誇りあるノーマンを演じた津嘉山正種のリアリティー》

新宿の紀伊國屋ホールに青年座の芝居を観に行きました。アーネスト・トンプソンの“黄昏”です。
やはり、津嘉山正種は名優でありました。

他の役者さんだって、悪かったわけではありません。ただ時々、何故そこで正面を切った芝居をしなければならないのか、そんな場面がなかったわけではありません。でもそれが気になったのは、主役の津嘉山正種の演技にそんなスキが全くなかったからなのです。一杯飾りの舞台で、リアリズムの芝居を完璧にこなすことがいかに難しいか、かえって思い知らされたような気がします。

幕が上がって、最初に津嘉山さんが短い階段を降りてくるのですが、僕はその姿に驚きました。もしかして津嘉山さん、ずいぶんと弱られてしまったのではないだろうか。その立ち振る舞いが、今月6日にお会いした久米明さんにそっくりだったのです。

芝居が進めば、そういう役なのだということが分かるのですが、それでもなお、もしかするとと思わされるほどリアリティーがありました。決して腰の曲がった老人を演じていたわけではない、むしろ威厳を持って堂々と、肉布団を入れてお腹を大きく見せていらっしゃるようでした。

ただ息子が欲しかった、それだけの理由で通じ合うことが出来ない父と娘。母はあっけらかんと父の側に立っている。頑固な父、そして娘の深い苦悩を理解しようとしない母。なんとも救いがない。しかし、そんな理解は的外れなのです。つまり、そんなことはどうでもいいのです。子供さえ立ち入ることの出来ないエゴイスティックな老夫婦の愛、誰がそれに否を唱えることができるでしょうか。それを支えているのが津嘉山正種の死を見据えた演技です。そのリアリティーの前では、どんな「解釈」も意味を失います。これが、舞台の上で役者が生きるということなのかもしれない、柄にもなく、そんなことを思わされたのでした。

終演後、「もうすぐ津嘉山が出てきますから」と制作の紫雲さんに言われて、津嘉山さんの追っかけの如く「出待ち」することにしました。

「タバコをおやめになったそうで、それでホントに太られたのかと思いました。」
「こんなもんですよ」と、津嘉山さんは実際に少し大きくなったお腹を、トントンと叩かれました。
「玉三郎さんから届いた花の前で撮りましょう」
高山正樹と津嘉山正種さん
でも、ピンボケで「阪東玉三郎」の文字が読めません。残念ながら。

人類館のCD、少しは売れたのかなあ、聞くの、忘れました。

tag: 津嘉山正種  青年座  「人類館」 

「南島妄想見聞録」【打ち上げその2】《藤木勇人と“人類館”》

前の記事から
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「後日執筆する。少々お待ちを」……と書いたきり、御報告したいことはなかなかブログで簡単に書けるようなことではなく、ずいぶんと間が空いてしまった。

実はこの記事、9月21日に書いている。もうこれ以上引っ張るワケにもいかず、ボチボチここらでツラツラと書いてみようか。

藤木勇人さんは「うちなー噺家」と名乗っている。立川志の輔さんを師と仰ぐ。談志御大にはなかなか受け入れてはもらえないらしいが、志の輔さんからは「オレの弟子だと名乗っていい」とお墨付きを貰ったらしい。
実は、藤木勇人さんがこの世界で生きていこうと思ったきっかけは、沖縄の高校在学中に観た劇団創造の“人類館”だったという。
藤木さんは“人類館”の作者である知念正真さんのことを深く敬愛している。しかしその敬愛の仕方はそう単純ではない。
僕が知念さんについて、「おっかない顔してるけど、話すととってもシャイで優しくて、普通の人ですよねえ」と言うと、藤木さんは次のように答えた。
「一番ダメな人間が一番すばらしいということを教えてくれたのが知念さんです。僕の最も好きな人」と。
この日伺ったふたりの交流のエピソードは、とても興味深いが、残念ながらブログでは書けないことばかりで困る。

藤木さんは“人類館”を一人芝居でやりたいと考えていた。ところが津嘉山正種さんが先に演ってしまったものだから、自分はもうやらんでもいいかなと思われている。驚いたことは、人類館の再演には決してあまりいい顔をしない知念さんだが、藤木さんには「お前、やらないか」とおっしゃったというのである。知念さんの藤木さんに対する信頼、それはなんなのだろう。

知念正真が書いた「人類館」は、結果的に大きな罪を犯してしまったと藤木勇人はいう。戯曲「人類館」が、それ以後の大和と沖縄の対立構造を作ってしまったのだというのだ。それについては異論もあろうが、しかし「知念正真の“人類館”考」としては実におもしろい。知念さんから聞いた「人類館」の創作意図、「自分にとって沖縄の日本復帰とはなんだったのか、それを整理したかっただけなのだ」という知念さんの思いとも符合する。しかし、そんな知念正真の私的な想念であったものが、伝説的な初演の幕が下りたその時から「社会的な事件」となってしまった。以来、戯曲“人類館”は、知念正真の手から離れていった。そして調教師という登場人物は(実は大和の兵隊は沖縄出身者であったのだが)、沖縄を差別する極悪非道の人物として固定化されることになったのである。

しかし“人類館”に登場する調教師が悪いのではない、本来、人間に悪者などいないのだ、そう藤木勇人さんは語った。
「だから、落語が好きなんです。落語には、ダメだけれど悪い人間はひとりも出てこない。登場するのはみんな愛すべき普通の人たちです。そんな芝居がしたいんです。」

僕は、藤木勇人さんが演じる人類館が観たいと思った。そしてその舞台を客席から観て、心から笑う知念正真さんの顔を見てみたいと思ったのである。

もうひとつ、前の記事で語り足りなかったことを書いておこうと思う。

ウチナーグチについて。

藤木さんと話していて、藤木さんはウチナーグチを相当勉強されたことがあるのだと確信した。最近、ウチナーグチを復活させようと沖縄ではだんだんと盛り上がってきているが、しかしそれがそんなに簡単なことではないということを、藤木さんは深く理解されていると思ったのである。

一口にウチナーグチといっても、地域地域によって大きく違う。ウチナーグチを残すというと、たいがい首里言葉の権威がちらつき始める。しかし、首里言葉を「正しく」復活させることは、同時に各地域の言葉を殺すことにもなるという現実。
そう藤木さんが言ったわけではないが、僕はそう理解した。
藤木さんに奄美の血が流れているということもあるのかも知れないと、僕は勝手に思っていた。

M.A.P.の沖縄語を話す会は、この藤木さんのような思いを、決して忘れないということを第一義にしなければならない。あらためてそれを確認しなければいけないと、僕は襟を正したのである。

この日、テレビマンユニオンの田中さんという方が、藤木さんの「落語」を絶賛していた。どういうふうに絶賛したか、残念ながらそれもブログでは書けないこと。
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テレビマンユニオンといえば超有名な制作会社だが、予算が大きく減らされて、テレビ業界は大変らしい。

シーサー玉城さんちゃんと一緒に記念撮影。
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シーサー顔みっつだってさ。

 ⇒この日の続きに続く……

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tag: #シーサー  沖縄_首里  沖縄_しまくとぅば  知念正真  津嘉山正種  人類館事件  シーサー玉城  藤木勇人  沖縄_うちなーぐち. 

内間安男と津嘉山正種

森口豁さんの“人類館”のフィルムがどうしても見たい。高山正樹の我がままを、Bar“土”のごうさんが森口さんに繋いでくれた。そうして実現した、たった一人のための上映会。
見れなかった前回の上映会のこと

その話を青年座に連絡したら、津嘉山正種さんが是非見たいといっているという連絡が来た。幸喜さんにも知念さんにも、青年座の方から連絡してもらうことにした。結局、幸喜さんは仕事、知念さんは体の具合で来られなかったけれど。

津嘉山さんが来ることを伏せて、上映会の告知をしてみたが、結局他には誰も来なかった。

約束の時間、パラダイス通りへ出てみた。案の定、遠くの方で、紙切れを持った津嘉山さんが、きょろきょろしていた。僕は大きく手を振った。津嘉山さんはこちらを見て、ちょっと笑った。

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カウンターで、生ビールを飲んで森口さんを待った。
「オリオンはないんですか」
「ありません。エビスだけです。」
「沖縄では、地元のオリオンを飲むことにしているのだが」
「メンテナンスが悪いんです。生ビールのサーバーは毎日洗わなければならないのはもちろんですが、週に一度くらいはメンテナンスに来てもらわなければならない、それなのに、いくら頼んでも来てくれなかった」
「アサヒ系列になってからそうなったの」
「いえ、その前からです」
「それはいけないですね。コマーシャルの話があるのだが、考えなくちゃいけないな」
「津嘉山さんが上に言ってくれれば変わるかもしれない」

(高山君、こんなこと、書いていいの)
(それで変わってくれればいい。変わってほしいから書くのです。)

2Fギャラリーにて
「沖縄の18歳」と、「一幕一場・沖縄人類館」の2本。

上映が終わって、宇夫方路が明かりをつけても、津嘉山さんは、しばらく振り返ることはなかった。

左から、関りえ子、土のオーナーごう、津嘉山正種、森口豁、高山正樹。
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その車座を、宇夫方路が撮っている。

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あの日、腕組みをして微動だにしなかった男が、調教師を演じた内間安男という男を褒めた。
「内間がいたから、この芝居ができたのだろう」
微動だにしなかったこと
その日の《表》の記事

津嘉山さんは、「人類館」をひとりで演じることの苦労を語った。泣けて泣けて仕方がない。しかしあまり泣いてしまうと、調教師役ができなくなる……、そう言った津嘉山さんの目から涙があふれた。
ごうさんの差し出したタオルで、津嘉山さんは涙をぬぐった。
「なんで俺は泣くのかなあ」

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「津嘉山さんは、何故この芝居をひとりでやろうと思ったのですか」
ある時、津嘉山さんは、東京の役者たちと沖縄の芝居をしたことがあった。津嘉山さんは方言指導も兼ねていた。稽古の最中、他の役者の言葉ばかりが気になった。稽古が終ると
「なんでネーネー(二回目のネーが下がる)というのかなあ、なんでネーネー(限りなく平板)と言わんかなー」
人類館をやりたいと思った時、やれる役者を東京で探すのは無理だと思った。
「ひとりでやるしかなかった」

ある芝居を、沖縄の連中とやったことがある。朝10時の稽古開始なのに、昼過ぎても集まらない。いつも早く来る役者は決まっているので、いつも同じところの稽古ばかり。「なんで時間通りに来れないかー」と聞くと「歯医者があってさー」。
蜷川幸男の芝居で稽古に遅れたら大変。稽古初日から立ち稽古だから、それまでにみんな台詞を入れてくる。
「そんな稽古を沖縄でやったら、三日で役者はみんなやめるね」

津嘉山さんは、この後予定が入っていてケツカッチンだったはずなのに、一時間も長くいて、あわてて帰っていった。

ちなみに、宇夫方路の踊りの先生で、高山正樹のカミサンの親友である関りえ子はミーハーであることが判明した。
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ごうさんの携帯が鳴った。
「ビール代を払うのを忘れました」
「いえいえ宇夫方が払うと言っているから大丈夫です」
おいおい、ごうちゃん、そんなこと言ってないぜい。
「やった、津嘉山さんの電話番号ゲット!」
ごうさんも、ミーハーであった。
(文責:高山正樹)
[subcate.人類館事件]
[subcate.Bar土]
《そういえば…》
人類館の初演で辻の女性を演じた北島角子さんは、とっても若くてかわいいのでした。

tag: 青年座  人類館事件  沖縄の呑食処.Bar土  ごうさん  沖縄(2009年秋)  関りえ子  津嘉山正種  森口豁 

しんゆり芸術祭の“人類館”

山猫合奏団も参加した川崎・しんゆり芸術祭2009ですが、今日はアートセンター“アルテリオ”小劇場へ、津嘉山正種さんの「人類館」を観に行きました。
青年座のホームページの記事
青年座のブログの記事

青年座へ追加納入する“人類館”のCDを持参。
さっそくロビーで販売。
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他の“おきなわおーでぃおぶっく”のCDも売ってくださいました。感謝です。

売れてるかしら、と真顔の宇夫方路。
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売ってくださっている青年座の小笠原さんのお顔と、この日の舞台についてはおきなわおーでぃおぶっくのOfficial_Blogで……

“人類館”のCDを制作するきっかけを下さったふじたあさや先生もいらっしゃっていました。(ちなみにあさやさんのカテゴリも作っちゃいました。)
ふじたあさや先生
あさや先生は「しんゆり芸術祭」の総合プロデューサーです。
3日の山猫合奏団の公演について、「評判いいよ」とおっしゃって下さいました。
事務局の方からも、「ありがとうございました。大変いいものを見せていただきました。またお願いいたします」と、とてもうれしいお言葉を頂きました。こちらこそ、ほんとうにありがとうございました。

tag: 山猫合奏団  津嘉山正種  青年座  「人類館」  ふじたあさや 

またもや宇夫方路の沖縄報告その1 100シリーズ【みぃーむーん食堂】

まず腹ごしらえ。
「みぃーむーん食堂」にて。
みぃーむーん食堂
以前は首里にあったお店が2月14日に西原でオープンしました。
材料にとことんこだわっています。使用するのは自然食品のみ。
ランチです。
ランチ
玄米雑穀米を選べます。おかずはヘルシーに野菜だけですが、スープと食後のドリンクと、そしてミニデザートまでついて、何と、お値段650円也。沖縄タイムスの朝刊で紹介されたばかりで大繁盛。お弁当を買いに来る人もたくさんいました。
(こういうお店が新聞に載ったとたんに、地元の人たちが集まってくるということは、沖縄の食生活も、ずいぶんと変わってきちゃったということなのかなあ。ランチは楽天市場じゃ出せないし……、ん?)

店長の呉屋君です。
(真ん中のナオちゃんがケーキ焼いてます。右の方のお顔になんだか妙なものがはりついているように見えますが、これはキッチンにぶら下がっている色んなもののひとつが重なっちゃったのです。こんど機会があったらきちんとご紹介しますので、今日のところはこれでごめんなさい。)
ぐぅー……
呉屋君たち

ピース!(それとも、じゃんけんぽん?
ピースのアップ


“みぃーむーん”の「みぃー」は「猫」で、「むーん」は「月(moon)」なんだとか。
あれ、これって、もしかして「勾玉」?
(勾玉の記事を読んでみてください。コメントも一緒にね。⇒http://lince.jp/…

でも金城君いわく、ウチナーグチの「新しいもの」という言葉にも引っ掛けているんじゃないかなって。

さあ、おなかいっぱいになったので、いざ出陣!

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tag: 沖縄の人  うちなーぐち    100シリーズ  沖縄の旅_2009年春  沖縄の呑食処.みぃーむーん食堂  津嘉山正種 

「豚」の「わー」は声門破裂音です!【うちなーぐち講座“プロローグ”】

まずは鼻濁音のはなし。
去年の12月、アナウンス講座なるものを見学した際に、僕はこんなことを書きました。まずはお読みください。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com…

3ヶ月前は、ずいぶんと講座の先生に気を使って書いているようですが、あらためて僕は、「鼻濁音が日本語の美点というのはおかしい」と、大きな声で叫びたい気持ちになってきました。
沖縄には鼻濁音はありません。それは、なにも沖縄に限ったことではないのです。日本のかなり多くの地域で、鼻濁音などないのですから。

八木政男さんとお会いした時にも、この話題が上りました。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com…
ウチナーグチに「はなむにー」という言葉があります。まあこれは、風邪なんか引いたときの「鼻声」みたいな状態を指す言葉ですが、沖縄では鼻濁音も同様に笑われる対象、風邪ひきの優男(やさおとこ)がもてるのは、江戸という街だけということなのかもしれません。
役者の場合、経験上、標準語なら鼻濁音であることが正しい場合でも、時に確信犯的に鼻濁音を採用しないことがあります。そういう経験談を、去年もアナウンス講座の先生にお話ししてみたのですが、黙って無視されました。
また鼻濁音には強弱があって、時に鼻にかかる度合いが強くて、鼻濁音としては実にすばらしいのですが、しかしなんとも気持ちが悪いという場合もあるのです。
おきなわおーでぃおぶっくのCDのはなしですが、津嘉山正種氏の「人類館」のこと、ウチナーグチの部分は当然ですが、地の文でも、本来は鼻濁音でなくてはならない箇所の多くを、津嘉山さんは鼻濁音で語ってはいません。この「人類館」という作品にとっては、それが正解であり、「美しい」と思うのです。
そして昨日、あの、久米明さんの「ノロエステ鉄道」の朗読でさえ同じだったのです。伺ったところによると、久米さんは「沖縄を読む」ということで、鼻濁音をどうするか、かなりお考え下さったようです。結果、大城立裕先生がおっしゃった「鼻濁音の気持ち悪さ」は完全に払拭され、逆に「清い」美しさが加味されたと思います。

沖縄という風土の中で、鼻濁音に出会うと、とても違和感を感じます、そんなお話を、今日もしたのでした。鼻濁音は美しいものだ、それが正しい日本語なのだということが、まことしやかに語られるのはいかがなものでしょうかと。

もうひとつ。「わー」のはなし。
「私」も「豚」も、ウチナーグチではどちらも「わー」だというはなしです。
FM世田谷の“せたがやじーん”に出演した時もこの話をしました。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com…
儀間進さんとの雑談をご紹介した時も、「わー」のしゃべり方について触れました。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com…

つまり、「私」も「豚」も「わー」であるという言い方は、実は正しくありません。「私」も「豚」も、ひらがなで表記するならどちらも「わー」と書くしかないということなのです。
言語学的に言うと、豚の方の「わ」は声門破裂音(Glottal_stop)という子音です。声門(声帯)を閉じた状態から、発声と同時に声門を開いて声を出す破裂音なのです。国際音声記号では、クエスチョンマーク(?)から下の点を外したような記号が使われます。PCではこんな記号はありませんから、ここでは便宜上「?」で代用しますが、「私」の「わー」の「わ」は「wa」で「豚」の「わー」の「わ」は「?wa」です。
これをむりやりひらがなを使って表記しようとすると、「ぅわ」というのが一番近いのかもしれません。しかしやっぱり近いだけで「ぅわ」ではないということが問題なのです。ウチナーグチに触れたことのない大和の人たちには、この「わ」の前の「ぅ」は聞き取れません。というより、「ぅ」ではないのです。日本語の感覚で「ぅわ」を読んでしまうと、それはやっぱり「うわ」であって、これは声門破裂音ではありません。

母音と「わ行」と「や行」と、それらの関係については、そのうちきちんと体系的にまとめてご説明したいと思います。
また、ウチナーグチの表記についても、いろいろな考え方があるようで、もう少しきちんと調べて、その勉強結果をご報告したいと思っています。少々お待ちくださいませ。

その他、「口蓋化」や「高舌化」など、なんだかちょっとおもしろくなってきました。ウチナーグチを考えることで、日本語を再発見することにもなりそうです。
(文責:高山正樹)

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