2022年06月02日(木)00時00分
キタコマ沖縄映画祭2022 「サンマデモクラシー」
「サンマデモクラシー」
(ドキュメンタリー 99分/2021年)
監督・プロデューサー:山里孫存
⇒サンマデモクラシーオフィシャルサイト
統治者アメリカを相手に人々が訴えたのは、
民主主義とはなんだ?という単純な問いかけだった。
ナビゲーター うちな~噺家 志ぃさー
ナレーション 川平 慈英
1963年沖縄。祖国復帰を願う沖縄の人々が、日本の味として食べていたサンマ。サンマには輸入関税がかけられていたが、その根拠は琉球列島米国民政府の高等弁務官布令、物品税法を定めた高等弁務官布令十七号(1958年公布)。だが、関税がかかると指定された魚の項目に、サンマの文字はなかった。そこで「関税がかかっているのはおかしい!」と、魚卸業の女将・玉城ウシが、琉球政府を相手に徴収された税金の還付訴訟を起こした。求めた額は、現代の貨幣換算でなんと7000万円。このウシおばぁが起こした“サンマ裁判”、この裁判を展開した人々の視線の先には、帝王と恐れられた高等弁務官ポール・W・キャラウェイがいた。この裁判は、いつしか統治者アメリカを追い詰める、民主主義を巡る闘いとなる。
そして、ついに!
沖縄復帰運動に繋がる大衆運動のビッグウェーブを巻き起こすのだった。
①日時:6月15日(水) 13:30~ 会場:狛江市中央公民館 講座室
②日時:6月16日(木) 19:00~ 会場:M.A.P.
③日時:6月17日(金) 10:00~ 会場:M.A.P.
④日時:6月19日(日) 13:00~ 会場:M.A.P.
【チケット料金】
前売り 1,000円(当日1,200円)
※介助の方と御同伴の場合は、お二人で一人分の料金、またはチケット1枚
(なおM.A.P.会場は車椅子の対応が出来ていません。お問合せください。)
学生及び75歳以上 前売り 500円(当日700円)
※受付で学生証・保険証等を提示してください。
※ご予約を頂けば、前売り扱いにて、チケットを受付にお取り置きいたします。
※耳の聴こえにくい方のために日本語字幕を用意しています。
必要な方は事前にお知らせくだされば対応いたします。
(いらっしゃらない場合は、字幕なしで上映します。)
⇒オフィシャルサイトのチケット購入ページ
電話でのご予約・お問合せ:03-3489-2246(M.A.P.)
⇒Facebookのイベント
⇒総合案内記事へ
「サンマデモクラシー」の監督である山里孫存さんに、キタコマ映画祭は大変お世話になっているのです。いままで山里さんが制作したテレビ番組、その多くを、キタコマ映画祭に上映作品として提供してくださっています。
「むかし むかし この島で」
「戦争を笑え」
「島の美よう室」
「菜の花の沖縄日記」
「菜の花の沖縄日記」は、平良いずみ監督で「ちむぐりさ 菜の花の沖縄日記」という映画になりました。ちなみに、語りはM.A.P.が制作した「おきなわおーでぃおぶっく」の『人類館』でお世話になった津嘉山正種さんです。
さて、 「サンマデモクラシー」に話を戻すと、この映画の重要な進行役は、今ちむどんどんに出演中の藤木勇人(志ぃさー)さんで、もう何度もM.A.P.でウチナー落語をやってくださています。ナレーションの川平慈英は、ウチの映画祭に瀬長亀次郎の映画を見に来たり、しゃもじのお笑いを見に来たりしています。
そんなM.A.P.ゆかりの方々がたくさん関わる映画です。是非見に来てください。
そして最後に、山里孫存さんのご本から。
アメリカは、「沖縄を民主主義のショーウィンドー」にするをキャッチフレーズにしていたけれど、その「復帰」から50年、今の沖縄のショーウィンドーに飾られている「民主主義」というやつも、そうとうにヘンだ!
米軍施政権下の沖縄に君臨した悪名高き高等弁務官キャラウェイの、あの言葉が、まるで予言のように聞こえてくる。
「自治は、神話だ」
2018年10月26日(金)13時12分
北谷のアメリカンビレッジでハロウィンを見つけた

街はまだ眠っている。


それにしても、街並みは有料テーマパークのようだ。



なるほど、日々こうして街を整えているんだ。

まだまだ進化するらしい。


ボチボチと店が開店し始める。



那覇空港のおにぎりやさんの本店はここだったのね。

そして…
⇒7年前の北谷アメリカンビレッジ北谷アメリカンビレッジ、7年ぶりのボクネン美術館。あの頃の人はもうだれもいない。 pic.twitter.com/9EYoNIRCbO
— 高山正樹 (@gajumui) 2018年10月26日
【追伸】
インスタに、北谷アメリカンビレッジで拾ったハロウィンの画像をアップし始めた。日本人の節操のなさは今に始まったことではないので、いまさら批判する気もないし、かといって面白がっているわけでもない。ただ思うことがあって、それは近々FBに投稿する。https://t.co/w4Vn4IGPxw
— 高山正樹 (@gajumui) 2018年10月27日
【まずはそのインスタをここに貼り付けてみる】
めんどくさくなってきて4枚いっぺんに投稿した。
インスタグラムを記事に貼り付けるのは、一枚がいいところだ。
【そしてFacebookに投稿した】
朝9時頃、まだお店が開く前の街を、近くの保育園の子どもたちが、5人くらいずつ乳母車に乗せられて散歩していました。お店が開いていなくても、子供たちにとってはまるでディズニーランドのように楽しい街なんだろうな。保母さんも、けっこう楽しんでいたみたい。


やがて、たくさんの仮装した家族連れが集まって来ました。26日の金曜日のことです。ハロウィンの本番はまだ先なのですが、街はもうすっかりハロウィン仕様、そこでまだ街が静かなうちに、子どもたちに解放したという感じでした。


もちろん日本人家族(ウチナーンチュなのかな)が多いのですが、アメリカ人ファミリー(たぶん軍関係者)もたくさん、こんな光景、東京じゃきっと見られないなと思ったのです。とっても楽しそうだし。
こうして子供のころから米軍家族(たぶん)と交流していたら、在沖米軍に対する嫌悪感は生まれないんじゃないかなと感じた。
でも、やっぱりボクにはこいつは買えない。

決して何か結論めいたことを言いたいわけではないのです。ただモヤモヤしている。
読谷にある金城実さんのアトリエには、時に海兵隊員が遊びに来る。実さんは言います。
「こいつらに責任はない」
あの写真家石川真生さんだって、過去にはたくさんの米兵と付き合いがあったはず。
つまり、それとこれとは別なのだ。そうなのですが、なんだかやっぱりモヤモヤして考えています。
今の沖縄の、若者たちの冷静さ。白か黒か、反対か賛成か、そんな簡単な二者択一ではないのですと。
そりゃそうだよな、生まれた時から日本で、そしてそこには当然のように米軍基地があったワケ。
「それとは関係がないです」なんて言われそうだ、その通り、君たちは正しいと思う。
多くのうとぅすい(お年寄り)は、あの戦争の経験を、あまりに惨かったが故に自分の子どもたちには、むしろ自分の子供たちにこそ語ることが出来ぬまま、後生(ぐそう)に旅立っていく…
復帰後しばらくの間、大和からの旅行者は、まず南部の戦跡を訪れた。それが沖縄の「定番の入口」でした。果たしてそれがいいことだったのかどうか、沖縄を「悲劇の島」というふうに認識してしまうことが、お互いにとって幸福なことだったのかどうか、今さら考えても詮無いことではあるのですが。
今はどうなんだろう。考えてみれば、僕も南部のそうした場所に殆ど行かなくなって久しい。たまに映画祭のネタのために行くだけ。
明日は初心に帰って少し南部を廻ってみよう、ボクはそう思ったのでした。
【オマケ】
…と、知った名前のラーメン屋が。
— 高山正樹 (@gajumui) 2018年10月26日
"まるよし"
もしや、と思い、暖簾をくぐるとそこには津嘉山正種さんの息子さん。
「普天間のお店は?」
「去年こっちに移転したんです」
「ブログで紹介していい?」
「もちろん」
というワケで、まずはTwitterにて。 pic.twitter.com/sR2MaXpuaQ
しかし、今日はあいにくまだ腹が空いていない。今度腹を空かせて来よう。
あら、立て看板の矢印が逆じゃないの?裏も逆なので、裏表間違えて立てちゃったのね。

そういえば拓ちゃんのラーメン屋は11月1日に開店だ。拓ちゃんていったい誰かって?狛江のミートステーションで働いていたあの拓ちゃんだってば。え?なんの関係もないだろって? それがそうでもないんだなあ。
先日、津嘉山さんから芝居のご案内が来ました。

「象の死」という、戦時中の動物園の話。拓ちゃんの奥さんの季里ちゃんはどうやら今回出ないのね。
それについては、あらためて。
2018年03月30日(金)23時00分
“金城実・松島泰勝著『琉球独立は可能か』出版記念会”にチラシを…
地下鉄の出口を出ると、北谷食堂の看板。と、その隣のドトールに、青年座の岩倉高子さんが。手を振ってご挨拶。「あら!」というお顔なのでちょっと中へ。
「やっぱりここへ来たの」
ドトールと同じビル、隣が北谷食堂である。
「はい」
「津嘉山も来るんだけれど連絡がつかないの」
「ああ、金城さん、津嘉山さんにお会いしたいとおっしゃっていたので喜びます」
「金城さんから津嘉山に手紙で案内があったのよ。中に津嘉山がいたら、ここでお茶してるって伝えてくださる?」
次々にやってくるお客さんに、受付のところで持参したチラシを配らせてもらう。
場所がわからなかったらしい津嘉山正種さんが来る。
「岩倉さん、先にいらしてますよ」
金欠の高橋美香が来る。
「チラシ配るの手伝って…」
もちろん森口豁さんが来る。
「津嘉山さん、来てますよ」
津嘉山さんと一緒に、那覇の土で豁さんの映画を見たのは、もう10年近く前のことだ。
他にも、知った方々が次々と。
定員60名のはずが70名。超満員である。
実さんのところには、ひっきりなしにお客さんが挨拶に来る。

いよいよ実さんが語り出せば…

津嘉山正種さんと岩倉高子さんが金城さんの話に耳を傾け…
高橋美香は金城実をカメラで狙う…
それにしても森口さんは金城さんがいるといつもニコニコなのだ…
金城さんは話し続ける…
さあ、僕は帰ろう。
松島さんと金城さんが、沖縄の独立についてどんな会話をするのか、そいつは聞いてみたいのだが、本は既に実さんがM.A.P.に来た時に購入済み。

まずはこいつを読む、それでいいことにした。
帰ってやることがいっぱいなのだ。
かなり疲れてもいるし。
津嘉山さんと岩倉さんに会釈して…
森口さんの肩をたたいて「帰ります」と…
すると、振り返った森口さん、「え、もう帰るの」と、でもその顔はやっぱりニコニコしている…
後ろ髪引かれたが、やっぱり僕は帰るのだ。また、きっとどこかで会う人たちばかりだろうから。
この後、中西和久さんも駆けつけたらしい。
久しぶりにちょいと話がしたかった。
分かっていれば。やっぱり残ればよかったかなあ…
2017年12月11日(月)21時49分
キタコマ映画祭⑰ 「森口豁が見た沖縄の若者」
森口豁トークショー
「森口豁が見た沖縄の若者」
※2作品を参考上映します。

⇒「森口豁」のカテゴリ
プロフィールはこちらの記事へ
⇒http://mapafter5.blog.fc2.com/blog…
①NNNドキュメント'85「若きオキナワたちの軌跡」
(日テレ1985.4.14)60分
ナレーション:津嘉山正種
ここ狛江から、沖縄を背負う若者たちが巣立っていった!

1947年5月、狛江に在京沖縄学生寮が創設された。「南燈寮」。その名前は、我ら南の島のともしびたらんと、学生たち自身が付けた。この寮を巣立っていた沖縄の若者は時代をどう生きたのか…。古堅宗憲は復帰運動の組織を立ち上げ、野底武彦は琉球の独立を叫んだ。あえて信託統治を望む若者もいた。彼らは今何を見つめているのだろうか。
②NNNドキュメント'78「激突死」
(日テレ1978.5.21)30分
命をなげうって抗議とは…

沖縄の本土復帰の翌年、愛車のナナハンバイクで国会正門に激突して即死した沖縄出身の上原安隆26歳。なぜ彼は死んだのか。彼の死は何を意味するのか。上原の軌跡を追い、そのワケを訪ね歩く。
【2018年1月10日追加情報!】
特別ゲストで金城実さんがやって来る!
日時:2月3日(土)18:00~
会場:M.A.P.
【チケット料金】
前売り 1,000円(当日1,200円)
学生及び75歳以上 前売り 500円(当日700円)
※受付で学生証・保険証等を提示してください。
※ご予約を頂けば、前売り扱いにて、チケットを受付にお取り置きいたします。
11枚綴り 10,000円(1000円券×11枚)
⇒オフィシャルサイトのチケット購入ページ
電話でのご予約・お問合せ:03-3489-2246(M.A.P.)
⇒Facebookのイベントへ
⇒総合案内記事へ
2015年12月17日(木)23時59分
iPhoneを事務所に忘れてきた
青年座の「招かれざる客」へ。沖縄の芝居ではないので、考えた末、映画祭のチラシの折込みはやめたのだが、津嘉山さんの思い一杯のラストを観て、明日からでも折り込んで貰おうかと思う。佐々木愛さんがいらしていて、「チョンダラーの歌」の打ち上げ以来、懐かしき再会。文化座にもチラシ送らねば。
— 高山正樹 (@gajumui) 2015年12月17日
さこ大介さん発見。狛江ミートステーションの輪、柳下季里さんがお目当て? 岩倉高子さんにお誘いを受け、大介さんを引っ張って初日乾杯に参加。お陰で田中耕二さんにも菊地一浩さんにも会えた。紫雲さんが映画祭のアナウンス、感謝だが効果は不明。やはりチラシは折り込むべきか… @gajumui
— 高山正樹 (@gajumui) 2015年12月17日
iPhoneを事務所に忘れてきたボク。さこ大介さんの携帯で、大介さんと季里さんとボクのミートステーション仲間スリーショットを撮ったのだが、保存されていなかったみたい。ブログ素材紛失。残念。さて折込みどうしよう。小笠原さんに相談してみよう。ブログネタ画像も頼もう。 @gajumui
— 高山正樹 (@gajumui) 2015年12月17日
2014年04月29日(火)05時30分
「カメジロー・沖縄の青春」
なんたって沖縄の大スターですから!
「政治的なことはちょっと…」という東京在住の沖縄の名士の方々も
カメジローなら観にいらっしゃるのです。
⇒第一回の上映会の記事
(※去年は主演の津嘉山正種さんをゲストにお迎えしました。)
ドキュメンタリードラマ(84分/1998年)
監督:橘祐典、謝名元慶福、島田耕
音楽監督:喜納昌吉
出演: 津嘉山正種、照屋京子、仲村清子
優秀映画鑑賞会推薦
日本映画復興会議奨励賞
戦後アメリカ施政権下の沖縄。米軍の土地強奪と人権蹂躙に断固反対した瀬長亀次郎。
米軍の不当な裁判で刑務所へ送られながら、出獄後、那覇市長に当選、民主主義と祖国復帰の旗を高くかかげ、民衆とともに沖縄の歴史を切り開いた沖縄の英雄である。
土地も水も沖縄のものだ
それを勝手に取り上げる米軍は泥棒だ
基地の近くでバラを作る善一。娘の和美は、お気に入りのコンサートの追っかけに夢中でさっぱり家の仕事を手伝わない。小言のついでに、お父さんも昔、追っかけをやったと言って和美をおどろかせる。
善一が高校生の頃、追っかけて歩いたのは、瀬長亀次郎の演説会であった。
「カメジローってどんな人」と和美にきかれるままに、父は娘に、カメジローと出会った青春の日々を語るのであった。
(※カメジローと善一の二役を津嘉山正種が演じている。)

【上映日時】:5月30日(金)16:00~
上映後はMilk Kyatミニライブ!
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
tag: 津嘉山正種
2013年06月29日(土)22時00分
「カメジロー・沖縄の青春」主演の津嘉山正種さんをゲストに迎えて
KitamiFilmfes
本日19時の上映「カメジロー・沖縄の青春」には、主演の津嘉山正種さんがゲストでいらっしゃいます。上映後には高山正樹が聞き役で、津嘉山さんに、うまれ島「沖縄」に対する思いを語っていただこうと思います。高山正樹、朝から大緊張中!空席あり。
06-29 12:17 ⇒“カメジロー・沖縄の青春”の告知記事本日19時の「カメジロー」の予約が30に達しましたのでコリッジからの予約打ち止めとなりました。でも丸椅子等をご用意して10席ほど増設しました。先に御予約いただいている30名様がご入場した後のご案内となりますが、ご入場いただけます。お申し込みはお電話で。03-3489-2246
06-29 15:28gajumui
間もなく、津嘉山さんが到着する。あ、表の灰皿、汚れてないかな。
06-29 18:35会場が暗くなって映像が始まると、僕は奥の部屋に閉じこもるのだ。そして膝を抱える。映画だというのに、僕が作ったわけでもないのに、もうすでに評価の定まった映画だというのに、何故か僕は妙におどおどして、耳を塞ぎ、瞑目するのである。映画は映画。映画祭は別物。
06-29 19:30
上映が終わり…
トークショーが始まる…


2013年06月21日(金)00時00分
山猫合奏団ライブ「山之口貘を奏でる」
作曲・電子ピアノ:白石准
言葉(語りか歌か):高山正樹/楠定憲
※楠定憲の参加は6月16日に決定しました。
サプライズもいくつか用意している…
上演日時:6月23日14:00~
(※貘さんの娘さん山口泉さんを迎え、お話を交えながら進めます。)
※6月23日は他に10時から「カメジロー」、17時から腹話術(無料高座)、19時から短編芝居二本立がございます。是非併せてご覧ください。お得な3枚綴りチケットもあります。)
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
『思弁』や『雲の上』では戦争や衝突を繰り返す大国の理不尽さを、『鮪に鰯』ではビキニ核実験を描き、『貘』では獏に核兵器廃絶の願いを託した。
『不沈母艦沖縄』では沖縄戦で無残に破壊された遠い故郷を想い、『沖縄よどこへ行く』では中国の脅威に脅えた沖縄県の歴史を辿り、アメリカ統治下に置かれた故郷の祖国・日本への復帰を切実に願った。『弾を浴びた島』では久し振りの帰郷で、琉球語が消失した戦後の姿に直面した困惑を描いた。
喜多見と狛江の小さな映画祭を企画運営するM.A.P.は、“おきなわおーでぃおぶっく”というシリーズで、CDを制作している。沖縄関連の小説・戯曲・エッセイなどの音声化、いわば聞く書物である。
これまでのラインナップがこれ。
最近、たくさんのウチナーンチュの方々に御協力を頂き、ウチナーグチに挑戦してCDを作った。
そんな“おきなわおーでぃおぶっく”が、ずっとやりたかった素材、それが日本を代表する詩人の一人、沖縄出身の山之口貘であった。
娘の泉さんには、もう数年前に詩を使う許可を頂いていたのだが、いざ手を付ける段になって、誰に読んでもらうのがいいのか、どのような料理の仕方ができるのか、なかなか定まらず、いよいよ今年の7月、貘さんの没後50年がやってくる。そして著作権が切れる。そうなれば、きっと多くの表現者が貘さんの詩を使いはじめるに違いない。できればその前になんとか形にしたい。それが許諾してくださった泉さんに対しての感謝と、そして何よりも詩人山之口貘に対して敬意を表すことになると思っていたのだ。しかし、なかなか具体的なアイデアが浮かばず、もうこれまでかと諦めかけていた。
ところが、答えは意外と身近にあったのである。
小生M.A.P.代表の高山正樹が参加しプロデュースもしている山猫合奏団は、言葉と音楽の化学反応を標榜する実にユニークなユニットである(と信じている)。たまたま宮沢賢治を素材にした作品が多いが、特に宮沢賢治に対する拘りはない。おもしろい言葉があればすぐに飛びつく習性がある。
先日、草野新平記念館で演奏した際、記念館の希望で、草野新平と坂本遼という詩人の言葉に曲をつけた。これがなかなか楽しかった。それ以来、山猫合奏団の作曲家白石准は、詩の言葉に曲を付けたがっている。この機を逃すと、いつ白石准の興味が失せるとも限らない。
「どう、やらないか」「やる」
ふたつ返事で決まった。
「でも、あんな尖がった映画祭なのに、大丈夫かな」
「大丈夫、山之口貘の詩は十分に尖がっている」
冒頭のWikipediaの引用を読んでもらえばわかろうというもの、でも、白石准のことだから、もっと柔らかい詩を選ぶかもしれない。彼の耳は、言葉の意味ではなく、ことばの音を聞いている。それでかまわない。山之口貘であればそれでいい。
「でも、ミミさん(娘の泉さん)のことを詠った詩は必ずひとつ」
「わかった」
さて、いったいどんな音に仕上がってくるのか、小生は読まされるのか歌わされるのか、はたまたラップでもやらされるのか、期待して待っているのである。
【おまけ】
2013年06月21日(金)00時00分
「カメジロー・沖縄の青春」
監督:橘祐典、謝名元慶福、島田耕
音楽監督:喜納昌吉
出演: 津嘉山正種、照屋京子、仲村清子
優秀映画鑑賞会推薦
日本映画復興会議奨励賞
戦後アメリカ施政権下の沖縄。米軍の土地強奪と人権蹂躙に断固反対した瀬長亀次郎。
米軍の不当な裁判で刑務所へ送られながら、出獄後、那覇市長に当選、民主主義と祖国復帰の旗を高くかかげ、民衆とともに沖縄の歴史を切り開いた沖縄の英雄である。
土地も水も沖縄のものだ
それを勝手に取り上げる米軍は泥棒だ
基地の近くでバラを作る善一。娘の和美は、お気に入りのコンサートの追っかけに夢中でさっぱり家の仕事を手伝わない。小言のついでに、お父さんも昔、追っかけをやったと言って和美をおどろかせる。
善一が高校生の頃、追っかけて歩いたのは、瀬長亀次郎の演説会であった。
「カメジローってどんな人」と和美にきかれるままに、父は娘に、カメジローと出会った青春の日々を語るのであった。
(※カメジローと善一の二役を津嘉山正種が演じている。)

【上映日時】
1)6月23日10:00~
※6月23日は他に14時から山猫合奏団のライブ、16時から腹話術(無料高座)、19時から短編芝居二本立てがございます。是非併せてご覧ください。お得な3枚綴りチケットもあります。)
2)6月29日19:00~
※6月29日は他に10時から「壊された五つのカメラ」、14時から「ぬちどぅ魂の声」、17時から「沖縄の声~山シロ博治」(無料上映)がございます。是非併せてご覧ください。
(※29日の上映後には津嘉山正種さんのトークショーがあります。)
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
tag: 津嘉山正種
2013年06月21日(金)00時00分
「あしたが消える」~どうして原発?~
構成演出:千葉茂樹、中嶋裕、田淵英夫、金高堅謙二
製作:平形則安、溝上潔、里中哲夫
ソ連・チェルノブイリ原子力発電所の事故から3年後、1989年5月26日公開された幻のドキュメンタリー。
どうして日本は
この時に“原発問題”を解決しておかなかったのだろう。
福島第一原発の定期検査などに携わっていた52歳の父を骨ガンで亡くした女性の新聞投書をきっかけに、原発で働く労働者、被ばくの危険性を明らかにしようとする医師、福島第一原発4号機の設計に携わった田中光彦氏らの証言を集めたドキュメンタリー映画。


【上映日時】
1)6月22日19:00~
※6月22日は他に10時から「イエロー・ケーキ」、14時から短編芝居二本立てがございます。是非併せてご覧ください。
2)6月26日10:00~
※6月26日は他に14時から「イエロー・ケーキ」、17時からリック・タナカ「エネルギーの話」(無料企画)、19時から「ポスター・ガール」がございます。是非併せてご覧ください。
※26日の回は映画監督であしたが消えるを構成演出された千葉茂樹さんがゲスト。また、パーマカルチャーの伝道師リック・タナカ氏がオーストラリアから、17時の無料企画に先駆けてスカイプ実況中継で参戦。さあ、いったいどんなことになりますやら!
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
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