2009年05月24日(日)23時05分
うぶ沖縄報告5月の2の4
今日は一日稽古でした。
音あわせ。
八木政男さんが指導に来てくださいました。みんな真剣。写真なんか写せる雰囲気じゃあないんですよね。でも携帯で遠目からそっと一枚。

今日はこれだけ。
音あわせ。
八木政男さんが指導に来てくださいました。みんな真剣。写真なんか写せる雰囲気じゃあないんですよね。でも携帯で遠目からそっと一枚。
今日はこれだけ。
(うぶかた)
tag: 沖縄の旅_2009年5月 八木政男
2009年05月24日(日)20時22分
芭蕉翁は朗読の韻律に何を想うか
俳句は「詠む」といいます。重要なのは韻律、言葉の調べです。それは時間の流れの中の強弱であり、抑揚であり、リズムです。言語学的には、文字で記録されない性質のことを「韻律」というのです。
俳句は元々庶民の遊びでした。やがて17世紀になって、松尾芭蕉が、その俳句の芸術性を高めたのだといわれています。
今日の芭蕉翁は、しっとりと雨に濡れていました。

⇒先日の松尾芭蕉翁の記事を読む。
お隣のそら庵で、野口田鶴子さんの朗読を聞きました。
須賀敦子の「アスフォデロの野をわたって」(『ヴェネツィアの宿』より)。
←クリックすると大きくなります。
野口さんの朗読は独特で素敵でした。それはきっと、オペラで鍛えられたしっかりとした声と息遣い、それに加えて、イタリア語の発音の素養も、きっと影響しているのではないかと思われて、それは余人には真似ができないものだと感じられました。
独特であるということは、表現者にとって貴重な財産ですが、その獲得は並大抵のことではありません。素人の、ちょっと変わった読み方とは、全く異質のものです。
英語圏では、歌や楽器の演奏と同列に、朗読という芸能があったと聞いています。例えば詩などは、いかに感情をこめて韻律を浮かび上がらせるかが、朗読の重要な要素でした。野口さんは、イタリア北部で語られる古詩の抑揚に魅せられた経験があって朗読を始められたとのこと、イタリアにも、朗読の伝統があるということなのでしょうか。
はたして、日本語はどうなのでしょう。
漢字という表意文字をふんだんに使うことによって、より豊かな内容を表現することを選んだ日本の近代小説は、表音文字の欧米とは全く事情が違います。
(※厳密には漢字は表意文字ではありません。厳密な表意文字は、音とは全く無関係な記号ですから読むことは出来ません。漢字のように、音で読むことの出来るものは表語文字というのが正確な表現です。)
つまり、日本語には音だけで意味を伝えることが極めて困難な文章がたくさんあるのです。難しい言葉を使っているからだということではありません。そのことはどんな言語でも同じことです。しかし日本語には、同音異義語がたくさんある、そこに困難のひとつの原因があるのです。
もうひとつ、欧米の言葉が強弱なら、日本語は高低、強弱はいくらでも変化がつけられますが、高低には限界がある……、これ以上のややこしい話は、また別のどこかでということにしましょう。
ともかく、もし日本で朗読というものに関わろうとするなら、音だけで意味を伝えるという課題にどう立ち向かうのか、演者は常に問われているのです。
しかし、そんなことは考えずに、韻律の美しさだけを追い求めればいいのだ、もしかすると、そういう朗読のあり方も、それはそれでありなのかもしれない、そんなことを考えさせられた今日の野口さんの朗読でした。しかしやはり一方で、それには意味を伝えることを諦めるという断固たる覚悟も、また必要なのかもしれないと感じて、正直に言うと、今日の天気のように、うす曇りで憂鬱な気分が、僕の脳みその半分を支配しているのです。
いずれにしても、この大きな課題に対する無頓着さが、日本における朗読の限界、いまひとつ超えられない「何ものか」の原因ではないかと思うのです。
芭蕉のような天才の出現を待つより他はない、なんて、ちょいと大げさに過ぎるでしょうか。
宮澤賢治の「虔十公園林」をお読みになった武順子さんに、車で送っていただきました。

ついつい話し込んで、結局、自宅の近くまで。ありがとうございました。
いずれ御一緒できることを、楽しみにしております。
それまでに、日本の文学を声に出して読むという営みが、いったいどういうことなのかを、もう少し見極めてみたいと思っています。
⇒朗読の形而上学連載中
俳句は元々庶民の遊びでした。やがて17世紀になって、松尾芭蕉が、その俳句の芸術性を高めたのだといわれています。
今日の芭蕉翁は、しっとりと雨に濡れていました。
⇒先日の松尾芭蕉翁の記事を読む。
お隣のそら庵で、野口田鶴子さんの朗読を聞きました。
須賀敦子の「アスフォデロの野をわたって」(『ヴェネツィアの宿』より)。

野口さんの朗読は独特で素敵でした。それはきっと、オペラで鍛えられたしっかりとした声と息遣い、それに加えて、イタリア語の発音の素養も、きっと影響しているのではないかと思われて、それは余人には真似ができないものだと感じられました。
独特であるということは、表現者にとって貴重な財産ですが、その獲得は並大抵のことではありません。素人の、ちょっと変わった読み方とは、全く異質のものです。
英語圏では、歌や楽器の演奏と同列に、朗読という芸能があったと聞いています。例えば詩などは、いかに感情をこめて韻律を浮かび上がらせるかが、朗読の重要な要素でした。野口さんは、イタリア北部で語られる古詩の抑揚に魅せられた経験があって朗読を始められたとのこと、イタリアにも、朗読の伝統があるということなのでしょうか。
はたして、日本語はどうなのでしょう。
漢字という表意文字をふんだんに使うことによって、より豊かな内容を表現することを選んだ日本の近代小説は、表音文字の欧米とは全く事情が違います。
(※厳密には漢字は表意文字ではありません。厳密な表意文字は、音とは全く無関係な記号ですから読むことは出来ません。漢字のように、音で読むことの出来るものは表語文字というのが正確な表現です。)
つまり、日本語には音だけで意味を伝えることが極めて困難な文章がたくさんあるのです。難しい言葉を使っているからだということではありません。そのことはどんな言語でも同じことです。しかし日本語には、同音異義語がたくさんある、そこに困難のひとつの原因があるのです。
もうひとつ、欧米の言葉が強弱なら、日本語は高低、強弱はいくらでも変化がつけられますが、高低には限界がある……、これ以上のややこしい話は、また別のどこかでということにしましょう。
ともかく、もし日本で朗読というものに関わろうとするなら、音だけで意味を伝えるという課題にどう立ち向かうのか、演者は常に問われているのです。
しかし、そんなことは考えずに、韻律の美しさだけを追い求めればいいのだ、もしかすると、そういう朗読のあり方も、それはそれでありなのかもしれない、そんなことを考えさせられた今日の野口さんの朗読でした。しかしやはり一方で、それには意味を伝えることを諦めるという断固たる覚悟も、また必要なのかもしれないと感じて、正直に言うと、今日の天気のように、うす曇りで憂鬱な気分が、僕の脳みその半分を支配しているのです。
いずれにしても、この大きな課題に対する無頓着さが、日本における朗読の限界、いまひとつ超えられない「何ものか」の原因ではないかと思うのです。
芭蕉のような天才の出現を待つより他はない、なんて、ちょいと大げさに過ぎるでしょうか。
宮澤賢治の「虔十公園林」をお読みになった武順子さんに、車で送っていただきました。
ついつい話し込んで、結局、自宅の近くまで。ありがとうございました。
いずれ御一緒できることを、楽しみにしております。
それまでに、日本の文学を声に出して読むという営みが、いったいどういうことなのかを、もう少し見極めてみたいと思っています。
⇒朗読の形而上学連載中
2009年05月24日(日)01時44分
うぶ沖縄報告5月の2の3 “Bar土”100店(飯-002)
ちょっと“じんじん”に
お披露目公演のご案内のために顔を出して…

それから稽古へ。
終ったのは12時近く。
それから疲れた体を癒すために、ホテルに帰る前に生ビールを一杯飲もうかなと、“土”に寄った時には、もう24日の0時半を過ぎていました。
偶然、この日はチーズデー。大阪のしんちゃんこと中村慎一さんが、ふた月に一度くらい、大阪からチーズを担いでやって来るそうです。
毎回種類は違うのですが、今日は13種類のチーズが用意されていました。
そういうことならば、予定のビールを変更して、やっぱりチーズとワインを注文するしかないでしょう。

ブルーチーズは苦手なのですが、進められる通りの順番で口に入れると、以外においしく食べられました。
お皿の9時の位置に乗っているのがフランスのクロタンというチーズで、ヤギの乳で作ったチーズです。(沖縄のヤギじゃあないのね。)これのほうがブルーチーズよりずっと臭かった……

左の方がしんちゃんです。大阪のちんどんやのサックス吹き。
真ん中がごうさんからお店を任されている兵庫県出身の大西君。
カウンターの中にもう一人、アルバイトの貴恵さんです。

金曜日から月曜日まではランチをやっています。こちらはごうさんが担当。

というわけで、“Bar土”は、100店シリーズの「昼ごはん夜ごはん」で紹介されているのです。
時間があれば食べに来たいけど、今回も残念ながら無理かな。
(“土”に、生粋のウチナンチュがあんまり来ないというのはどういうことなのかなあと、高山正樹は思っているようですが、貴恵さんはどうなんだろう、今度行ったら聞いてみようかな……)
⇒前回の“じんじん”
⇒前回の“土”
⇒前回の、ごうさん
(※6月10日投稿)
お披露目公演のご案内のために顔を出して…
それから稽古へ。
終ったのは12時近く。
それから疲れた体を癒すために、ホテルに帰る前に生ビールを一杯飲もうかなと、“土”に寄った時には、もう24日の0時半を過ぎていました。
偶然、この日はチーズデー。大阪のしんちゃんこと中村慎一さんが、ふた月に一度くらい、大阪からチーズを担いでやって来るそうです。
毎回種類は違うのですが、今日は13種類のチーズが用意されていました。
そういうことならば、予定のビールを変更して、やっぱりチーズとワインを注文するしかないでしょう。
ブルーチーズは苦手なのですが、進められる通りの順番で口に入れると、以外においしく食べられました。
お皿の9時の位置に乗っているのがフランスのクロタンというチーズで、ヤギの乳で作ったチーズです。(沖縄のヤギじゃあないのね。)これのほうがブルーチーズよりずっと臭かった……

左の方がしんちゃんです。大阪のちんどんやのサックス吹き。
真ん中がごうさんからお店を任されている兵庫県出身の大西君。
カウンターの中にもう一人、アルバイトの貴恵さんです。
金曜日から月曜日まではランチをやっています。こちらはごうさんが担当。
というわけで、“Bar土”は、100店シリーズの「昼ごはん夜ごはん」で紹介されているのです。
時間があれば食べに来たいけど、今回も残念ながら無理かな。
(“土”に、生粋のウチナンチュがあんまり来ないというのはどういうことなのかなあと、高山正樹は思っているようですが、貴恵さんはどうなんだろう、今度行ったら聞いてみようかな……)
⇒前回の“じんじん”
⇒前回の“土”
⇒前回の、ごうさん
(※6月10日投稿)
ご案内
この新ブログへ引越し作業中です!
(ブログの説明はトップページに)
ページジャンプ
全1ページ中
1ページ目
1ページ目
カレンダー(月別)
月別アーカイブ
plugin by カスタムテンプレート
最新記事(+webslice)
新着コメント+Trackback
NEWコメント<>+-
- 2019-03-16 MAP : 宮沢賢治の“トロメライ”って何?(「音を楽しむ雑記帖」→「宮澤賢治考」)-コメントを転載2
- 2019-03-16 MAP : 宮沢賢治の“トロメライ”って何?(「音を楽しむ雑記帖」→「宮澤賢治考」)-コメントを転載
- 2019-03-16 MAP : 47個のコメントの意味(2006年2月のこと)-コメントも転載しました4
- 2019-03-16 MAP : 47個のコメントの意味(2006年2月のこと)-コメントも転載しました3
- 2019-03-16 MAP : 47個のコメントの意味(2006年2月のこと)-コメントも転載しました2
- 2019-03-16 MAP : 47個のコメントの意味(2006年2月のこと)-コメントも転載しました。
- 2019-03-15 MAP : 神楽坂とCHICAGO-「宮沢賢治考」のコメント2
- 2019-03-15 MAP : 神楽坂とCHICAGO-「宮沢賢治考」のコメント1
- 2019-03-15 MAP : キャッチコピー後日談-サイト振興委員会
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-山猫ブログに頂いたコメント4
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-白石准の返信
- 2019-03-15 高山正樹 : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-高山正樹の返信
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-山猫ブログに頂いたコメント3
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-山猫ブログに頂いたコメント2
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-白石准の返信
- 2019-03-15 MAP : 川越美術館で“どんぐりと山猫”上演-山猫ブログに頂いたコメント1
- 2019-03-15 MAP : 【田中寺公演】本番と打上げ-山猫ブログへのコメント転載3
- 2019-03-15 MAP : 【田中寺公演】本番と打上げ-山猫ブログへのコメント転載2
- 2019-03-15 MAP : 【田中寺公演】本番と打上げ-山猫ブログへのコメント転載1
- 2019-03-15 MAP : みそかです-山猫ブログのコメントを転載
Trackback
<>
+
-
- 2017-08-06 ひだまりのお話 : 久米明さんにお会いしました。《懐かしい過去たちに囲まれて》-街話§J街通信[95]酒舎かんとりぃ
- 2012-12-31 初老間近のしがない俳優の呟き : (まもなく)-実験は続く…
- 2012-12-10 M.A.P.after5 : 玄羽さんの送別会-沖縄芸人ライブ“ぱんみかす”(そっと内緒に追記して再投稿)
- 2012-11-20 M.A.P.after5 : 体育会系居酒屋-出ないなら出る練習をする
- 2012-11-20 M.A.P.after5 : お久しぶりです浅野さん!-出ないなら出る練習をする