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西原町のさがり花

家元の稽古場は西原町にあります。
さがり花は西原町の花。

23:00
稽古場からの帰り、正江先生に、近くの「さがりばな」を見に連れて行って頂きました。
ライトアップするお祭りは先週終わったそうですが、花はまだ咲いています。
県庁の脇の花は白い感じでしたが、ここの花はピンクでとてもきれいでした。

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tag: 沖縄の旅_2009年7月 

新作組踊“さかさま「執心鐘入」”の台本【冊封と組踊について】

15:00
大城立裕先生宅へ。
又吉健次郎さんの伝言は、しっかりお伝えしました。今年の11月21日、国立劇場おきなわで組踊りの公演がある、是非観てほしいなあ、と大城先生。そして貸してくださった台本です。
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大城立裕・作、新作組踊り「さかさま『執心鐘入』」。

組踊りについて簡単にご説明しましょう。
組踊りとは、韻文の台詞と音楽と踊りで構成された沖縄の伝統芸能で、大和の歌舞伎と能を足して2で割ったようなものともいわれます。中国からの冊封使(さっぽうし)を歓待するため、踊奉行の玉城朝薫(たまぐすくちょうくん)が創作し、1719年に冊封使の前で初めて演じられた「執心鐘入」などがその始まりです。冊封使とは、中国の明・清の時代に、朝貢国の王を冊封するために派遣された使者のことです。
(※《資料》参照)

では冊封とは何か(ああ、いちいち説明しなければならない、これほど日本人は、沖縄の歴史や文化を知らないということですね)、高山夫人が中学生の時、学校で配られた仲原善忠著『琉球の歴史』の上巻から、ちょっと長いですが抜粋して引用します。

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「国王が死ぬとあとつぎが立って王になる。数年のあと、使いをやってたのむと中国から正副の冊封使(名高い文人が多い)がやって来る。那覇にとまっていて、式日には首里城でさかんな儀式があり、『なんじを封じて琉球国中山王となす』という皇帝の勅語を読み国王は中国から正式に王としてみとめられる。式をやって王としてみとめることを冊封というのです。しかしこの式があってはじめて王になるのではなく、たのまなければ来ないのです。又あの王はいけないといってことわったこともなく、王が自分のいげんをつけるための儀式です。」
「中国はむかしから体面をおもんずる国です。そして中国がその時代はアジア第一の文明国で、他の国々はみな野蛮未開な国々と見ているから対等のつきあいはゆるさない。それで『臣』と称して貢物をささげて行って皇帝にあいさつするのでなければ有利な貿易は出来ないのです。」
「(琉球王国は)臣下という仮面をかぶって、有利な貿易をやったということです。」


話を組踊りに戻しましょう。琉球が中国に初めて使いを送ったのは1372年のことですが、この中国との貿易の利益を狙った島津藩が琉球に進攻した、いわゆる「島津入り」が1609年、つまり組踊りが誕生した1719年には、すでに島津藩が琉球王国を実質的に支配していたということです。しかし、琉球王国は存続させなければならなかった、なぜならば、琉球王国を介する以外に、中国と貿易する手段が、当時の日本にはなかったからです。これは、沖縄の芸能を考える上で、とても重要なことのように思われます。
玉城朝薫は薩摩や江戸に何度も派遣され、そこで能・狂言や文楽・歌舞伎など大和芸能の様式を学びました。それが組踊りの創作に大きく影響しています。
特に玉城朝薫の第一作といわれる「執心鐘入」は、もっとも大和文芸の影響を受けていて、いわゆる「道成寺もの」がその下書きになっています。

大城先生は、大和と琉球の狭間で、いかに玉城朝薫が組踊りを創作したのか、その苦悩を描いた小説や戯曲を書かれてきました。
※関連記事(「嵐花」公演のこと⇒http://lince.jp/hito/arasibana…

また大城先生は、これまで新作の組踊りをいくつも発表されています。
※関連記事(「真珠道」公演のこと⇒http://lince.jp/hito/madamamiti…
2001年には、それらを集めた琉球楽劇集が出版されています。

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この本は、上段に「歴史的仮名遣い」を、下段に読みをあらわすローマ字を配しています。
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ここでもやはり表記と発音の問題があります。それについて大城先生の興味深いあとがきがあるのですが、それはまたあらためてご報告します。
※関連記事(「古典音楽」の本のこと⇒http://lince.jp/hito/okinawamap/free…

さあ、ようやく今回の新作組踊り「さかさま執心鐘入」までたどり着きました。
これは大城先生のお話によると、「執心鐘入」の後日談のようなお話なのだとか。先生の作劇の動機がちょっと面白いのです。

「執心鐘入」の大道具の鐘は「執心鐘入」を上演する時にしか使われない、もったいないのでなんとかそれを使えないか…
「執心鐘入」に出てくる小僧さんたちの出番が少ない、その小僧さんのキャラクターをなんとかできないか…

稽古は5月くらいから始まっているそうです。組踊りの役者さんたちも、皆さんいろいろ仕事をしていかなければならないので、そろっての稽古が難しいと先生はおっしゃっていました。

本番が楽しみです。なんとか時間を作って、11月、また沖縄に来たいと思っています。
国立劇場おきなわホームページ
(宇夫方路の報告を高山正樹が目いっぱい膨らませてお伝えしました。)

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tag: 新作組踊  執心鐘入  沖縄の旅_2009年7月  大城立裕  首里城 

又吉健次郎さんの房指輪と、Cocco~《色んな房指輪を比較してみました》

14:30
大城立裕先生のお宅に伺う前に、又吉健次郎さんの工房“金細工またよし”に寄りました。沖縄タイムス賞を受賞されてから初めてですね。この度はおめでとうございました。

房指輪の七つの房、その意味にまつわる秘密、だんだんと大袈裟な感じになってきましたが、その解読は今しばらくお待ちくださいませ。

それから、婚礼用房指輪と踊りに使う房指輪の違いについて、それも前にお話ししました。そして又吉健次郎さんは、踊り用の房指輪は作っていらっしゃらないということもお伝えしました。

楽天市場の沖縄mapでは、又吉さんに御無理をお掛けできないので、房指輪は扱っていないのですが、画像だけお借りしました。又吉さんの婚礼用の房指輪がこちらです。
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そして又吉さんが大切にされている作者不明の古い房指輪。(画像再掲載)
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一方、踊り用の房指輪……
まず喜納の会の先生から借りた房指輪。(画像再掲載)
喜納の会の先生から借りた房指輪

ジュードーチョップで作ってもらった房指輪。(画像再掲載)
ジュードーチョップの房指輪

踊り用の房指輪は鎖が長いのです。鎖まで全て銀の手作りとなると、鎖がくっついてしまって難しい。それが又吉さんが踊り用の房指輪を作らなかった理由でした。その説明を少し補足すると、1個1個の鎖の小ささが問題なのです。
ならば鎖をちょっと大きくすればいい、というわけでインターネット初登場、宇夫方路が注文して、そして出来上がった…
又吉健次郎作・踊り用房指輪がこれです!
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確かに、古典を踊るには又吉さんの房指輪はちょっと存在感がありすぎるのかもしれません。でも創作舞踊ならOK。これを付けて踊れるような作品を、いつか絶対に作ろうと、宇夫方路は心に決めたのでした。

木箱の蓋の裏には、又吉さんの琉歌が書かれています。
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神々ぬ月日
ひだてぃなく照やい
光風水に
花や咲かち

踊りには二つ必要なんです。
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一組60,000円なり。
「高いかもしれないけれど、これは代々持ち続けられるものだから、大事にしてください。どうもありがとう。」
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いえいえこちらこそありがとうございました。健次郎さんが作られた指輪、大切にしたいと思います。

そしてちょっとサプライズなお話。
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あのCoccoが、先日、突然に又吉さんの工房にやって来た。又吉さんの房指輪をつけて歌いたい。
Coccoに、健次郎オジイは言いました。
「君は、いつかココに来ると思っていたよ」
ふたりだけの不思議な会話、でも、このふたりならありそうな会話。
Coccoが又吉さんの房指輪をつけて歌う姿は、まもなく彼女のステージで見ることができるはずです。



最後にもうひとつ。
又吉さんのところに大城立裕先生から沖縄タイムス賞受賞のお祝いの葉書が届きました。でも、おそれ多くてまだ返事を出してないとおっしゃっていました。では、そのことは、今日、大城先生にお伝えしておきますね。
(宇夫方路、ゴーストライターMT)

tag: 沖縄の旅_2009年7月  大城立裕  又吉健次郎  房指輪 

“maru CAFE”

12:30
キリスト教学院の近くにあるmaru CAFEという店でお昼にしました。
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maru CAFEのホームページ

ランチは680円でサイドメニューと飲み物付き。サイドメニューはセルフでお代わり自由。安い。
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今日のサイドメニューは、かぼちゃのスープ、てびちの煮付け、サラダと卵焼き。
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でも、食べたのは15食限定スペシャルメニューのスパゲッティ。
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とてもおいしかったです。

厨房では若いおにいちゃんが一人で大奮闘。
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残念ながら100店シリーズには載っていませんが、お店の女の子に、ブログ見てねって名刺渡してきたので、是非とも紹介してくださいね、高山さん。

13:30
おきなわ堂で仕入れ。「BAR100」と「ゴーヤーレシピ」。
そして高山正樹に頼まれた本を購入。

tag: 沖縄の旅_2009年7月  沖縄の呑食処.maruCAFE  100シリーズ 

キリスト教学院の図書館へ【親富祖恵子さんのこと】

2008年9月、朝日新聞の「窓」というコラムで、沖縄キリスト教短大などで非常勤講師をされている親富祖恵子さんのことが紹介されています。「沖縄文字」を用いたユニークな授業を始めたという記事。
(※親富祖恵子さんは、儀間進先生がウチナーグチの上手な人として名前を上げられた中のおひとりです。)
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com/blog…

「沖縄文字」というのは、もう何度もご紹介している船津好明さんが1986年に考案されたものです。
沖縄語は発音が独特なので、「しゃ・しゅ・しょ」などと2文字のかな文字を組み合わせて表してきた、だが、本来は1音節1文字が望ましい、そこで独自の沖縄文字が考案された、というふうに、朝日新聞の「窓」では説明されています。でも、この記述では誤解されそうです。まるで「しゃ・しゅ・しょ」も、沖縄文字では新しい文字に置き換えられているかのようです。決してそんなことはありません。

また、その一ヶ月前の8月の沖縄タイムスでも、親富祖恵子さんの授業と船津好明さんのことが紹介されています。しかしこちらは「沖縄口には、2〜3の文字を一つの音で発音するものもある」とだけあって、それでその先どういう文字を考案したのかの説明がなされていないので、やっぱりよく分からないのです。

そこで、さらにその一ヶ月前、今度は琉球新報の記事ですが、これがなかなか分かりやすいので、ちょっと長いのですが、引用します。
「従来は『お前』を沖縄口で表記するのに『っやー』『っいゃー』など、仮名二、三文字を組み合わせて表記しなければいけなかったが、これらの表記法では、沖縄口を知らない人にとってはどこまでが一音か分かりにくく、読み間違いが多かったのだという。沖縄独特の音を分かりやすく表記したいと船津好明さんが一音を一文字で表す『沖縄文字』を考案。『てぃ』『とぅ』など沖縄独特の二十七の音を、一音一文字にしている」

ウチナーグチの表記について、今日のところはこれ以上の説明はいたしませんが、沖縄文字に興味のある方は下記からどうぞ。
沖縄文字一覧

今日は先日の「沖縄語を話す会」で頂いたお土産のはなし第一弾です。

最初にご紹介した朝日新聞のコラムの続き。
「船津さんとともに東京の『沖縄語を話す会』で活動する国吉真正さんは、ハングルやロシア文字のように、沖縄文字をパソコンで入力できるようにするソフトを開発した」

そのソフトが入ったフロッピーが、お土産第一弾です。
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また、右が2008年9月の朝日新聞の記事、左が8月の沖縄タイムス。
さらに7月の琉球新報の記事がこれです。
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親富祖恵子先生のお顔と沖縄キリスト教短大の授業風景の写真も載っていますね。

この沖縄キリスト教短大の図書館(沖縄キリスト教学院図書館)に、今日、宇夫方路がお邪魔しました。

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以下、宇夫方女史からの報告です。
11:45 
「父の紹介で、キリスト教学院の図書館へ。沖縄関係のものは収集したいということでおーでぃおぶっく4種類、そして、セロ弾きのゴーシュも含めて5枚お買い上げいただきました。その上、『県立図書館にも、行って御覧なさい、電話入れておくから』と、ありがたいお言葉を頂きました。お昼休みにかかってしまったので、慌てて失礼しました。」


キリスト教学院及び短大の学生さんたちへ。
どうぞ私たちのCDを、聞いてくださいね。そして気に入ったら、是非買ってくださいませ。“おきなわおーでぃおぶっく”は沖縄のあっちこっちで買えますし、“セロ弾きのゴーシュ”は普久原楽器沖縄市本店(沖縄市)か、リウボウFMステーション(那覇市)で買えます。

(なお、2008年7月22日の琉球新報の記事全文が下記から読むことが出来ます。)
http://ryukyushimpo.jp/news…

tag: 親富祖恵子  山猫合奏団  沖縄の旅_2009年7月  新沖縄文字  おきなわおーでぃおぶっく 

石鹸「森の和」スペシャル登場!

10:00
森山さん御夫妻と再会しました。といっても、M.A.P.after5できちんとご紹介するのは初めてです。

前回は、意味深に、小さな白黒画像をちょっと…、でした。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com/blog-entry-1009.html
その時も、ブログでご紹介することに関してはお許しをいただいていたのですが、なんとしてももう一度お会いしたくて、敢えてきちんとご紹介することを控えていたのです。

6月の画像を、今日改めてアップします。
森山さん夫妻
(2009年6月14日撮影)

森山朝順さんと和江さん御夫妻は、今うるま市にお住まいで、大人気の「森の和」という石鹸を、ひとつひとつ手作りで作っていらっしゃる方です。

前回沖縄に来た時、とあるお店で売られている「森の和」を見つけ、その素朴な石鹸の姿に惹かれ、思わず購入しました。
森の和
そして、そこに書かれていた連絡先にその場で電話を入れ、是非とも楽天市場沖縄mapで扱わせていただきたい旨をお伝えし、お会いするお約束までしてしまったのです。

実は「森の和」が既に大人気の商品だということを知ったのは、その後のことで、もし最初から知っていたら、当方で扱わせていただくことは諦めていたかもしれません。
森山さん御夫妻は、私たちのやりたいことを御理解くださり、とても前向きに検討してくださいました。しかしその後、アメリカの会社からも問い合わせがあったり、また、うるま市でこの石鹸を当初から扱っている会社にご迷惑を掛けたくないというお気持ちなど、諸々の事情があって、インターネットで売るということはやめたいということで、残念ながら一度は断念したのです。

しかし、どうしても諦めきれない、それほど魅力のある石鹸。
そうして、ご無理を言って、今日再度お会いさせていただきました。

結論から言うと、「森の和」には2種類あって、今すごく売れているのは安いほうなのですが、それよりもちょっとだけ高い、いわば「森の和」スペシャルの方を扱わせていただけることになったのです。
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普通の「森の和」は、表面が波々ですが、スペシャルはツルツル、ちょっと高級感がありませんか?
石鹸に混ぜる自然エキスの成分は通常の「森の和」と同じ、でもその量がスペシャルの方がずっと多いのです。
薬事法などの関係で、口が裂けても効能などは申し上げられません。しかしアトピーが良くなったとか、毛が濃くなってきたとか、勝手に使って迷惑なコメントもたくさん寄せられてしまったようです。(今まで1個3000円もするような石鹸を使っていたセレブ女性が、今はこの1個500円くらいのスペシャル石鹸のファンになって、高級石鹸はゴミ箱にポイされたとか。なんに使ってるんでしょうね。「森の和」は雑貨なのに。)

奥様の和江さんは、このスペシャルのほうの石鹸をもっと売りたいというお気持ちがおありになって、それが今回ありがたいお返事をいただけた理由のひとつなのかもしれません。

もちろん、その効能を保障するものではありませんが、最初にお会いした時、朝順さんがおっしゃっていた言葉を思い出します。
「これは世界一の石鹸だよ。そう信じればそうなるのさ」
それが自然の力というものなのかもしれません。
そんなユーモアのある朝順さんですが、ご自分が丹精込めて作る石鹸に対して、偽りなく誇りと自信を持って「世界一」とおっしゃりたいのに違いありません。
奥様も高山正樹の頭髪を見て「まだ十分間に合います」だって。
だめだめ、雑貨で頭を洗ってはいけません。

ただただ、何とか安くたくさんの人にご提供したいだけ。この思いをどうしたら実現できるのか。なかなか難しい。

ネット販売で、消耗品を扱うことはとでも重要なこと、私たちに強い味方が出来ました。まもなく楽天市場沖縄mapに石鹸が登場です。
「これも何かの縁ですから」
そうおっしゃってくださった森山さん御夫妻に、心から感謝申し上げます。

tag: 沖縄の旅_2009年7月  森山さんの石鹸  森山朝順  森山和江