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鳥小(とぅいぐゎー)《「ぐゎー」という接尾語について》

楽天市場“沖縄map”のブログ「沖縄mapのつぶやき」はM.A.P.の上原担当。今日の記事C・W・KYOKOさんの撮影した沖縄の空についてです。

楽天市場“沖縄map”のトップページのヘッダーにも、今までは夏バージョン用にC・W・KYOKOさんの写真をお借りして使わせていただいていました。
沖縄mapの旧ヘッダー
とはいえ、これは元データをトリミングして、その上に高山正樹がフリーソフトで書いた文字を載せてみて作ったもの。その結果、色あいと空間の拡がりを損なってしまって、とっても申し訳なく思っていました。

このたび、そのヘッダーを、上原さんが秋冬版の新バージョンに交換したようです。
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琉球絣の定番模様、「鳥小(とぅいぐゎー)」をあしらってみたようですね。

来年の海の季節には、またKYOKOさんと相談してみたらどうかな、上原さん。

さて、「鳥小(とぅいぐゎー)」にまつわるお話。
「とぅ」については、昨夜の沖縄語を話す会で話題にしたばかり。
「ぐゎー」はよく使われる接尾語。小さくてかわいいものの後につけます。だから「鳥小(とぅいぐゎー)」は「小鳥」っていう感じかな。
でもね、「ぐゎー」には軽蔑の意味もあります。「はーめーぐゎー」なんて言ったら、「ばばあ」という意味になってしまいます。沖縄の市場なんかでウチナーグチを使うと、お店のおばあさんはとっても喜んで、おまけしてくれたりしますが、十分に気をつけて使いましょうね。
(※分家にも「ぐゎー」をつけます。一番下の姉「んみーぐゎー」という言葉にもついています。)

「鳥小(とぅいぐゎー)」というと、ふじたあさや氏が1983年に書いた戯曲「翔びたてば鳥」があります。
null 「鳥」

 女たちの思いが織りなす鳥小
 女たちの思いではばたく鳥小
 横糸のひとすじずつを
 まるで糸と語り合うように
 ぎりぎりの美しさを選んで織り込んで
 ひと柄できるまで行きかえり五十本
 五十の思いが 今 鳥小を作る
 翔びたつか鳥小
 女たちの思いをのせて
 翔びたたぬか鳥小
 女たちの思いをよそに
 翔びたてぬか鳥小
 女たちの思いの重さに

 翔びたてば鳥小
 その時島は鳥になる


表題の「鳥」の字には、「とういぐわー」というルビが振られています。
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この仮名遣いには作者のこだわりがあるのでしょうか。たとえそうだとしても、やっぱりウチナーグチを正しく残していくためには、表記も大きな問題であると、あらためて思うのでした。

tag: 【総合講座】  楽天市場  C・W・KYOKO  ふじたあさや