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30’sの“楽屋”その2《演じることの充足感と現実の欠落感の狭間で》

サーティーズの“楽屋”、清水邦夫の秀作。
昨日は宇夫方女史が見てきたようで。
 ⇒http://mapafter5.blog.fc2.com/blog…
芝居のことはそちらで、と振られて困っている。“楽屋”という芝居はたいがいの女優さんにとって、とても魅力的で、是非ともやりたい戯曲の代表らしい。しかし、だからこそ難しい芝居だと思った。女優たちは、この“楽屋”という脚本で舞台に立てていることに、大きな充実感があるのに違いない。しかしその高揚を見せられては辛いのである。他の芝居なら逆なのだが。

役を貰えなかった女優たちの亡霊が棲みつく楽屋。彼女たちが抱えているのは、舞台に立てなかった欠落感と、演ずることに対する永遠に満たされない渇望である。そんな女優たちの執念が観たいのに、今この舞台に立つ女優たちが、どこか満足しているとしたら、芝居が全て嘘になる。演技がうまい下手の問題ではない……

ほら、だからオレに振るなって言ったんだ。ちょっと言ってみただけ、忘れておくれ。
「昔っからそういうおじさんだったよね」
そんなエリカの声が聞こえて来そう。

いつからエリカに会ってなかったんだっけ。ああそうだ、君の大好きな親父さん、伊藤克さんと小生が御一緒させていただいたリーディングに、あなたが差し入れもってきてくれた時以来だな。

なんとも懐かしい人に会った。畠山文男氏。舞台で並んで歌を唄ってたのはいつだろう。畠山さんが「日本アマチュアシャンソンコンクール」でグランプリを受賞したとは驚き。それが1991年、それよりずっと前から会ってないんだね。まったく変わってないというか、成長してないというか。

「飲み会、行くんでしょ」
「畠山さんは行くの?」
「あれ、高山さんが来るってエリカ言ってたよ」

伊藤絵理花と畠山文男。
越智絵理花さんと畠山文男さん
あ、そっか、今は越智絵理花だったっけ。

文化座の高木憲作さんと伊藤勉さん、そしてサーティーズの深水みゆき。
高木憲作さんと伊藤勉さんと深水みゆきさん
高木憲作さんは文化座の制作の方。伊藤勉さんは海の一座で座長を務めていらっしゃった文化座の中心的な俳優さんだ。みゆきちゃんと僕はすれ違いで一緒に舞台に立ったことはない。

文化座といえばずっと「沖縄」にこだわっている劇団ということもあって、高木さんと伊藤さんとは、いろいろ沖縄の話をさせていただいた。高江のことをご存知ですか、みたいなことも思い余って聞いてみたりした。

芝居を作る、舞台に立つ、それはとても楽しいことなのだろうか。終われば充実感もあるだろう。しかし、その芝居で伝えようとした現実に幕が下りることはない。沖縄は今も欠落感にまみれ、絶望的な渇望の中にある。とするのなら、例えば「沖縄」を演じた役者は、千秋楽をどのような気持ちで迎えなければいけないのか。僕は、絵理花や畠山氏と一緒に舞台に立っていた頃から、ずっとそのことを考え続けているような気がする。

高木さま、伊藤さま、生意気な話をしてしまいました。どうか失礼の数々、お許しください。
畠山さん。コンサートがあったら知らせてください。畠山さんの歌には哀愁いっぱいの欠落感がありそうだから。(ごめん)
そしてサーティーズの皆様、また懲りずにご案内をお送りくださいね。仕事がなければ、必ずお伺いいたします。
(高山正樹)

《おまけ》
われらが新城亘先生が、文化座の「海の一座」の音楽担当だったということ。
 ⇒http://uminoitiza.exblog…

※宇夫方路は琉球舞踊教室…
(エコルマホールのリハーサル室にて)
 ⇒http://mapryukyubuyou.ti-da.net/e3011459.html

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金城実パネルトーク「差別の構造~沖縄という現場」

金城実「沖縄を忘れた日本」緊急パネルトーク
「差別の構造~沖縄という現場」

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五年経った2015年12月3日、ようやく僕は、この日感じたことをなんとか報告すべく書き始めた。
まずはネットで記事を探し、見つけたこの日の辛淑玉氏の発言を、自分の記憶をたどりながら要約するところから始めよう。

日本は、朝鮮に対する恐怖を増幅させながら、「だから防衛力(軍隊=暴力装置)を増強させなければならない」と喧伝する。
これまで、パチンコ疑惑やテポドン、そして拉致、その都度発生する在日コリアンに対する暴力事件に関し、捜査も検挙もゼロに近い。そんな時、在日問題に理解ある良心的な人たちから「ひどい日本人だけでない、私は応援している」と言われることもあるが、実はこれは「自分のことは殴らないでね」と予防線を張っているのと同じ。
またよく「日本が好きか」と聞かれるが、これも「日本が嫌いだったら出て行け」というのと同じ。こうして踏み絵を踏ませて敵か味方かを判断する。そして日本に好意的な外国人なら受け入れるが、日本の習慣に従わないような外国人はバッシングする。朝青龍がいい例。これは関東大震災の際の朝鮮人虐殺と同じ構造である。


(※後日執筆予定)

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tag: 金城実  知花昌一  辛淑玉 

金城実彫刻展「島の土から」と関連イベントのご案内

昨日の8月6日から始まっているのですが……
彫刻家・金城実氏の東京滞在イベント「沖縄を忘れた日本」
……のお知らせです。
先日、沖縄の読谷にある金城実さんのアトリエに伺った時にご案内されていたのですが、今日まで多忙で告知できませんでした。陳謝。
●金城実彫刻展「島の土から」
期間:8月6日(金)~8月21日(土)12時〜19時
(但し本日7日は休み)
会場:GALLERY MAKI(Tel・Fax:03-3297-0717)
日比谷線・東西線茅場町駅、3番出口下車隅田川方向へ徒歩7分
E-mail:gallerymaki@hotmail.com

●パネルトーク「差別の構造〜沖縄という現場」
金城実/石川文洋(写真家)/鎌田慧(作家)/辛淑玉(人材育成コンサル
タント)、他に知花昌一(読谷村議)も参加予定。
日時:8月7日(土) 14時〜17時 ※今日です!
参加費:500円
場所:日本教育会館8階第3会議室(Tel:03-3230-2831)
都営新宿線・半蔵門線神保町駅A1出口下車徒歩3分

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●映画「チビチリガマから日本国を問う!」上映&トーク
日時:8月13日(金)17時30分開場上映18時〜
場所:新川区民館7号室
参加費:1,000円
トーク:金城実/小倉戸利丸(富山大学教員)/西山正啓(記録映画作家)


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これから行ってきます!

tag: 金城実  西山正啓