2011年02月10日(木)23時29分
「さわり」と「純音」《横道萬里雄さんを御招待できるような芝居にしたい》
今日も市民劇の稽古に自転車に乗って行ってきた。
一昨日の記事で、川崎絵都夫大先生の曲は、はたして「古の霊を呼び出す磁気を帯びているだろうか」と申し上げたことについて、いま少し補足しよう。
琵琶に、「さわり」というものがあることをご存知だろうか。わざとノイズを混ぜる仕掛けで、三味線にも受け継がれている。youTubeに三味線の「さわり」を説明している画像を見つけたので、まずそちらをご覧いただきたい。
フレットが低すぎる出来の悪いギターなど、弦をちょっと強く弾くと、本来触れてはいけない隣のフレットの金具に、弾いた弦が当たってジジーンというノイズが出ることがある。琵琶や三味線の「さわり」は、その「雑音」を意図的に出そうとする仕掛けなのである。
もういい加減に兵藤裕巳氏の著作『琵琶法師』から離れたい(あさやさんの罠から抜け出したい)のだが、なかなかそうはいかないらしい。兵藤氏は、薩摩琵琶を使った曲も作曲している武満徹氏のことを紹介している。
武満徹は、「薩摩琵琶などの盲僧(琵琶法師)系の琵琶におけるサワリの工夫を、『雑音(ノイズ)というものを媒体として自然世界に連なってゆく』ための積極的な方法」と位置づけているというのだ。
余談だが、山猫合奏団の白石准は、今度のしんゆり芸術祭で、ボクに南アフリカのサッカーW杯で話題になった応援グッズのブブゼラを吹かせようという魂胆を持っているらしい。白石准は、武満徹氏によって見出されて道が開けたピアニストである。もしかすると彼も武満氏のように「ノイズ」好きなのかもしれない。なんだかとってもそんな気がしてきた。
兵藤氏は更に言う。
「(サワリは)『自然世界』のざわめきに声をあたえる盲人芸能者たちの創造だったろう」
youTubeにはたくさんの琵琶の演奏がアップされている。第一人者である田原順子さんのものも数多くある。
(またもや余談だが、田原順子さんは、ふじたあさやさんも関昭三さんもよくご存知の方である。ボクのカミサンも、沖縄から東京に出てきた頃に、順子さんのご主人にはずいぶんとお世話になった。今回の市民劇でも、ボクの琵琶演奏指導を順子さんに頼むとかいうハナシもあるようなのだが、いったいどうなっているのだろう、ね、関さん。)
その田原さんの画像を貼り付けようかと思ったのだが、あえて数少ない男性、それも外国人の方のものにしてみた。そのほうが、きっと今日の記事の趣旨には合っている。
三つ目の余談。三味線の直接のルーツは沖縄の三線だという説もあるが、三線には「さわり」はない。沖縄の唄を、大和風のコブシを入れて唄うと「変だ」と言われる。ビブラートなどはもってのほかなのである。
「何もせず、ただまっすぐに歩くように唄う」
これが難しい。三味線と三線の違いについては、あらためていつか考えてみたいと思うのだが。
さて、ハナシを戻す。
同じ琵琶でも、雅楽琵琶には「さわり」はない。鳴る音は純音のみである。そこに穢れた異形の「もののけ」が入り込む余地はない。
川崎絵都夫先生の曲もまた、ざわめきを「ノイズ」として取り除いてしまった後の「純音」なのである。いくら耳を澄ましてみても、残念ながら異界からの風の音が聞こえてこない。おぞましい「もののけ」たちのうごめく声が、ボクの肌に触れないのである。ボクは、穢れた河原モノでありたいと願っているので、出来ることならば異界へと逃げ出したくなるのだ。
きっと、ステージングが始まれば、不本意なことが起き始めるに違いない。
「これは市民劇なんだから、市民劇なんだから……」
稽古場で、不機嫌な顔をしないようにしよう。そうでないと、またたくさんの敵を作ることになる。
一昨日の記事で、川崎絵都夫大先生の曲は、はたして「古の霊を呼び出す磁気を帯びているだろうか」と申し上げたことについて、いま少し補足しよう。
琵琶に、「さわり」というものがあることをご存知だろうか。わざとノイズを混ぜる仕掛けで、三味線にも受け継がれている。youTubeに三味線の「さわり」を説明している画像を見つけたので、まずそちらをご覧いただきたい。
フレットが低すぎる出来の悪いギターなど、弦をちょっと強く弾くと、本来触れてはいけない隣のフレットの金具に、弾いた弦が当たってジジーンというノイズが出ることがある。琵琶や三味線の「さわり」は、その「雑音」を意図的に出そうとする仕掛けなのである。
もういい加減に兵藤裕巳氏の著作『琵琶法師』から離れたい(あさやさんの罠から抜け出したい)のだが、なかなかそうはいかないらしい。兵藤氏は、薩摩琵琶を使った曲も作曲している武満徹氏のことを紹介している。
武満徹は、「薩摩琵琶などの盲僧(琵琶法師)系の琵琶におけるサワリの工夫を、『雑音(ノイズ)というものを媒体として自然世界に連なってゆく』ための積極的な方法」と位置づけているというのだ。
余談だが、山猫合奏団の白石准は、今度のしんゆり芸術祭で、ボクに南アフリカのサッカーW杯で話題になった応援グッズのブブゼラを吹かせようという魂胆を持っているらしい。白石准は、武満徹氏によって見出されて道が開けたピアニストである。もしかすると彼も武満氏のように「ノイズ」好きなのかもしれない。なんだかとってもそんな気がしてきた。
兵藤氏は更に言う。
「(サワリは)『自然世界』のざわめきに声をあたえる盲人芸能者たちの創造だったろう」
youTubeにはたくさんの琵琶の演奏がアップされている。第一人者である田原順子さんのものも数多くある。
(またもや余談だが、田原順子さんは、ふじたあさやさんも関昭三さんもよくご存知の方である。ボクのカミサンも、沖縄から東京に出てきた頃に、順子さんのご主人にはずいぶんとお世話になった。今回の市民劇でも、ボクの琵琶演奏指導を順子さんに頼むとかいうハナシもあるようなのだが、いったいどうなっているのだろう、ね、関さん。)
その田原さんの画像を貼り付けようかと思ったのだが、あえて数少ない男性、それも外国人の方のものにしてみた。そのほうが、きっと今日の記事の趣旨には合っている。
三つ目の余談。三味線の直接のルーツは沖縄の三線だという説もあるが、三線には「さわり」はない。沖縄の唄を、大和風のコブシを入れて唄うと「変だ」と言われる。ビブラートなどはもってのほかなのである。
「何もせず、ただまっすぐに歩くように唄う」
これが難しい。三味線と三線の違いについては、あらためていつか考えてみたいと思うのだが。
さて、ハナシを戻す。
同じ琵琶でも、雅楽琵琶には「さわり」はない。鳴る音は純音のみである。そこに穢れた異形の「もののけ」が入り込む余地はない。
川崎絵都夫先生の曲もまた、ざわめきを「ノイズ」として取り除いてしまった後の「純音」なのである。いくら耳を澄ましてみても、残念ながら異界からの風の音が聞こえてこない。おぞましい「もののけ」たちのうごめく声が、ボクの肌に触れないのである。ボクは、穢れた河原モノでありたいと願っているので、出来ることならば異界へと逃げ出したくなるのだ。
きっと、ステージングが始まれば、不本意なことが起き始めるに違いない。
「これは市民劇なんだから、市民劇なんだから……」
稽古場で、不機嫌な顔をしないようにしよう。そうでないと、またたくさんの敵を作ることになる。
tag: 三線 「枡形城落日の舞い」 横道萬里雄
2011年02月10日(木)14時58分
沖縄語の音韻講座(2)【カ行】
《2月10日》ア行に続き、カ行です。
ちょっと面倒なので、後日書きますが……
でも、ならば何故「カ行」をこの日に記事にするのか。
それは宮澤寿君が宇夫方隆士さんに盛岡弁を習いに来ていたから。
(M.A.P.事務所の奥の部屋にて)

全て、後日です。
ちょっと面倒なので、後日書きますが……
でも、ならば何故「カ行」をこの日に記事にするのか。
それは宮澤寿君が宇夫方隆士さんに盛岡弁を習いに来ていたから。
(M.A.P.事務所の奥の部屋にて)
全て、後日です。
tag: 【音韻講座】
2011年02月10日(木)03時05分
アウトローの悪い癖
《2月9日26時30分》
コンケン・アイを出て右へ曲がる悪い癖。そこには“ぎま”が。今日は真弓さんも一緒です。コンケン・アイのオヤジさん? とっくに寝たさ。

あ、ここにもアウトローがいました。筋金入りです。

腕相撲っぽいことしたりして。もちろん小生が勝てるわけないんですけどね、でも左は結構いける。右手はさ、30年前マージャンしてて薬指を骨折して以来、握力がペケなのです。
いつもあんまり写真に写りたがらないミエちゃんのお母さんが作ったサーターアンダギー。

コンケン・アイを出て右へ曲がる悪い癖。そこには“ぎま”が。今日は真弓さんも一緒です。コンケン・アイのオヤジさん? とっくに寝たさ。
あ、ここにもアウトローがいました。筋金入りです。
腕相撲っぽいことしたりして。もちろん小生が勝てるわけないんですけどね、でも左は結構いける。右手はさ、30年前マージャンしてて薬指を骨折して以来、握力がペケなのです。
いつもあんまり写真に写りたがらないミエちゃんのお母さんが作ったサーターアンダギー。
⇒[subcate.サーターアンダギー]

結婚と愛は同じですか?
「この写真、気に入らない」

じゃあ、もう一枚。

「なんだかね」
真弓さん、幸せですか?
「ま、いっか」

コンケン・アイは婚・兼・愛ですか?
ここは“ぎま”、歌うところ。ね、浅野さん。
「あんちゃん、これ、いいじゃんいいじゃん」

アウトローの特技か、悪い癖か。
⇒[subcate.スナックぎま]
⇒次の記事へ
結婚と愛は同じですか?
「この写真、気に入らない」
じゃあ、もう一枚。
「なんだかね」
真弓さん、幸せですか?
「ま、いっか」
コンケン・アイは婚・兼・愛ですか?
ここは“ぎま”、歌うところ。ね、浅野さん。
「あんちゃん、これ、いいじゃんいいじゃん」
アウトローの特技か、悪い癖か。
⇒[subcate.スナックぎま]
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tag: 松原通_スナック.ぎま
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