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又吉健次郎さんの房指輪(6月の沖縄4)

北村三郎さんとお別れしたあと、私たちは又吉健次郎さんの工房にお邪魔しました。
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又吉さんは、先日東京へ行かれたそうですが、あんな忙しいところ、疲れるからもう二度と行かないとおっしゃっていました。
「20年前、二十歳の頃、歌舞伎町をウロウロしていたときは大丈夫だったんだけどなあ」
あれ? オジイ、幾つなわけ? 計算が合いませんよ。
そばから健次郎さんの話に突っ込みを入れる娘さんです。
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笑って仕事を続けるお弟子さん。
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なんでこの画像、こんなに大きいの?
手元がよく見えるようにです。大意はありません。

その傍の壁には、大和の書家(北古味可葉氏)の作品が。
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書かれてあるのは、「結ぶ」という文字です。

又吉健次郎さんが“沖縄map”のために提供してくださるのは、既にお知らせしたとおり、結び指輪と、それから房指輪の七つの素材を使ったネックレスです。

あらためて房指輪の七つの素材をご紹介します。
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さて、この七つの図案にどんな意味があるのか、いよいよ懸案の謎解きを…、と、いきたいところなのですが、なかなか奥深いこともあり、また本当のところがいまひとつ判然としないので、今少し時間を頂きたいのです。
確かに、6月6日の記事のコメントにてご紹介した説明での「意味」が、“金細工またよし”の公式な御案内であることには間違いはありません。

※そのコメント再掲
房指輪には7房の飾りが付いていて、一つ一つに意味がある。
魚:食べ物に困らないように
灯(灯明):祖先すうはい
鳩:平和の象徴
扇:末広がりの福
花:生活の彩
蝶:天国の使者
芭蕉の葉:着る物に困らない様に
※以上、又吉さんの説明のママ


今や金細工(くがにぜーく)の第一人者は又吉健次郎さんなので、インターネットで「房指輪」を検索すると、この又吉さんの工房の正式な案内が、それぞれのサイトやブログなどで、若干言葉を変えながらも、これ以外にはあり得ないという印象で上位に並びます。中には又吉健次郎さんのお名前なしで説明書きのみ使われている場合もあり、もはやこの見解が、琉球王朝時代から連綿と受け継がれてきた伝統であるかのような様相を呈しています。

※コメントの続き
踊りの時に中指に嵌めて使う房指輪(フサイービナギー)の場合も同じなのか。例えば雲とか勾玉なんかもあるらしい。魚と扇は分かる。でも後がよく分からない…
又吉さんのところでもらった説明をそのまま書いたのですが、確かに。。。
琉球舞踊の先生曰く「作る人によって違う」と。さて…


この日、又吉健次郎さんは、大切にされている、ひとつの古い房指輪を我々に見せてくださいました。
それがこれです。
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作者はわかりません。

1960年に「大和」からやってきた陶芸家濱田庄司と版画家棟方志功。
健次郎さんの父、6代目又吉誠睦。
そして、ここにも戦争の影が…。
健次郎さんが最も大切にしていることは、父親の遺志をそのものを受け継ぐこと。

なんだか奥歯にモノが挟まったような物言いで、大変申し訳ありません。健次郎さんにもお許しを頂いていますので、若干残る靄が晴れたならば、その時はきちんとご報告したいと思っています。

前回宇夫方路がお伺いした時の記事でご紹介したお孫さんの絵を、ここに再掲したいと思います。
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もしかすると。このお孫さんが健次郎さんの後を継ぐというようなこともあるのでしょうか。
父という「定立」、息子という「反定立」、その弁証法的統一。あるいは即自・対自・即自且対自といってもいい。
物事はトライアングルになった時、父と息子の関係だけであったものが、新たな定立(テーゼ)として確固たる伝統になるのだと思うのです。
このことと通じるものが、“おきなわおーでぃおぶっく”の新作、大城立裕氏の「ノロエステ鉄道」にもあるのです。
それに関するこんな記事も、どうぞお読みください。
 ⇒今日は、久米明さんの録音でした…
これもまた、第三の目に違いありません。
こんな記事もどうぞ…
 ⇒儀間進氏と会う…

ああ、またややこしい話をしてしまいました。反省であります。
又吉さん。今度は島酒担いでやってきます。
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(文責:高山正樹)

今日は、カンキチに会うことができました。
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でもこいつ、男は嫌いらしい。特に大和の男が?
金城君と一緒?

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tag: 金細工“またよし”  沖縄の旅_2009年6月  又吉健次郎  房指輪 

Comment

No:422|
大和嫌いの金城ですが、何か?
ただの大和嫌いと一緒にしてもらっちゃ困りますよ(^_-)☆
No:423|
一緒になんかしてないよ。だって、大和の女性は好きなんでしょ?
違うか、男ほどには嫌いじゃないってことだっけ……

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