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稽古その2なのだ!【変わらぬ味・近代文学・変わりゆく言葉】

朝、門の脇の植木におみくじが…
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誰の仕業かな。

そういえばオイラは何年初詣行ってないのだろう。

仕事して、夜は稽古。

小竹伊津子さんのお土産。
根岸の老舗、羽二重団子。
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(夏目漱石「吾輩は猫である」)
「行きませう。上野にしますか。芋坂へ行って團子を食いましょうか。先生あすこの團子を食ったことがありますか。奥さん一辺行って食って御覧。柔らかくて安いです。」

(正岡子規「仰臥漫録」)
「芋坂團子を買来らしむ
あん付三本焼一本を食ふ 麦湯一杯」

(泉鏡花「松の葉」)
「團子が貰いたいね、餡のばかり
と、根岸の芋坂の團子屋の屋臺へ立った。」

ちょいと新しいけれど、流行なので
(司馬遼太郎「坂の上の雲」)
「この茶店は『藤の木茶屋』とよばれて江戸のころからの老舗なのである。団子を売る茶店で、その団子のきめのこまかさから羽二重団子とよばれて往還を通るひとびとから親しまれている。」

そして久保田万太郎は(「うしろかげ」)…
「芋坂の団子さげたる賀客かな」

われも食らう。うめえ。
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小竹さん、ご馳走様でした。

昨日の「〜のだ」の続き。
「〜のだ」を言うためには、舌を上顎にくっつけて、それから破裂して音を出すということを、「の」と「だ」と、2回する必要があるのですが、それが「〜んだ」でいいとなると、「ん」を言うために上顎にくっつけた舌を、そのまま離さずに「だ」と言ってしまえばいいわけで、つまり上顎に舌をくっつけて破裂させるのは一回だけでいい。かなり省エネですな。
で、この「んだ」の「ん」を言っている時の口の形ですが、もう「の」と発音しなくていいので、かなりだらしない緩んだ口元になっています。
さて、ちょっとみなさん、やってみていただきたいのですが、この「んだ」の「ん」を言う時、口元を緊張させてとんがらせる、つまり「の」を言う時の形にして、それで「ん」と言ってみて欲しいのです。そのあとは、「の」とは言わずに「だ」と言う。
その方法で次の台詞をしゃべってみてください。
「わたしはあなたが好きなですわ」
どうです? 小津安二郎の映画に出てくる女優さんみたいになりませんか?

きっと当時の映画台本には「〜なのです」って書いてあったんだろうな。それを一生懸命きちんと話そうとして、それで何となく舌ったらずでかえって色っぽい感じになったのかな。それとも、「〜なのだ」が「〜なんだ」に変わっていく過渡期の音の感じなのかなあ。

「そんなことを考えながら稽古をしていただ」
野郎の場合は、気持ち悪くて、ダメだな。
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tag: 和泉屋染物店  朗読  小竹伊津子 

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