2010年02月05日(金)23時22分
第5回 喜多見で沖縄語を話す会《うちなーぐち講座9》「~は」
この日撮影した画像は全て間違えて消去してしまいました。あーあ…
そのあたりの事情は五味さんのブログにて。
⇒http://m53.blog80.fc2.com/blog-entry…
今日も川岸さんがシークヮーサーを差し入れてくださいました。大きいのは夏子さんのお土産、沖縄のタンカンです。

(この画像は辛うじて残っていたお土産を後から撮影し直しました。)
さて、前回(第4回)の復習です。
くれー、うちなーぬタンカンやいびーん。
本日は、この「くれー(これは)」という言い方をもっと拡げて、「~は」全般のお勉強をしました。
日本語の助詞「は」は、沖縄では「や」です。日本語の「これ」は沖縄語では「くり」。とすると、「これは」は「くりや」となるはずです。確かにそれでも間違いではないのですが、しかしこの言い方は文語調なんですね。口語では使いません。普段の話し言葉では「くれー」となるのです。どういうことかというと、主語「くり」に助詞「や」がついた時、主語の語尾が変化するということなのです。
また「あそこ」を沖縄語で言うと「あま」です。「あそこは」を文語的に言えば「あまや」ですが、口語だと「あまー」となるのです。
「これは」→「くり」+「や」→「くれー」
「あそこは」→「あま」+「や」→「あまー」
こうした語尾変化には規則があります。
1:まず、主語となる単語の最後の音が「ア段」の単音で、それに助詞「や」が付く場合は、最後の音がただ延びて長音になるだけ。「あまや」が「あまー」となるのがこれですね。「花は」は沖縄の文語的言い方では「花や」ですが、口語では「花ー(はなー)」となります。
「花ー、ちゅらさん」(花はきれい)
2:次に「イ段」の単音の場合は、「エ段」に変化して長音になります。「くりや」が「くれー」となるのがこれにあたります。「それ」は沖縄語で「うり」、「それは」は「うりや」で「うれー」となる。「あれ」は「あり」で「あれは」は「ありや」で「あれー」、みんなこのパターンですね。
3:「ウ段」の単音は「オ段」の長音に変化します。例えば……、と言葉を捜し始めてちょっと困りました。日本語に「ウ段」で終る名詞って以外に少ないんですねえ。何故だろうと考え出すと、けっこうおもしろそうなのですが、今日のところはやめておきましょう。沖縄語には「ウ段」で終る名詞がたくさんあるんですけどね。なぜなら日本語の「お」がウチナーグチでは「う」になる場合が多いから。例えば「箱(はこ)」はウチナーグチで「はく」です。だから「箱(はく)は」は「はこー」になる。でも、初心者には混乱してしまいそうな例ですよね。「福(ふく)」は沖縄語でも「ふく」、よし、これでいこう。「福は」は「ふこー」、あれ「福」は「不幸」? だめだ、別の意味で分かりにくい。
⇒沖縄のいわゆる三母音について(上舌化のこと)
4:「エ段」の単音と5:「オ段」の単音は、「ア段」と同じようにただ延ばすだけです。でもいい例がありません。なぜなら、ウチナーグチには「エ段」「オ段」の単音が殆どないのです。じゃあ、無用の規則なのかというと、そうでもなさそう。沖縄にとっての外来語である日本語の単語を、どう沖縄語に取り込むかを考える時、重要な規則になりそうです。このことはいずれまた。
6:主語の語尾が「ン」の場合は全て「のー」になります。「天は」は「てのー」。但し、唯一例外があります。「私」は沖縄語で「我ん(わん)」です。ですから「私は」を規則に当てはめれば「わのー」となるはずですが、この場合のみ「我(わ)んねー」というのです。
7:最後に語尾が長音の場合は語尾変化は起きません。つまり、この時は助詞「や」をそのまま付けるのです。「シークヮーサーは」は「シークヮーサーや」です。「ゴーヤーは」は「ゴーヤーや」です。
あれ、じゃあ「ゴーヤー」を「ゴーヤ」という八重山ではどうなるんだろう。むちかさん。
⇒八重山では「ゴーヤ」という
さて、この助詞「や」に関する主語の語尾変化について、もう少し体系的に突っ込んだ説明をしたいのですが、そのためには、まず音韻講座を進めておいた方がよさそうです。そのあとで、またここに戻ってこようと思っています。
楽しいお勉強の時間が終って、國吉先生と富久さんと五味さんと、ふくやで一杯やりました。

(この写真は五味さんから拝借しました。)
その後、國吉先生と富久さんは終電に急いでお乗りになりましたが、五味さん、もう電車ないよ。じゃあもう一軒だ。というわけでLa_Portへ。何故かベロベロに酔ってお店に入ってこられた狛江市の飲食店組合の偉い方(らしい)を交えての記念撮影。

(この写真はデータを全部消してしまった直後に、気を取り直して撮影したものです。)
そしてこの日、五味さんは歩いて20分の本部事務所に宿泊されたのでした。
※この日の五味さんのブログをスクショしました。貴重な記録なのでm(__)m
(2019/3/13)
そのあたりの事情は五味さんのブログにて。
⇒http://m53.blog80.fc2.com/blog-entry…
今日も川岸さんがシークヮーサーを差し入れてくださいました。大きいのは夏子さんのお土産、沖縄のタンカンです。
(この画像は辛うじて残っていたお土産を後から撮影し直しました。)
さて、前回(第4回)の復習です。
くれー、うちなーぬタンカンやいびーん。
本日は、この「くれー(これは)」という言い方をもっと拡げて、「~は」全般のお勉強をしました。
日本語の助詞「は」は、沖縄では「や」です。日本語の「これ」は沖縄語では「くり」。とすると、「これは」は「くりや」となるはずです。確かにそれでも間違いではないのですが、しかしこの言い方は文語調なんですね。口語では使いません。普段の話し言葉では「くれー」となるのです。どういうことかというと、主語「くり」に助詞「や」がついた時、主語の語尾が変化するということなのです。
また「あそこ」を沖縄語で言うと「あま」です。「あそこは」を文語的に言えば「あまや」ですが、口語だと「あまー」となるのです。
「これは」→「くり」+「や」→「くれー」
「あそこは」→「あま」+「や」→「あまー」
こうした語尾変化には規則があります。
1:まず、主語となる単語の最後の音が「ア段」の単音で、それに助詞「や」が付く場合は、最後の音がただ延びて長音になるだけ。「あまや」が「あまー」となるのがこれですね。「花は」は沖縄の文語的言い方では「花や」ですが、口語では「花ー(はなー)」となります。
「花ー、ちゅらさん」(花はきれい)
2:次に「イ段」の単音の場合は、「エ段」に変化して長音になります。「くりや」が「くれー」となるのがこれにあたります。「それ」は沖縄語で「うり」、「それは」は「うりや」で「うれー」となる。「あれ」は「あり」で「あれは」は「ありや」で「あれー」、みんなこのパターンですね。
3:「ウ段」の単音は「オ段」の長音に変化します。例えば……、と言葉を捜し始めてちょっと困りました。日本語に「ウ段」で終る名詞って以外に少ないんですねえ。何故だろうと考え出すと、けっこうおもしろそうなのですが、今日のところはやめておきましょう。沖縄語には「ウ段」で終る名詞がたくさんあるんですけどね。なぜなら日本語の「お」がウチナーグチでは「う」になる場合が多いから。例えば「箱(はこ)」はウチナーグチで「はく」です。だから「箱(はく)は」は「はこー」になる。でも、初心者には混乱してしまいそうな例ですよね。「福(ふく)」は沖縄語でも「ふく」、よし、これでいこう。「福は」は「ふこー」、あれ「福」は「不幸」? だめだ、別の意味で分かりにくい。
⇒沖縄のいわゆる三母音について(上舌化のこと)
4:「エ段」の単音と5:「オ段」の単音は、「ア段」と同じようにただ延ばすだけです。でもいい例がありません。なぜなら、ウチナーグチには「エ段」「オ段」の単音が殆どないのです。じゃあ、無用の規則なのかというと、そうでもなさそう。沖縄にとっての外来語である日本語の単語を、どう沖縄語に取り込むかを考える時、重要な規則になりそうです。このことはいずれまた。
6:主語の語尾が「ン」の場合は全て「のー」になります。「天は」は「てのー」。但し、唯一例外があります。「私」は沖縄語で「我ん(わん)」です。ですから「私は」を規則に当てはめれば「わのー」となるはずですが、この場合のみ「我(わ)んねー」というのです。
7:最後に語尾が長音の場合は語尾変化は起きません。つまり、この時は助詞「や」をそのまま付けるのです。「シークヮーサーは」は「シークヮーサーや」です。「ゴーヤーは」は「ゴーヤーや」です。
あれ、じゃあ「ゴーヤー」を「ゴーヤ」という八重山ではどうなるんだろう。むちかさん。
⇒八重山では「ゴーヤ」という
さて、この助詞「や」に関する主語の語尾変化について、もう少し体系的に突っ込んだ説明をしたいのですが、そのためには、まず音韻講座を進めておいた方がよさそうです。そのあとで、またここに戻ってこようと思っています。
楽しいお勉強の時間が終って、國吉先生と富久さんと五味さんと、ふくやで一杯やりました。

(この写真は五味さんから拝借しました。)
その後、國吉先生と富久さんは終電に急いでお乗りになりましたが、五味さん、もう電車ないよ。じゃあもう一軒だ。というわけでLa_Portへ。何故かベロベロに酔ってお店に入ってこられた狛江市の飲食店組合の偉い方(らしい)を交えての記念撮影。
(この写真はデータを全部消してしまった直後に、気を取り直して撮影したものです。)
そしてこの日、五味さんは歩いて20分の本部事務所に宿泊されたのでした。
※この日の五味さんのブログをスクショしました。貴重な記録なのでm(__)m
(2019/3/13)


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Comment
>あれ、じゃあ「ゴーヤー」を「ゴーヤ」という八重山ではどうなるんだろう
これの答えがすごく気になります。
今学んでいる・学ぼうとしているのは沖縄口ですが違う違うと言われる他の琉球諸言語と比較した物を見てみたいです。