2010年07月10日(土)21時54分
藤木勇人の「南島妄想見聞録」【打ち上げその1】
ぼちぼち時間だ。今から出れば余裕、開場前には劇場に着くだろう。
喜多見で電車を待っていたが、いっこうに電車が来ない。しばらくして止まっているというアナウンス。運転開始のメドも立っていないという。なんでもっと早く知らせないんだ。事務所まで走って戻って、車で中野まで行くことにした。
車をコインパーキングに止め、10分ほど歩いて住宅街の中にある劇場へ。20分の遅刻。
藤木勇人の「南島妄想見聞録Vol.22」

NHKの朝の連続小説なんて、真剣に見たことなどない。でも、毎朝カミサンは時計替わりにテレビをつけていたから、あの「ちゅらさん」で民宿のオヤジ役をやっていた沖縄のタレント「藤木勇人」という名前には聞き覚えがあった。その名前をはっきり認識したのは、儀間進さんに、ウチナーグチのコラムを読むために、どなたから指導を受けたらよいかをご相談していた時だった。
⇒http://lince.jp/hito/okinawamap/zatudan…
でも、その時書いた記事には、「藤木勇人」の名前は書かなかった。つまり、ウチナーグチの指導者として、藤木勇人さんは儀間進先生のお眼鏡に適ってはいなかったのである。
後になって、「ちゅらさん」の「方言指導」を藤木勇人氏が担当していたということを知った。あの番組で使われる「方言」は、決してウチナーグチではなく、ほとんどがいわゆるウチナーヤマトグチであったが、聞くとはなしに耳に入ってくる堺正章や田中好子の台詞に、僕でさえ違和感を覚えた。カミサンの実家でも、みんな変だと言っていたし、あれは「ちゅらさん語」だと眉をしかめるウチナーンチュも多いと聞いた。
藤木勇人は沖縄では知名度が高いから、彼の発信する間違った情報が、ウチナーグチを乱しているというような話も、しばしば聞いたことがあった。
それについて、僕に判断する能力があろうはずも無い。だから、僕は基本的に意見なしであった。しかし、3月14日の沖縄かりゆし寄席の記事を読み返してみると、沖縄の、どちらかといえばお年を召した方々の「正しく厳格な見解」に、僕は多分に影響されていたようである。
確かに、3月14日のかりゆし寄席の時の藤木勇人氏は、他の芸人たちの中に埋没した感じで存在感が薄かった。しかし今日、あらためてじっくり落ち着いて「藤木勇人」を体験して、彼の芸は、あの刺激の強いドタバタ芸と並べて観るものではないと実感したのである。
今日の藤木勇人は実におもしろかった。かりゆし寄席の若手の芸がつまらなかったというのではない。それはそれで大いに笑ったのだが、今となって何がどうおもしろかったのかと聞かれると、もはや大方が忘却の彼方なのである。しかし今日の藤木勇人の舞台は、きっと僕の記憶にずっと残るに違いない、そう思っている。

(かりゆし寄席では漫才を披露していたシーサー玉城さんがお手伝いをしていた。宇夫方女史に右側の桟に隠れた青い服の女性。)
打ち上げに誘われた。いつもなら辞退するのだが、今日の舞台が気に入ったので、車で来ていて飲めないにもかかわらず、ずうずうしくお邪魔することにした。打ち上げの場所の案内の紙を頂いて、トボトボと歩き出す。
その途中にあった沖縄居酒屋“にぬふぁ星”。打ち上げ会場は駅のそばの大手居酒屋チェーン店で、残念ながらここではない。

大城洋子さんがそのお店のご亭主と挨拶を交わしていた。どうやらお知り合いらしい。と、宇夫方路が「このお店知ってる」と言い出した。宮城文子さんに連れられて来たことがあるという。ここのご亭主と文子さんはお友達。なんという狭いネットワークなのだろう。この大東京には、「沖縄人」の、小さくて、そして極めて強固なコミュニティーが存在しているのだ。

宇夫方路は、今やその輪の中にすっかり溶け込んでいるように見える。が、きっと、それは上辺だけのことなのだろう。宇夫方女史も、まだまだ「沖縄のお客様」に過ぎないのだ。
打ち上げの店に到着。
このふたりも一緒に行った。

筋金入りの重度沖縄病患者の川岸さん(左)とお友達の岡田由記子さん。岡田さんは女優さん。鳥獣戯画出身。今は退団して一人芝居をやっている。
(※川岸さんは今までもM.A.P.after5にちょこちょこ登場しています。喜多見で沖縄語を話す会の仲間です。)
みんなぐるっと一通り自己紹介をした。川岸さんは「私の沖縄病は一生完治の見込みはありません」とスピーチして受けていた。
お友達の岡田さんの番、「私は沖縄のこと、なーんにも知りません」!
そんな彼女は、シーサー玉城とすっかり意気投合した。沖縄を全く意識しないヤマトゥとベタベタのウチナーンチュとはとても気が合う、そういうパターンはよくある話。ウチナーンチュにとって一番厄介なのは、小生高山正樹のようなタイプである、って、ほっといてちょうだい……
さて、ここまでは軽いプロローグ。コアな話はこれからなのだが、あんまり長くなりそうなので、別途、次の記事にて。
⇒次の記事へ続く……
喜多見で電車を待っていたが、いっこうに電車が来ない。しばらくして止まっているというアナウンス。運転開始のメドも立っていないという。なんでもっと早く知らせないんだ。事務所まで走って戻って、車で中野まで行くことにした。
車をコインパーキングに止め、10分ほど歩いて住宅街の中にある劇場へ。20分の遅刻。
藤木勇人の「南島妄想見聞録Vol.22」

NHKの朝の連続小説なんて、真剣に見たことなどない。でも、毎朝カミサンは時計替わりにテレビをつけていたから、あの「ちゅらさん」で民宿のオヤジ役をやっていた沖縄のタレント「藤木勇人」という名前には聞き覚えがあった。その名前をはっきり認識したのは、儀間進さんに、ウチナーグチのコラムを読むために、どなたから指導を受けたらよいかをご相談していた時だった。
⇒http://lince.jp/hito/okinawamap/zatudan…
でも、その時書いた記事には、「藤木勇人」の名前は書かなかった。つまり、ウチナーグチの指導者として、藤木勇人さんは儀間進先生のお眼鏡に適ってはいなかったのである。
後になって、「ちゅらさん」の「方言指導」を藤木勇人氏が担当していたということを知った。あの番組で使われる「方言」は、決してウチナーグチではなく、ほとんどがいわゆるウチナーヤマトグチであったが、聞くとはなしに耳に入ってくる堺正章や田中好子の台詞に、僕でさえ違和感を覚えた。カミサンの実家でも、みんな変だと言っていたし、あれは「ちゅらさん語」だと眉をしかめるウチナーンチュも多いと聞いた。
藤木勇人は沖縄では知名度が高いから、彼の発信する間違った情報が、ウチナーグチを乱しているというような話も、しばしば聞いたことがあった。
それについて、僕に判断する能力があろうはずも無い。だから、僕は基本的に意見なしであった。しかし、3月14日の沖縄かりゆし寄席の記事を読み返してみると、沖縄の、どちらかといえばお年を召した方々の「正しく厳格な見解」に、僕は多分に影響されていたようである。
確かに、3月14日のかりゆし寄席の時の藤木勇人氏は、他の芸人たちの中に埋没した感じで存在感が薄かった。しかし今日、あらためてじっくり落ち着いて「藤木勇人」を体験して、彼の芸は、あの刺激の強いドタバタ芸と並べて観るものではないと実感したのである。
今日の藤木勇人は実におもしろかった。かりゆし寄席の若手の芸がつまらなかったというのではない。それはそれで大いに笑ったのだが、今となって何がどうおもしろかったのかと聞かれると、もはや大方が忘却の彼方なのである。しかし今日の藤木勇人の舞台は、きっと僕の記憶にずっと残るに違いない、そう思っている。
(かりゆし寄席では漫才を披露していたシーサー玉城さんがお手伝いをしていた。宇夫方女史に右側の桟に隠れた青い服の女性。)
打ち上げに誘われた。いつもなら辞退するのだが、今日の舞台が気に入ったので、車で来ていて飲めないにもかかわらず、ずうずうしくお邪魔することにした。打ち上げの場所の案内の紙を頂いて、トボトボと歩き出す。
その途中にあった沖縄居酒屋“にぬふぁ星”。打ち上げ会場は駅のそばの大手居酒屋チェーン店で、残念ながらここではない。
大城洋子さんがそのお店のご亭主と挨拶を交わしていた。どうやらお知り合いらしい。と、宇夫方路が「このお店知ってる」と言い出した。宮城文子さんに連れられて来たことがあるという。ここのご亭主と文子さんはお友達。なんという狭いネットワークなのだろう。この大東京には、「沖縄人」の、小さくて、そして極めて強固なコミュニティーが存在しているのだ。
宇夫方路は、今やその輪の中にすっかり溶け込んでいるように見える。が、きっと、それは上辺だけのことなのだろう。宇夫方女史も、まだまだ「沖縄のお客様」に過ぎないのだ。
打ち上げの店に到着。
このふたりも一緒に行った。
筋金入りの重度沖縄病患者の川岸さん(左)とお友達の岡田由記子さん。岡田さんは女優さん。鳥獣戯画出身。今は退団して一人芝居をやっている。
(※川岸さんは今までもM.A.P.after5にちょこちょこ登場しています。喜多見で沖縄語を話す会の仲間です。)
みんなぐるっと一通り自己紹介をした。川岸さんは「私の沖縄病は一生完治の見込みはありません」とスピーチして受けていた。
お友達の岡田さんの番、「私は沖縄のこと、なーんにも知りません」!
そんな彼女は、シーサー玉城とすっかり意気投合した。沖縄を全く意識しないヤマトゥとベタベタのウチナーンチュとはとても気が合う、そういうパターンはよくある話。ウチナーンチュにとって一番厄介なのは、小生高山正樹のようなタイプである、って、ほっといてちょうだい……
さて、ここまでは軽いプロローグ。コアな話はこれからなのだが、あんまり長くなりそうなので、別途、次の記事にて。
⇒次の記事へ続く……
【おまけ】
もちろん公演スタッフのみなさんも参加していらっしゃいました。その中に、キジムナーフェスタのチラシを持っている女性が。宇夫方路が自己紹介でキジムナーフェスタのことを言うと、「えー!」と大盛り上がり。実は彼女、キジムナーフェスタでも中心的なスタッフなのでした。今さんという美しい方。
コリンザでの再会が楽しみです。今さんの美しきご尊顔は、その時までお預けということで。
もちろん公演スタッフのみなさんも参加していらっしゃいました。その中に、キジムナーフェスタのチラシを持っている女性が。宇夫方路が自己紹介でキジムナーフェスタのことを言うと、「えー!」と大盛り上がり。実は彼女、キジムナーフェスタでも中心的なスタッフなのでした。今さんという美しい方。
コリンザでの再会が楽しみです。今さんの美しきご尊顔は、その時までお預けということで。
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高山正樹は、那覇に宇夫方路を迎えに行きます。
崇元寺石門の近く。
正しくは、旧崇元寺第一門。そういえば、M.A.P.after5には沖縄の定番観光地があんまり出てこない。たまにはいいかともう一枚、ガイドブッ...