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危機一髪!アメリカ海兵隊から逃げる

《7月17日-6》
トミヒサさんに案内されて、アメリカ海兵隊の基地のゲートまで行ってみることにしました。アメリカの海兵隊は陸軍にも海軍にも属さず独立性を保ち、ひたすら洗脳的に殺人訓練をしているという話は、最近日本のメディアでもよく紹介されていることです。その海兵隊がここ高江近くのヤンバルの森で、高江の住民を敵だと想定して(と、トミヒサさんは言います)ゲリラ戦の訓練をしている。その訓練を管理する基地。一人で近づいた人が、その後行方不明になったとか、そんなまことしやかな噂話があったりするところ。カメラを向けると、米兵が鉄砲を構えてやってくるらしい。

まさかね。ちょっと車の中から撮ってみようか。なるべく離れたところで、すぐ逃げられるように。
「やめときなよ」
「だいじょうぶだよ」
カシャ!(次の画像は、削除することになるかもしれない画像)
アメリカ海兵隊の基地のゲート
すると、途端にガードがいると思われる建物から、米兵らしきひとりの男が出てきて、拳銃を背負ってこちらに向かってくるではありませんか。
「やばい!逃げろ!」
逃げなかったらどうなったのか、定かではありません。でもなかなかスリルのある体験でありました。

高江のルポはこれで終了です。
トミヒサさんに別れを告げて、いよいよ頭をキジムナーフェスタに切り替えなければいけません。

でも僕の頭は、なんだか痺れているようです。高江を離れても、道の両側にはしばらくヤンバルの森と沖縄の海が拡がっています。
すると、ダムが目に入ってきました。車を停めてカメラに収めることにしました。
ヤンバルのダム
道の反対側には綺麗な海が見えます。
ダムから海に水を流すためらしい水路

また【Voice of TAKAE 〜沖縄県東村高江で起きていること〜】(pdf)から引用させてください。
北部訓練場には、5つのダムが点在し、沖縄本島生活用水の60%を賄う貴重な水源地です。2007年には、そのダムに投棄された弾薬類が1万発以上発見されました。更に、ベトナム戦争時、北部訓練場において、米軍が枯葉剤を散布していたことも明らかになりました。

トミヒサさんなどが話すことを聞いていると、ヤンバルは枯葉剤で汚染されている可能性が高いみたいな印象を持たされてしまいます。でも、トミヒサさんは決してそんなことは言っていませんでした。ただ可能性があると言っただけ。でもそんな印象を受け取ってしまったのは何故なのでしょう。聞く側の僕に「そう思いたい」というような、とても危険な因子があるのかもしれません。ありがちなハナシです。

要は、まず知るべきことは地質検査の数値など客観的な事実であり、それに対する様々な立場からの見解を中立的に並列した資料のような情報なのです。私たちは常に偏った側のデータや発言だけで予断しないことを肝に銘じなければいけないし、発信する側も、受け手に予断させてしまうような表現や、考え方を誘導するようなデータだけを提出するようなやり方は避けなければならないと思っています。例えば1%の可能性なのに「可能性がある」と言っては、嘘ではないが適切だとは思えません。伝えるべきは、そして聞きたいのは、何%なのかという数値です。

一方、悪しき相対主義にも陥りたくはないし、権力を補足するような発言もしたくはない、そう強く思ってもいる。

ガードレールから真っ青な海へ落ち込んでいく水路を覗き込んでいたら、ああ、眩暈がしてきたのでした。
【追伸】
1ヶ月後、8月18日に冨久亮輔さんから届いた画像から。
「怒ってるんだぞ」というポーズで撮った写真。
「太ってるんだぞ」というポーズの高山正樹と宇夫方路
でも「太ってるんだぞ」という写真になってしまいました。

ヤンバルのウリ坊?
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「小生が寄宿していた家の裏庭へ子猪がちょろちょろ、餌付けに成功」という冨久さんのコメント付き。いいの、餌付けなんかしちゃって。ヤンバルの森はアンタッチャブルじゃないの?

「那覇の国際通り裏の今は使われていない登り窯」だそうです。
登り窯
よかった。冨久さんが高江から直帰じゃなくて。
「県外」(「本土」でもなく「大和」でもなく「内地」でもなく)から沖縄を訪れる「運動家」の多くは、那覇空港から現地へ直行、そして直帰という人たちがよくいます。僕は、それは違うと思っているのです。
でも、冨久さん、残念ながら山猫合奏団の沖縄公演に来てくださることはありませんでした。見に来てくれれば、高江では見えない沖縄が、そこにあったかもしれないのになあ。
(11月9日記:高山正樹)
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