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ちちんぷいぷい

《4月2日(土)-2》
東日本大震災から22日目の昼下がり……
呟いていただけなのに腹が減った。

午後4時。だいぶ遅くなったが、昼飯を求めて事務所を出た。だが、何が食べたいのか、よく分からない。
3月14日には閉店していた喜多見駅前のサミットも、だいぶ前から営業を再開している。
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海が汚染されているらしいから、今のうちかもと、寿司など食ってみることにした。
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半額のやつ。安いからじゃなくて、なるべく古いものを選んだのだ。その方が、放射能の影響を受けていないような気がして。こういう選択って、我ながらどうかしていると思う。単なる「おまじない」だな。

PCに「おまじない」と打って変換したら「お呪い」と出た。そうだよな、「呪術」だもんね。しかし「呪い(のろい)」と同じ字なんだとあらためて思ったら、なんだか不思議な感じがしてきた。

「ちちんぷいぷい、いたいのいたいの、とんでいけー。ほら、これでもう大丈夫」

しかし、放射能は「直ち」の痛みがないから厄介だ。
ちちんぷいぷい、もしかすると、呪われていたのかもしれない。「ゼロリスク幻想」という母性愛の呪縛。

「こんな時に寿司ですか」
「大丈夫に決まっているだろう」

単純な男は、自分が乳離れした大人であることを鼓舞するために、「直ちに健康に影響の出ない」海産物などを敢えて食べて見せて、心配性の母親を宥めてみたりするのである。

M.A.P.の影のボス(母?)である宇夫方女史は、「直ち」以外のことに対してはいたって無頓着で、「風評被害」などとは一切関係無し、放射能交じりの雨も福島産の野菜もまったく恐れない「正しき人」である。この日は自分の琉球舞踊の稽古があって、昼間は事務所にいなかった。
※宇夫方女史自身の琉球舞踊の稽古については、ブログに殆ど書かない。琉球舞踊専用ブログも同様。面倒くさいという理由だけ。

タイムキーパー不在、というわけで、5時半、おっともうこんな時間だ、と、僕はあせって「直ちに」事務所を出た。
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