3.11直後の放射性ヨウ素のこと

「友人の知り合いで、放射能なんか大丈夫と豪語し、東京でまったく被曝を気にせず暮らしてきた40代の男性会社社長が、甲状腺がんになり、リンパ節にまで転移してるのが見つかったという話を聞いた」

以上のような文言から始まる「友達」の●●さん投稿が、FBのタイムラインに流れてきた。
甲状腺がんに限っていえば、その原因が原発事故にあるにしても、それは事故直後大量に飛散したであろう放射性ヨウ素に起因するとされる。放射性ヨウ素は半減期が短く、事故から3年以上たった今、東京にはもう原発由来のヨウ素は殆ど存在していないだろう。
福島はどうなのだろう。もし今ヨウ素が見つかれば、それは今もあの爆発事故に匹敵する事態が起きているという事であって、そうならば危機的事態である。しかし、福島原発はまだまだ安心できる状況ではないにしても、3.11直後とは全く違う。事故から3年経って表面化しはじめた甲状腺がんだが、それは東京であろうが福島であろうが、今現在の放射線による汚染とは無関係である。にもかかわらず、甲状腺がんが福島で増えているという情報を、今の福島が危ないということに非科学的、無意識的に結びつけて認識されている方も多いようで、それがずっと気になっていた。

それがあって、僕は●●さんの投稿に、次のようなコメントを付けたのである。

全く異論はないのですが…
ただ、甲状腺ガンはヨウ素が要因、とすれば、甲状腺ガンに限っていえば「放射能なんか大丈夫と豪語し、東京でまったく食生活など気にせず暮らしてきた」こととは因果関係がないと僕は認識しているのですが間違っていますでしょうか。


甲状腺ガンとヨウ素のこの関係を、●●さんはよく理解されている。そのことは、●●さんの投稿の続きを熟読すればよくわかる。例えば次のようにも述べられている。
「…2011年3月15日と21日に東京に来た放射性プルームと放射能雨で内部被曝したからだろうと思わずにいられない」
「15日のプルームは、鎌倉の・・博士の計測では、鎌倉に午前10時頃に到達したそうだ」
加えて以下のURLも貼られている。
http://inventsolitude.sblo.jp/article/83254026.html

僕は再度コメントさせて頂いた。
●●さんの投稿をすっと読み飛ばすと、今の食生活と甲状腺ガンに関係があるかのように読めてしまいそうで少し気になりました。

赤字が、僕が申し上げたかった箇所である。でも●●さんは、緑字の部分が僕の指摘と思われたらしい。ご自分の投稿の冒頭部分を次のように訂正編集してくださった。

「友人の知り合いで、放射能なんか大丈夫と豪語し、東京でまったく被曝を気にせず暮らしてきた40代の男性会社社長が、甲状腺がんになり、リンパ節にまで転移してるのが見つかったという話を聞いた」

この修正理由も次のようにきちんと明記されている。
「※文中『東京でまったく被曝を気にせず』という箇所は、もともと『食生活など気にせず』としていたのを、食生活が原因で甲状腺がんが起きるように誤解されうるという指摘を受けて、修正したものです。」

●●さんに落ち度はない。ただ僕としては次のように訂正していただきたかったのである。

3.11の直後、友人の知り合いで、放射能なんか大丈夫と豪語し、東京でまったく食生活など気にせず暮らしていた40代の男性会社社長が、甲状腺がんになり、リンパ節にまで転移してるのが見つかったという話を聞いた」

再度申し上げるが、●●さんには全く落ち度はない。真意をきちんと伝えられなかった僕が問題なのである。結果、●●さんに無用な手間をお掛けすることになったこと、心からお詫び申し上げたいと思う。

といいながら僕は、●●さんのTLにも関わらず、最後にまた長文のコメントを付する失礼を重ねた。

2011年3月23日、僕はこんなツイートをしました。
「京都に住む娘はTwitterばかり見ているという。神奈川のガソリンスタンドでバイトする息子は、考えることに疲れた、もうどうでもいいと言っている。これから20年考え続けていかなければならないんだぞ。子供たちよ。上がりすぎたテンションは下げろ。途切れそうな気持ちは繋げ。」
当時息子は、雨降る日も、合羽を着てバイクでバイトに向かっていました。
4月7日にはこう呟きました。
「10日ほど前、息子に謝った。「ごめんな、こんな国をお前たちに背負わせてしまって」と。息子は「なんでそんなこと、言うんだよ」と答えた。もうお前には言わないさ。でも心の中で、全ての子供たちに向けて、父は首を垂れているのだ。」
それから4か月、8月21日の二つの呟きです。
「親が子供を思う心なんて、そんなナイーブな話じゃない。様々な情報を自分なりに調べ、分析すればするほど、事態は切迫している。3月末に開いた家族会議を再び開こうか。そして西へ、南へ、の方策を本気で練ろうかと思うのだが、しかし……。僕には家族すら動かす力がないのだ。」
「雨に濡れバイクでバイトに向かう息子とすれ違う。内定を貰った息子に移住を勧めても、将来の生活と、彼女と、友達のために彼は拒否するだろう。わかった。何年か後、お前が結婚を考え、子供を作りたいと思った時、また相談しよう。だがそれまで、息子ともども移住できる力を持ち続けていられるかどうか。」
今も当時のことを思い出すと、胸が締め付けられます。
ましてや福島の人たちは…
以下、原発対話の会で「福島原発事故と甲状腺がん」という映画を試写するにあたって小生がコメントしたものの一部です。
「(この映画は)何万人に何人ということをどう考えるかという、悶々とした僕の、いわば文系の疑問に答えてくれてもいます。
個人のレベルでは過度に恐れる必要はない。しかしたとえ何万人に何人であろうが、子供たちに影響が出るという社会的な問題が、その確率の「低さ」によって無視されていいものでは決してない。この当たり前のようなことが、福島に帰ることについての是非で罵り合うような現状を見る限り、忘れ去られているのではないか、冷静に語り合うべきであるということを、改めて気づかせてくれる報告です。」


果たしてこれで真意が伝えられたのかどうか、勝手な演説をお許しくださった●●さんに、深く感謝している。
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