2014年04月29日(火)05時30分
リーディング「戯曲 カクテル・パーティー」
嘘から出た真実(まこと)…
2014年4月1日に発足!
ユニット8% お披露目興行
大城立裕・作「戯曲 カクテル・パーティー」
芥川賞受賞から半世紀近く、小説「カクテル・パーティー」を、作者大城立裕自らが劇化した。あらためて日本の加害性を見つめることにより、「絶対倫理」を世界に投げかける。
【出演】
金城功、隈本吉成、神野美奈実、大佳央、高口真吾、高山正樹、中島由紀、永野和宏、矢嶋美紗希(五十音順)
【琉球舞踊】
宇夫方路
【交通整理】
高山正樹
こんなメンバーでお送りします。

※皆様のご紹介は追って後日…
上演日時:5月30日(金)19:00~
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
※作者の大城立裕さんより、お言葉を頂戴しました。
「カクテル・パーティー」の朗読に
アメリカでは、原爆への反省を叫ぶと、真珠湾の恨みを持ち出すようである。それに反省を求めるために、私は「カクテル・パーティー」を劇化してハワイで公演した(もちろん英訳で)。そのテーマを私は「絶対倫理」とよびたい。世界に普及すべき思想かと思う。今日の日本では、中国や韓国との関係で、また沖縄をめぐって、あらためて認識すべきことだろう。朗読劇の成功を期待したい。
【これまでの経緯… 高山正樹が書きました】
消費税が8%になった日、それぞれの場所で活動中の俳優3~4人が集まって、それぞれ8%くらいの力で楽しい舞台を作ろうと、ユニット8%という「遊び場」を作ることにしました。
当初は軽いものを、軽快に読んでお聞かせしようと思ったのです。ところがどこでどうしてこうなったのか、どっぷり重い題材に望むことになりました。そしてさらに人を増やしました。
1967年、沖縄ではじめて芥川賞に輝いた小説「カクテル・パーティー」、それから数十年の時を経て、作者の大城立裕氏自身の手によって脚本化され「戯曲 カクテル・パーティー」が出来上がりました。
小説「カクテル・パーティー」は、M.A.P.が制作する“おきなわおーでぃおぶっく”の第一作作品で、大変に思い入れの深い小説です。
⇒“おきなわおーでぃおぶっく”のはじまりのこと

小説「カクテル・パーティー」について、“おきなわおーでぃおぶっく”のWebサイトに少し書いていますので、どうかまずはそちらをお読みください。
⇒“おきなわおーでぃおぶっく”のHPの「カクテル・パーティー」のページ
僕が始めて大城先生から「カクテル・パーティー」を戯曲にしたというお話を伺ったのは、2009年くらいではなかったかと記憶します。その時すでに東京の著名な役者さんに舞台化について打診されたとおっしゃられていたので、戯曲はさらにずいぶん前に一応完成していたのではないでしょうか。
(※僕は2010年2月のブログに、先生からお預かりしたこの台本について少し書いています。)
しかし、それが実際に舞台でやられたのは2011年、ハワイの沖縄県人会館、それも英訳されての上演でした。僕はその時「僕の力不足」と呟きました。
⇒2011年10月28日の呟き
なぜアメリカよりも先に、この日本での日本語による上演ができなかったのだろう、今の日本の演劇界は、興行的な成功にばかり重きを置いているのではないか…、売れない役者の遠吠えでした。
この度、8%の力でという気軽さが、この戯曲を取り上げるハードルを下げたようです。でも、この戯曲を読む重さと困難さが軽減したわけではありません。まず今回のところは、この戯曲をきちんと御紹介することに徹しようと思っています。ユニット8%は、その先の「戯曲 カクテル・パーティー」の本格的な舞台化を見据えています。よって今回は、ユニット8%のお披露目公演であり、「戯曲 カクテル・パーティー」のプレビュー公演とさせていただきたいと思います。
追伸。
高山正樹一人では決して取り上げる決断などできなかったであろうこの本を、強力に推してくれた金城功君はじめ、この作品を今取り上げることに意義を感じ参加してくださった共演者の皆さんに、心から感謝しています。
2014年4月1日に発足!
ユニット8% お披露目興行
大城立裕・作「戯曲 カクテル・パーティー」
芥川賞受賞から半世紀近く、小説「カクテル・パーティー」を、作者大城立裕自らが劇化した。あらためて日本の加害性を見つめることにより、「絶対倫理」を世界に投げかける。
【出演】
金城功、隈本吉成、神野美奈実、大佳央、高口真吾、高山正樹、中島由紀、永野和宏、矢嶋美紗希(五十音順)
【琉球舞踊】
宇夫方路
【交通整理】
高山正樹
こんなメンバーでお送りします。

※皆様のご紹介は追って後日…
上演日時:5月30日(金)19:00~
⇒喜多見と狛江の小さな小さな映画祭+α オフィシャルサイト
※作者の大城立裕さんより、お言葉を頂戴しました。
「カクテル・パーティー」の朗読に
アメリカでは、原爆への反省を叫ぶと、真珠湾の恨みを持ち出すようである。それに反省を求めるために、私は「カクテル・パーティー」を劇化してハワイで公演した(もちろん英訳で)。そのテーマを私は「絶対倫理」とよびたい。世界に普及すべき思想かと思う。今日の日本では、中国や韓国との関係で、また沖縄をめぐって、あらためて認識すべきことだろう。朗読劇の成功を期待したい。
【これまでの経緯… 高山正樹が書きました】
消費税が8%になった日、それぞれの場所で活動中の俳優3~4人が集まって、それぞれ8%くらいの力で楽しい舞台を作ろうと、ユニット8%という「遊び場」を作ることにしました。
当初は軽いものを、軽快に読んでお聞かせしようと思ったのです。ところがどこでどうしてこうなったのか、どっぷり重い題材に望むことになりました。そしてさらに人を増やしました。
1967年、沖縄ではじめて芥川賞に輝いた小説「カクテル・パーティー」、それから数十年の時を経て、作者の大城立裕氏自身の手によって脚本化され「戯曲 カクテル・パーティー」が出来上がりました。
小説「カクテル・パーティー」は、M.A.P.が制作する“おきなわおーでぃおぶっく”の第一作作品で、大変に思い入れの深い小説です。
⇒“おきなわおーでぃおぶっく”のはじまりのこと

小説「カクテル・パーティー」について、“おきなわおーでぃおぶっく”のWebサイトに少し書いていますので、どうかまずはそちらをお読みください。
⇒“おきなわおーでぃおぶっく”のHPの「カクテル・パーティー」のページ
僕が始めて大城先生から「カクテル・パーティー」を戯曲にしたというお話を伺ったのは、2009年くらいではなかったかと記憶します。その時すでに東京の著名な役者さんに舞台化について打診されたとおっしゃられていたので、戯曲はさらにずいぶん前に一応完成していたのではないでしょうか。
(※僕は2010年2月のブログに、先生からお預かりしたこの台本について少し書いています。)
しかし、それが実際に舞台でやられたのは2011年、ハワイの沖縄県人会館、それも英訳されての上演でした。僕はその時「僕の力不足」と呟きました。
⇒2011年10月28日の呟き
なぜアメリカよりも先に、この日本での日本語による上演ができなかったのだろう、今の日本の演劇界は、興行的な成功にばかり重きを置いているのではないか…、売れない役者の遠吠えでした。
この度、8%の力でという気軽さが、この戯曲を取り上げるハードルを下げたようです。でも、この戯曲を読む重さと困難さが軽減したわけではありません。まず今回のところは、この戯曲をきちんと御紹介することに徹しようと思っています。ユニット8%は、その先の「戯曲 カクテル・パーティー」の本格的な舞台化を見据えています。よって今回は、ユニット8%のお披露目公演であり、「戯曲 カクテル・パーティー」のプレビュー公演とさせていただきたいと思います。
追伸。
高山正樹一人では決して取り上げる決断などできなかったであろうこの本を、強力に推してくれた金城功君はじめ、この作品を今取り上げることに意義を感じ参加してくださった共演者の皆さんに、心から感謝しています。
【今、個人を超えて考えるべきこと 高山正樹】
戯曲カクテル・パーティーには、小説の事件から24年後の出来事が、プロローグとエピローグという形で付け加わっています。隣に住んでいた仲良しの米兵に強姦された娘、小説では常に影絵のように遠景の中に漂っていて、読者がその実相に近づくことを拒んでいたかのような娘が、はっきりと輪郭を持った大人の女性として登場します。
小説「カクテル・パーティー」芥川賞受賞時の選評で、石川達三は「娘自身の態度が書いていない」と述べました。それについて、先にご紹介した“おきなわおーでぃおぶっく”のサイトに、僕の書いた文章があります。その一部をここに転載させてください。
本当に娘のことが書かれていないのだろうか。 「カクテル・パーティー」は、やがてやってくるであろう娘の苦しみを知らぬ「お前」を、もうひとつの目が見つめているところで終わるのだが、 そこに、全てに対して不寛容になることに決めた「お前」を、強烈に逆照射する健気な「娘」の姿を、読者は発見するのだ。全てを受け入れ、全てを許している無言の「娘」。 もしかすると、この「娘」こそ、「沖縄」の、もうひとつの、重要な実相なのではないだろうかと、僕はひどく懐かしく思うのである。
ならば、はたして「私」を「お前」と呼ぶものは、いったい何者なのであろうか。
それは大城立裕の《声》なのか、あるいは・・・
しかし、戯曲カクテル・パーティーは、この僕の甘ったれた「娘」に対する解釈をこそ拒んでいるようです。
24年後の娘は、「個人の問題と政治の問題を一緒に考えなければならないこともある」という父の言葉に同意するのです。
「お父さんに会って、私の何かが目覚めたのね、いままで眠っていた何かが」
日本人が勝手に沖縄に貼り付けた「優しさ」とか「癒しの島」とか、そんなレッテルに断固NOを突きつけるためにこの戯曲は書かれたとさえ僕には思えるのです。
「私」を「お前」と呼ぶ《声》について、後日、大城先生は僕にこう答えてくださいました。
「それは、神なのかな」
「神」だとか「絶対」だとかを持ち出すことは、時に大変危険です。しかし、世界中でそれぞれの「神」が声高に叫び始めた今こそ、私たちはそんな「神たち」に対峙し制御する「絶対倫理」を、模索しなければならないのかもしれない、そんなことを考えながら、この重い戯曲に立ち向かおうと、僕は今、思っています。
《5月30日のプログラム》
●10:00 「非行少年」
●13:00 「標的の村」+Milk Kyat
●16:00 「カメジロー・沖縄の青春」+Milk Kyat
●19:00 ユニット8% リーディング「カクテル・パーティー」
回数券(知人との共用も可)がお得です。(3回券3000円など)
※チケット購入はコリッチで…
⇒http://kitamitokomae-artfes.com/ticket.html
※お電話でも受け付けております。
03-3489-2246(M.A.P.)
戯曲カクテル・パーティーには、小説の事件から24年後の出来事が、プロローグとエピローグという形で付け加わっています。隣に住んでいた仲良しの米兵に強姦された娘、小説では常に影絵のように遠景の中に漂っていて、読者がその実相に近づくことを拒んでいたかのような娘が、はっきりと輪郭を持った大人の女性として登場します。
小説「カクテル・パーティー」芥川賞受賞時の選評で、石川達三は「娘自身の態度が書いていない」と述べました。それについて、先にご紹介した“おきなわおーでぃおぶっく”のサイトに、僕の書いた文章があります。その一部をここに転載させてください。
本当に娘のことが書かれていないのだろうか。 「カクテル・パーティー」は、やがてやってくるであろう娘の苦しみを知らぬ「お前」を、もうひとつの目が見つめているところで終わるのだが、 そこに、全てに対して不寛容になることに決めた「お前」を、強烈に逆照射する健気な「娘」の姿を、読者は発見するのだ。全てを受け入れ、全てを許している無言の「娘」。 もしかすると、この「娘」こそ、「沖縄」の、もうひとつの、重要な実相なのではないだろうかと、僕はひどく懐かしく思うのである。
ならば、はたして「私」を「お前」と呼ぶものは、いったい何者なのであろうか。
それは大城立裕の《声》なのか、あるいは・・・
しかし、戯曲カクテル・パーティーは、この僕の甘ったれた「娘」に対する解釈をこそ拒んでいるようです。
24年後の娘は、「個人の問題と政治の問題を一緒に考えなければならないこともある」という父の言葉に同意するのです。
「お父さんに会って、私の何かが目覚めたのね、いままで眠っていた何かが」
日本人が勝手に沖縄に貼り付けた「優しさ」とか「癒しの島」とか、そんなレッテルに断固NOを突きつけるためにこの戯曲は書かれたとさえ僕には思えるのです。
「私」を「お前」と呼ぶ《声》について、後日、大城先生は僕にこう答えてくださいました。
「それは、神なのかな」
「神」だとか「絶対」だとかを持ち出すことは、時に大変危険です。しかし、世界中でそれぞれの「神」が声高に叫び始めた今こそ、私たちはそんな「神たち」に対峙し制御する「絶対倫理」を、模索しなければならないのかもしれない、そんなことを考えながら、この重い戯曲に立ち向かおうと、僕は今、思っています。
《5月30日のプログラム》
●10:00 「非行少年」
●13:00 「標的の村」+Milk Kyat
●16:00 「カメジロー・沖縄の青春」+Milk Kyat
●19:00 ユニット8% リーディング「カクテル・パーティー」
回数券(知人との共用も可)がお得です。(3回券3000円など)
※チケット購入はコリッチで…
⇒http://kitamitokomae-artfes.com/ticket.html
※お電話でも受け付けております。
03-3489-2246(M.A.P.)
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tag: 大城立裕
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