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仏教と映画祭とふいご祝いとクリスマス


今日はクリスマスイブ? 知らん!なんてことは、泉龍寺の東堂さんは仰らない。
だから今日は旧暦の11月7日、沖縄ではふいご祝いの日だから、その話をしよう。
ウチナーグチではフーチェーとかフーチヌユエーとかいうらしい。
(お経の会でも、この話をすればよかったな…)

沖縄大百科事典の「フーチヌユーエー」の項には「鞴(ふいご)の祝い。鍛冶屋が一年中の安全息災を祈る行事」とある。全国的に分布している行事で、沖縄でも全域にあり、工具への感謝の祈願を行ったりと、地域によって祝い方は様々なようだが、城辺砂川のちょっと面白いお祭りが事典で紹介されてるので、それを転載してみる。

「鍛冶屋の製作した農具で殺生された地中の虫、草の霊が祟らないようにと、鍛冶屋の子孫と部落の代表が、鍛冶屋跡地で拝む。そのとき、豚の頭が供えられ、夜中に松明をともして村はずれのイビシ(拝所)までそれを捨てに行く。その行列の火を見ると祟られるといわれ、見た者はむこう3年間、11月8日にフーツキヨーカの祈願をしなければならない」

農業や漁業のお祭りは山ほどあるが、いわば工業のお祭りはこのふいご祝いだけ、かつては他のお祭りに較べてかなり重要な地位のお祭りだったらしい。鍛冶屋の仕事が神聖視されていた証なのかもしれない。
考えてみると、クガニゼーク(金細工)よりカンゼーク―(鍛冶屋)の方が庶民にはずっと馴染みのある言葉だったに違いないし、だからこそ明治になって、シバイシー(役者)が雑踊りの金細工に「カンゼーク―」という読み方を当ててしまった(というか、カンゼーク―という鍛冶屋の踊りに「金細工」という華やかな文字を当ててしまった)という混乱も、なんだか頷けるのである。

そういえば健次郎さんにずっと会っていない。「クガニゼーク」のことも、最後の詰めをしていない。
唐突だが、三上知恵監督の映画もやっていない。どちらもこのままテーゲーにしておいていいのだろうか。

無神論の僕にとって、どうやら今日は、なんでもない日なのだが、事務所では今日、子供たちを集めて琉球舞踊を踊らせて、そしてクリスマスをお祝いするのである。
なんともテーゲーである。

ほらね…
踊り収め?

クリスマス

節操のない一日。
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