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ちんどん屋さんの深い話


午前10時、事務所にて、スタンバイ完了。
ちんどん屋さんスタンバイ

10時25分、まさに喜多見の街へ出向かんとしたその時…
消防署

時系列が後先になりますが、この日の夜に呟いたツイート。
gajumui

昨日の東京新聞武蔵野版に映画祭の記事が載った。とたんに今朝、消防署から3人来た。あさって、事務所に再び消防署の人と、東京都の建設事務所の役人が来るという。好むと好まざるとに関わらず、ステージがひとつ上がってしまったということか。潰されてはかなわないが、俺はきっと悶々と悩むだろう。
05-26 18:33


(※建設事務所ではなく、正確には建築指導事務所。後から気づいたのだけれど、この時すでに消防署と建築指導事務所は横の連絡を取っていた。元来縦割り行政なのに何故?それは追々分かってくるのです。)

まあ、んなこたあ忘れて、今日はちんどん屋を楽しみましょう。
消防署が来て少し手間取ったけれど、10分遅れくらいで出陣できました。小生はビデオカメラを持って後を追います。
宇夫方女史は紅型来てチラシを配る係りです。
満面の笑み 記念撮影
喜多見駅前で記念撮影。

4人で収まった記念撮影の写真、でっかい太鼓を叩いている女性が村上友子さんです。龍前照明の現場で知り合いました。うちの会社で、地図調査員として働いてくれていたこともあります。でも、役者さんなのです。
その隣の小生を飛び越えて、嶋崎靖さんがチンドン屋 U-Stageのボスです。芝居も書きます。演出もします。役者さんでもあります。
そして隈本吉成さん。ザ・スーパー・カムパニイの役者さんで、映画祭では30日の「カクテル・パーティー」にもご出演いただきます。
映画祭影のボス、チラシ配りの宇夫方路さんも今は琉球舞踊の先生ですが、やっぱり役者さんです。
ビデオ係りの小生を含め、要するにみ~んな役者なのです。

ちなみに、チンドン屋さんのルーツは無声映画時代の楽士さんたちだったのだとか。
そういえば、宮沢賢治の「セロ弾きのゴーシュ」もこんな一節から始まります。
「ゴーシュは町の活動写真館でセロを弾く係でした。」
映画がトーキーになって、映画館専属の演奏家たちは職を失いました。そんな彼らがちんどん屋さんになったのです。なるほど、つまり、チンドン屋さんと映画って、深いつながりがあるんですねえ。

その後、今度はサーカスの楽団の人たちが沢山ちんどん屋業界に入ってきました。きっとサーカスの興行も厳しくなってきたんですね。あの「天然の美」という曲、ちんどん屋さんの定番のように思われていますが、あれは元々サーカスの定番の曲だったのです。

僕らが子どもの頃、昭和30年台のちんどん屋さんは、和服着てズラを被っていました。ちんどん屋さんて、そういうものだと思っていました。でも違うんですって。あの頃、大衆演劇もどんどん下火になっていって、その役者さんたちが大挙してちんどん屋さんになったのだそうです。だからあんなカッコをしていたらしい。それより前からやっていたちんどん屋さんも、その流れに押されて、カツラを被らなければならなくなった一時期があるんですって。

あ~、ちんどん屋さんの歴史って、なんだか哀愁があるなあ。嶋崎靖さんはおっしゃいます。「ちんどん屋は芸人が最後に行き着くところ、吹き溜まりなんですよ」
それを聞いて、沖縄の京太郎(ちょんだらー)を思い出しました。日本の旅芸人が最後に行きついた沖縄。きっと居心地がよかったんだろうなあ、沖縄も、ちんどん屋も。
かの小沢昭一さんが最後に研究し残したのが沖縄の旅芸人チョンダラーでした。一緒に、と企んでいたのに間に合わなかった。隈本吉成さんは小沢昭一さんの弟子です。

労働の後は事務所でちょいとお疲れさまの一献。
おつかれさまでした

コスチュームを脱げば只の人です。きっせいさんは学校で講師をやっているので先にお帰りになりましたが、U-Stageのボス、嶋崎靖さんと話が尽きなくなりました。そのあたりはいずれどこかに書きます。
友ちゃんにも、あえてここには書きませんが、本当に感謝なのです。今度は…、ね!

でもせっかくだからひとつだけ、嶋崎さんから伺ったちんどん屋さんの極意の話をご紹介しましょう。
「いかに姿を消すか」
ちんどん屋さんはあくまで宣伝係りです。主役はパチンコ屋さんだったりスーパーだったり、あるいは映画祭だったり。着替える場所がなければ、家から衣装と化粧のままで電車に乗り(今日もふたりはそうでした)、その恰好のまま町の食堂に入るのです(今日もそうでした)。さりげなく、目立たぬように。
ちんどん屋さんは人を集めません。集まってきたらこれまたさりげなく場所を移動します。つまり、町に迷惑を掛けては絶対にいけないのです。

ところが最近、修行の足りない若い人たちがちんどん屋業界に入ってきて、盛り上げるだけ盛り上げる。すると近所から苦情が来て、もう次の年からはちんどん屋さんは呼ばれなくなる。ちんどん屋って、ストリートミュージシャンや大道芸人とは本質的に違うんですね。実にストイックで、プロ、職人なのです。役者としても、考えさせられるところがたくさんあります。

もし、来年も映画祭が続けられるのならば、ちんどん屋さんは定番にしたい、心からそう思っています。僕自身が、ちんどん屋さんに転職していなければ、ですが(笑)

そして!
嶋崎靖さんが、あるお知り合いの方に電話してくださいました。それで6月1日の「非行少年」のゲストが決まりました。

日本映画大学の学長、佐藤忠男さんです!
もう、びっくりなのであります。

ともかく、チンドン屋さんには魔法がかかっているのではないか、そんな気がしてきました。だってみんな笑顔になるんだもん。今まで一度も話したことのないお店の方が、ニコニコしてお店から出てきて、喜んでチラシを受け取ってくれて、頑張ってねって言ってくれるのです。
映画祭のアンケートの、「どこでこの映画祭をお知りになりましたか」の選択肢に、「チンドン屋さん」を追加することにしました。

(※小生が撮影した動画はいずれアップします!他の写真も後ほどアップします!)

ubukatamichi

明日です!来てね!/三線・琉球舞踊の無料体験 http://t.co/uTjccr99OQ
05-26 23:59

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tag: 喜多見  隈本吉成  嶋崎靖 

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