fc2ブログ

Yomuparaさんに感謝!

読むパラの石田さんは、これまでも我々のためにいくつかの言葉を紡いでくださいました。
 ⇒CD「セロ弾きのゴーシュ」について
 ⇒「おきなわおーでぃおぶっく」について

そして今回、さらに膨らました文章を書いてくださいました。
そういえば、高山正樹はかつて裏ブログでこんなふうにグチっていました。
 ⇒無花果の積まれた荷車の影に

それを、読むパラさんの石田さんが読んでくれたのかどうか、でもやっぱり石田さんは、やってくださいました。
 ⇒読むパラさんのオーディオブックのページ


※石田さんがお亡くなりになり、「読むパラ」も閉店し(業務は我々M.A.P.が引き継ぎましたが)、このサイトもいつ無くなってしまうか分かりません。なので、貴重な石田さんの言葉を、ここに転載しておきます。

オーディオブックが誕生したのは、そう最近のことではありません。ずいぶん前からいろいろな作品の朗読が販売されてきました。録音をおさめる媒体は、最初の頃はアナログレコードであったり、カセットテープでしたが、最近ではCDや、デジタルデータのダウンロード販売のものが多くなってきているようです。実際にオーディオブックを聞いてみると、こりゃなかなかイイゾとお感じになるのではないか、と思います。現にアメリカではその市場は8億ドル(日本の書籍全体の販売金額の1割にほぼ肉薄する金額です)にもなっているとのことです。しかし、日本ではなぜか、あまり売れていないんです。大きな書店にいっても、なんだか片隅にちょこっと展開されているだけ……。いったいなぜなのでしょう。

アメリカは長時間の自動車通勤者が多いからだ、という分析もあります。しかし、それだけではないのではないでしょうか。日本のは価格が高い、っていう側面もあるでしょう。アメリカでは書籍の価格が比較的高いのに対し、同じコンテンツのオーディオブックとの価格差は小さくなっています。日本では書籍が比較的安価なのに、一般的にオーディオブックは高価です。売れてない、ってことも関係しているのかもしれませんが、オーディオブックになるコンテンツは「テッパン」ものが中心です。この分野での老舗である新潮社のラインナップを見てみると、近代文学の名作と言われるものが中心になっており、それを知名度の高い名優が朗読しています。たとえば芥川龍之介「羅生門」は橋爪功による朗読です。このCDは2枚組(137分)で3,150円。同じ作品が(それに「鼻」まで入って)新潮文庫では380円ですから、10倍もの価格になります。

アメリカではどうでしょう。昨年話題になったオーディオブックにオバマ大統領の「Dreams from My Father」があります。このリストプライス(定価、ですね)は$25.95。この書籍版はペーパーバック版でも$14.95です。オーディオブックは縮約版なので、まったく同じ内容ではないものの、価格差は日本の例に比べると、ずいぶん小さいことが見て取れると思います。ハードカバー版なら、オーディオブックの方が安いくらい。コンテンツの「新鮮さ」もさることながら、価格の問題も無視はできないのかもしれません。ちなみにこの作品の朗読はバラク・オバマ本人です。

日米差のほんとうの原因は実のところ、よくわかりません。しかし、我が国ではオーディオブック市場がまだまだショボいという現実は、とても残念です。なんとかならんもんか。まさにゴマメノハギシリではありますが、ずっと思い続けてきました。

そんな思いがあったので、微力ではありますが、私どもでも実験的にいくつかのオーディオブックを販売してみることにしました。当店のラインナップは現在のところ、株式会社M.A.Pが作っているものだけです。セロ弾きのゴーシュは別にして、他の作品は「おきなわおーでぃおぶっく」というシリーズです。これらの作品には共通した特徴があります。まず、著作権が消滅していないこと。上にも述べたように、我が国のオーディオブックは著者の死後50年が経過している、いわゆる著作権切れの名作が中心です。おきなわおーでぃおぶっくシリーズに収録されている作品の著者はみなさん存命の方ばかり。つまり著作権料をちゃんと支払っている、ということです。

もうひとつ。これは見方を変えると残念なことなんですが、どの作品も、書籍として入手するのが困難である、というところ。なんだかこういう形で対書籍の価格比を考えるのはズルいかもしれませんが……。

販売価格についても、他のオーディオブックに比べると、かなりがんばっていると思います。「沖縄」をキーワードに、埋もれさせたくない作品をオーディオブック化していくんだ、という志にも感じるところ、大です。

今のところ、重くて暗い内容ばかりな点が、正直、申し訳ないかな、とも思わないではないのですが、Yomuparaは彼らのチャレンジを微力ながら応援していきたいと考えています。



なかなか理解してはいただけないかもしれませんが、これ、とても嬉しいのです。
石田さんには感謝感謝です。
さらに輪を拡げて、そしていつの日にか……
これはもう、ミステリーではありません。M.A.P.の方針です!

おまけ。
“おきなわおーでぃおぶっく”で、大変お世話になっている1991さんより頂いたお年賀。会社で作ったカップラーメン。
null
海苔に会社の名前が!
ごちそうさまでした。

いろんな方にお世話になっています。心から感謝なのです。
関連記事

tag: 石田豊  別ブログへ  その他の登場人物  おきなわおーでぃおぶっく  「セロ弾きのゴーシュ」  よむパラ 

Comment

コメントの投稿

Comment
管理者にだけ表示を許可する